これからのコミュニケーション作法 ニコニコ大会議@JCBホール | ラテン系企画マンの知恵袋

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昨日、行ってきました!!

ニコニコ大会議

https://secure.nicovideo.jp/secure/entry_9

http://blog.nicovideo.jp/niconews/2010/02/006655.html


リアルイベントと動画配信を組み合わせた

ドワンゴの新しい試み


川上会長曰く


『なにかのために大会議をやっているんじゃなくて、

大会議のために仕事をやっているというのが正しい。

ここが終着駅、そして出発点。なぜ、ここから歴史が生まれている

ということに気づかないのかね?と思う。

(中略)

これ見ないでネット業界とコンテンツ業界の未来を語る資格はない、

と、ほんとそう思います。いや、まじで。』


はい、正直、私もなんだかよくわからないまま参加しました

「ニコ厨」たちの集まりで、アキバ的ノリのイベントでは?

という先入観のもと(失礼!)


開演直前にJCBホールに到着し、まず、長蛇の列にびっくり!!

軽く、200人は並んでいる

それも、半分は若い女性

一瞬、何か違うイベントと間違えたかな?と思った


警備員さんに、恐る恐る、「ニコニコ大会議ですか?」

と確認し、「招待客なんですけど」と告げると、列の脇から

受付に通してくれた


入口でスタンバッていた、杉本社長にご挨拶

なんと、3000人収容のホール、満席とのこと


「意外と女性が多いんですね?」と聞いたところ、

年々、イベントがメジャー化し、

女性を含めた「普通の人」が増えているのだそうだ(笑)


開演前ギリギリに会場に入ると、

4階まであるホールが見事に満席

すでに異様な熱気に包まれている

なんていうのだろう、ものすごく濃い一体感のような空気


そして、開演

出演者が順々に紹介される


王族バンド、赤飯、ピコ、サリヤ人、らっぷびと、ポコタ etc.


パフォーマンスと共に現れる出演者に、その都度、

会場は大盛り上がり


で、自分はというと、1人も知らない...

完全にアウェイな感じ

このアウェイ感は、3年前に初めて東京ガールズコレクション

に行ったとき以来の衝撃だ!!


でも、なんだろう、PVが始まり、出演者のライブが始まり、

と会が進行していくに従い、アウェイ感が薄まり

だんだん居心地が良くなっていった

TGCの時、5分で限界と感じたのとは何かが違う


出演者も、来場者も、全力で「楽しい」というのを表現している

出演者が来場者にコトバを投げかけると、

瞬時にリアクションが返ってくる

時には、観客席にいる芸人さんが映し出されて

ステージとの掛け合いが展開されたりする


そう、ステージ上の演者が「芸」を披露し、観客は

ただそれを眺めるだけという従来のイベントとは異なり、

来場者も単なる観客ではなく、

一緒にイベントを作り上げている構成員の一人


そんな雰囲気なのである

そして、その一体感には、不思議と排他的な感じはない

だから、なんとなく、居心地が良いと思えたのだ


それを象徴しているのが、司会進行

普通、これだけの大イベントならば、

プロの司会者を立てると、思いきや、なんと、

夏野さんとひろゆきが自らMCをやっている


そして、2人とも、とにかく、楽しそうなのだ

その雰囲気が、出演者に、来場者に自然と伝播する


とはいえ、ここまでであれば、

とても完成度の高い、来場者参加型の

従来型イベントと言えなくもない


ニコニコ大会議の先鋭的なところは、

これを「ニコ生」でリアルタイム中継していること


そして、中継画像を、会場にも大スクリーンで

映し出していること


ご存知のとおり、ニコニコ動画の場合、

動画上にテキストのコメントが入る


通常の動画の場合、コメントは非同期型なのですが、

生放送の場合、コメントもリアルタイムで反映される


つまり、3000人の来場者だけではなく、

40万人弱の「ニコ生」の視聴者も、

中継を通じてイベントに参加できて、かつ、

視聴者が書き込んだコメントが

会場の大スクリーンに映し出されて、

出演者・来場者ともリアルタイムでシェアできる


ということで、イベントそのものが究極の

インタラクティブ&リアルタイムメディアになっているのだ


今回、ニコニコ大会議にご招待頂いて、

これからの時代のマーケティングコミュニケーションの

『原型』と出会った、と感じた


ニコニコ大会議は、

感謝祭的要素(+実験的要素)が強いので、

特にスポンサー「広告」的要素はなかったけれど、

将来的には、ブレイクの部分に広告を取り入れるのは、

全然、アリだと思う


ただし、TVCM用の素材を転用するのではなく、

コミュニティーの「温度」をきちんと理解した上で、

コンテクストを尊重した「生コマ」にする等の工夫は必要であるが


もちろん、ニコニコ大会議の来場者・視聴者は、

大学生であったり、フリーターであったり、ニートであったりと

現時点では、消費者としての影響力は小さいかも知れない


ただ、数年後には、彼ら/彼女らが、消費者の主流になった時、

こういうコミュニケーション作法を、情報の送り手が知っているか

知らないかで、効果が全く異なるのだろうなぁと

深く考えさせられた


先日、ソフトバンクがUstreamを買収し、

同社の潤沢な資金力で増強されるUstreamに対して、

「ニコ生」は太刀打ちできないのでは?

と言われております


が、このエントリーに書かせて頂いた通り、

「ニコ生」の価値は、この濃密なコミュニティー性にあり、

単なるハード面の競争とは根本的に軸が異なる


そして、コミュニティーは資金力にモノを言わせて、

一朝一夕に出来上がるもではない


そんな風に考えがまとまった1日でもありました


なんでも、このニコニコ大会議、

プレミアムチケットがヤフオクで28,000円で

取引されていたというほどの人気だったそう


ドワンゴの皆様、こんなすばらしい会にご招待頂き、
本当にありがとうございました!!


<関連エントリー>

■【書評】ニコニコ動画が未来を作る 佐々木俊尚著

http://ameblo.jp/motohiro0215/entry-10406124385.html


■【講演録】マスメディア化を目指し成長を続ける「ニコニコ動画」

http://ameblo.jp/motohiro0215/entry-10406102188.html