原田泳幸の経営教室 マーケティング編 | ラテン系企画マンの知恵袋

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日経ビジネスの記事より

『数字やデータだけでは答えははっきり出ない。もっとはっきり言えば、リサーチデータで経営戦略を立てるな』

といきなり挑発的なコトバが出てきます。
そして、原田氏は、具体的に解説します。

『例えば、新商品としてコーヒーを出すにあたってマーケティングリサーチをかけるとします。「このコーヒーはおいしいですか」「はい」「販売が始まったらお買い上げいただけますか?」「はい」。こんな調査をして、何%の顧客に高評価を得た。だからこの商品は「売れます」なんてことをやる。でも、僕に言わせれば、こんな調査じゃ本当の顧客心理は何もわかりません。特に日本人は礼を重んじますから、こちらが嫌がるようなことは言いません。

あるいは、価格調査をしたとします。このコーヒーの価格として200円だといかがですか。「高いです」。では150円だといかがですか。「少し高いです」。これで「顧客は新商品に対して150円でも高いと受け取った。100円以下の値付けが妥当と思われる」なんて結論を持ってくるわけです。

それは「顧客が言ったこと」には違いない。ただ「本当のこと」ではありません。大事なのは、本当に顧客が求めているもの、顧客自身がひょっとしたら気づいていないかも知れない深層的なニーズを見抜くビジネス・インサイトです。

先入観を捨てて、現場に足を運び、商売に「におい」を嗅ぎ取る。そのにおいを基に、新しい価値を生み出す方法を考えて、考え抜いて、「これだ」というものが出来上がったら、あとは「信じる」んです。データは、その成否を「検証」するためにあるものです』

⇒原田氏のコトバに100%賛同致します。マーケターが考え抜いた先にしか本当の答えは存在せず、調査はあくまで、それを補完するものでしかない。先日のプレジデント誌の取材で、同様のことを言ったつもりだったのですが、「調査データはあてにならないので、マーケターの嗅覚こそが重要」としか引用されないのは、まだまだ修行が足りないのだと大いに反省致しました。