4Qで地主私募リートに供給予定、日本商業開発(3252)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3252】日本商業開発(東証一部) --

現在値 1,928円/100株 PER7.66 PBR2.32 3月配当株主優待 9月優待

テナントによる商業施設建設を前提に底地取得、売却益を狙う。 
配当金は3月一括配当の50円で、配当利回りは約2.59%となります。

日本商業開発は株主優待を実施しており、3月末・9月末に3単元以上
保有する株主に対し、3,000円分のジェフグルメカードを進呈しており
ますので、配当優待利回りは約3.63%となります。

業績を確認していきます。
■2013年3月期 売上高 65.7億円、経常利益 4.6億円 EPS 23.9円  
■2014年3月期 売上高 108億円、経常利益 9.7億円 EPS 48.0円
■2015年3月期 売上高 162億円、経常利益 29.8億円 EPS 125.9円
■2016年3月期 売上高 173億円、経常利益 56.2億円 EPS 209.0円
■2017年3月期 売上高 259億円、経常利益 24.0億円 EPS 255.1円 ce
□2016年9月中 売上高 95.7億円、経常利益 20.2億円 EPS 237.3円 

2016年9月中間期の売上高は前年同期比20.9%減の95.7億円、経常利益は
同62.4%減
の20.2億円となり、会社側は中間予算を開示していなかったもの
の大幅な減収減益となりました。前年同期の神宮前
1000坪(※JT→当社→
エムジーリース/テイクアンドギブ・ニーズ)の超大型案件が剥落したことが
主な減収減益要因となります。


なお2017年3月期通期予想は据え置いており、売上高は49%増の259億円、
経常利益は57.3%減の24億円を予想しています。最終益段階では旧熊谷組
系のニューリアルプロパティを子会社化した際の負ののれん発生益が約27
億円効いているため、1Q 時点から予算達成確実の状況でしたが、中間で
の段階利益の進捗率に関しては、営業利益が46.5%、経常利益が84.2%と
なっています。

営業利益の進捗率だけ妙に悪く見えますが、この段階利益がむしろ正常で
あり、経常利益は仕入増強による支払利息の激増を見込んでいる保守的な
予算であることが原因で、最終利益は既述の特別要素による高進捗が原因
となっています。既に開示されていますが、4Qに当社組成の私募REITである
「地主プライベートリート投資法人」の運用開始を予定しており、練馬の西友
や広島のマックスバリュ、浜松のバローなどの8物件を113億円で当該REITに
売却する予定となっているため、今期予算は十分に走破圏と推察されます。


仕入も順調に進んでおり、販売用不動産残高は前期末比約70億円増の291
億円に膨らんでいるほか、契約ベースでは既に約360億円に達しているため、
この仕入は主に翌2018年3月期に効いてくると思われます。大阪の城東区で
1,000坪超の大型案件を仕込んだほか、青山で開発中の結婚式場底地など
を取得している模様であり、買値は安くないとみられるものの、物件自体は
不動産の好況を前提に高値での再販ポテンシャルを有すると思われます。

また、「地主プライベートリート」の他にも、「ケネディクス商業リート」と
のパイプライン契約(※優先交渉順位は2番に変更)も生きているため、出口の
多様性も確保していることから、ここ1~2年は安定的に数字を作ってくること
が期待されます。今期も経常減益予想ながら、再増配期待がかかります。



*参考記事① 2016-07-04 1,488円 ---
ニューリアルプロパティを連結子会社化、日本商業開発(3252)。

*参考記事② 2016-01-25 1,456円 ---
私募ファンド組成視野も、仕入は微妙?日本商業開発(3252)。

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