【9861】吉野家ホールディングス(東証１部) －－
現在値 1,397円／100株 PER47.8 PBR1.56 2月配当優待 8月配当優待
牛丼屋の老舗、国内2位。収益源の『吉野家』を直営軸に全国展開。
配当は年2回の合計20円配で、配当利回りは約1.43%となります。
吉野家ホールディングスは株主優待として、2月末8月末に100株以上を
保有する株主に対して、3,000円分の食事券を進呈しておりますので、
配当優待利回りを算出すると約5.72%となります。
業績を確認していきます。
■2013年2月期 売上高 1,645億円、経常利益 24億円、EPS▲7.1円
■2014年2月期 売上高 1,734億円、経常利益 32億円、EPS13.5円
■2015年2月期 売上高 1,800億円、経常利益 39億円、EPS16.2円
■2016年2月期 売上高 1,857億円、経常利益 23億円、EPS13.1円
■2017年2月期 売上高 1,930億円、経常利益 38億円、EPS29.4円 ce
□2016年8月中間売上高 960億円、経常利益 14億円、EPS17.0円 ce
2016年2月期通期の売上高は前期比3.2%増の1,857億円、経常利益は同
41.3%減の23億円と減収減益となりました。主力の吉野家の値上げで
客数が落ち込んだほか、｢牛すき鍋膳｣の一服、円高による在庫評価損
で利益を圧迫しました。はなまる・京樽・アークミール(どん)のサブ
業態も軒並み増収を確保したものの、利益面は計画未達となりました。
なお今2016年2月期の売上高は3.9%増の1,930億円、経常利益は62%増
の38億円と反転増益を見込んでいます。はなまる業態で出店を加速
する方針であり、期末店舗数375店に対して、今期は50店舗の出店を
計画しており、丸亀製麺を猛追します。また、吉野家・はなまるとも
野菜を前面に押し出した健康メニューを戦略商品に位置付けており、
牛丼・うどん同業他社と差別化することで、女性客を取込みます。
また、3年後の2018年2月期を最終年度とする中期経営計画も併せて
発表しており、売上高2,100億円(CAGR4%)・営業利益60億円(CAGR55%)
を目指します。前期の仕上りが悪く、発射台が相当低いところからの中
計なので凄い伸びに見えますが、始期営業利益を30億円とみなして
洗替しても、営業利益CAGRは約25%なので、それなりに意欲的です。
ただ国内吉野家は既にに頭打ちであり、前期から設備投資に63億円を
投じて"吉呑み"向けに厨房改修するなどしたものの、当初想定ほどの
成果は挙がっていない模様で、今期は円高・牛肉安による利益率の
改善をひたすら期待する｢お祈り状態」となります。
そのためこの中計3ヵ年に関しては上述のとおりはなまる業態での出店
を進めるほか、今期は海外で115店(前期末780店)の大量出店を行ない、
軸足をアセアンに移して成長を目指します。マレーシアをはじめ現地で
は合弁会社の判断で出店を進めるため、店舗拡大に関してはスピード
アップが期待出来るかと思います。
ちなみに本中計ではROE4.7%(期末ROE1.6%)も定量目標値として示されて
いるため、利益目標が達成すれば自ずと達成される数値ではありますが
利益指標が未達となりそうな場合は、増配や最終年度の自社株買いなど
で帳尻合わせする可能性もあるので、潤沢な現金を活かした株主還元も
期待していきたいところではあります。
(※2014年に160億円＠1,341円の自社株売り実績があり留意必要)
*参考記事① 2015-11-13 1,529円 投資判断Inline継続
年度内にTポイント導入へ、吉野家ホールディングス(9861)。
*参考記事② 2014-05-31 1,308円 投資判断Inline継続
自社株売却で財務は急改善、吉野家ホールディングス(9861)のレビュー。
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特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に
基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。
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