上期未達も「せたが屋」買収と本社ビル売却は評価、吉野家HD(9861)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【9861】吉野家ホールディングス(東証1部) --


現在値 1,539円/100株 PER52.2 PBR1.74 2月配当優待 8月配当優待


牛丼屋の老舗、国内2位。収益源の『吉野家』を直営軸に全国展開。
配当は年2回の合計20円配で、配当利回りは約1.30%となります。

吉野家ホールディングスは株主優待として、2月末8月末に100株以上を
保有する株主に対して、3,000円分の食事券を進呈しておりますので、
配当優待利回りを算出した場合、約5.20%となります。

業績を確認していきます。
■2013年2月期 売上高 1,645億円、経常利益 24億円、EPS▲7.1円  
■2014年2月期 売上高 1,734億円、経常利益 32億円、EPS 13.5円 
■2015年2月期 売上高 1,800億円、経常利益 39億円、EPS 16.2円 
■2016年2月期 売上高 1,857億円、経常利益 23億円、EPS 13.1円 
■2017年2月期 売上高 1,930億円、経常利益 38億円、EPS 29.4円 ce  
□2016年8月中 売上高 934億円、経常利益 11億円、EPS 24.4円 (10/7)

2016年8月期中間期の売上高は前年同期比0.5%増の934億円、経常利益は
同20.7
%減の11.7億円と増収減益となりました。主力の吉野家は台風の影響
を受けた8月を除き既存店は昨対クリアとなりましたが、注力中のはなまるが
昨対割れを起こしたほか、出店の遅れや人件費の増加なども響き、売上高・
利益ともに計画には届きませんでした。

なお2016年2月期通期の売上高は3.9%増の1,930億円、経常利益は62%増
38億円を据え置いております。牛肉価格の下落や円高基調(※足許は円安)
により原価率の改善が見込まれるほか、店舗純増数も上期の68店に対して、
下期は100店の純増を計画しています。そもそも当社の業績は鍋やうどんが
出る冬季(下期)に偏重する傾向はあるものの、達成確度は不透明です。


今期は3年中計の初年度であり、
2018年2月期に売上高2,100億円(CAGR4%)・
営業利益60億円(CAGR55%)
を目標数値として置いています。今上期が微妙
な仕上がりのため、出端を挫かれた格好ですが、今年6月に有名ラーメン店
の「せたが屋」の株式を66.5%取得しており、傘下に収めるなどしております。

「せたが屋」の店舗数は国内外で17店舗ほどに過ぎないものの、年商は15
億円程度あるものとみられ、買収額は非公表ながら、クリレスHDが一昨年
に買収した「つけめんTETSU」が年商約13億円で15億円だったことを考慮
するに、持ち分考慮で12億円程度の買収額かと推察されます(なちゅ予想)。

また今期は、カルビーから15億円で買った赤羽の本社ビルを日用品卸大手
のPALTACに30億円で売却しているため、15億円程が利益にオンされます。
ただの固定資産売却なので、特別利益なのが残念ですが、当社は中計の
達成に向けて湯水のごとく店舗改装にお金を突っ込んでいるので、そういう
意味では悪くない判断だと思います。あとは厨房改装しまくったにも拘らず、
不発気味の「吉呑み」だけは何とかしてほしいな・・・と個人的には思います。



*参考記事① 2016-05-22 1,397円 ーー
3年後に利益4倍増が目標、吉野家ホールディングス(9861)。

*参考記事② 2015-11-13 1,529円 ーー
年度内にTポイント導入へ、吉野家ホールディングス(9861)。


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