「魔法少女まどか☆マギカ」を見たわけですが

「魔法少女まどか☆マギカ」における建築的考察②

 

「魔法少女まどか☆マギカ」における建築的考察④

「魔法少女まどか☆マギカ」における建築的考察⑤

「魔法少女まどか☆マギカ」における建築的考察⑥最終



まどかの家についてそのデザインコンセプトについて考えてみたわけですが、
現代建築のデザインを踏襲した家であり、なかなか規模の大きな案件でもありそうなんです。

もう一度まどかの家を見てみましょうか。

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この家、どれくらいの規模なのかなあ、、としばらく立面をながめていたんですが、
外観からはなかなかその大きさを伺い知れる要素がないんですよ。
通常のスケールが分かる部位、なんでもいいんですが、たとえば自転車とか自動車とか
人体のスケールが反映しているところがあればなんとかこの建物の寸法の推察ができるんです。

しかしながら、建築物において窓の大きさとか扉とか、デザイン上は結構どうにでもなる。
この正面サッシの幅なんかも、
縦横比からのみ窓の幅が900ミリだろうと思っていると、細かったり広かったりするんですよ。

で、何か寸法がわかる部位はないかな、、と探していたんですが。
ありました。
第1話のオープニング、夢落ち?からまどかが目覚めた後、
呑べえで朝寝坊のママを弟といっしょに起こしにいくシーンです。


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この部屋ですね。
ベッドや椅子なんかも散乱していますから、それらから推察していくことも可能なんですが、
ただし、透視図的に部屋の中央とかに置かれていると、
椅子の高さが40センチくらいだろうと判断できても部屋の規模は確定じずらいんですよ。
入り口らしきドアが正面右にありますけどねえ、、、
これを安易に1800とか2100とかにしてしまうと間違うんですよ

どうしようかなあ、と思っていましたら
ありました!おあつらえ向きの部位が。

それは階段です。

階段というのは、基本もっとも人体寸法とかと連動していて
神社の急な階段とか、スタジアムの入り口前みたいにあえてゆったりさせてある場合をのぞき
まあ、大体1段200ミリ前後と考えていい。

でも、このまどかママの部屋の階段はなんなんだ?
なんで寝てる脇に階段あるの?酔っ払ってリビングで爆睡?
とはいってもベッドもあるから寝室には違いありませんよね。

この階段がのぼった先を見てください。
なにか、その奥に広がりがありますよね。
言ってみれば部屋を見下ろす観覧席みたいな場所。

これは、ロフトですね。

建築基準法的には小屋裏収納スペースといわれますが、
元々は、住宅の面積制限があっても、屋根裏なんかに物置を設ける場合には、
その部分のみ、面積制限から目をつぶってあげましょう、
ただし直下の床の半分までですよ。
という面積制限の緩和措置から生まれたものです。

数年前まではこのロフトスペースの判断は各行政や審査機関とも
けっこう施主さん寄りに判断してくれて、
そこに固定階段とか、上から見下ろせる観覧席形式も普通に出来たんです。
最近は、ロフトスペースに建前上寝たり起きたりしてはイカンと言われますが。

とまあ、堅苦しい建築基準法の話は置いといて、
この階段の1段分の高さ、これを専門用語では蹴上げ(ケアゲ)と呼びますが、
200ミリとみなして、補助線引っ張りながら寸法解析してみました。


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おおっ、なんかいい感じですよ。
通常の住宅天井高さは2400ミリくらいが一般的なんですが、
まさにそれに近似の位置にロフト階があります。
さらに、ロフトの天井高さには1400ミリ以下とせよ、という規定がありますから
このまどかママの部屋の天井高さは3800ミリということになります!

ドアの高さも2000ミリ前後ですから、こことも整合してきますね!
やりました!
もちろん、この寸法の正しさを担保するのは、
まどか☆マギカの世界が現代の日本で、建築基準法を遵守する世界観でであれば、、なんですが。

ということなら!外観からも寸法解析が可能になります。
なぜなら、ママの部屋に2階天井高さと正面バルコニー部分の高さは、
窓が床から天井まで一本通っているかことから、一致とみなせるからです。

で、これが立面、および階高です。


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なかなか、規模の大きな建物ですねえ。
特に1階も2階も階高や天井高さを大きく取ってあるようです。
2階の天井高さは3800ミリでしたが、
1階の天井高さは階高3800ミリですから、そこから天井懐などをかんがみると
3000とか3300ミリくらいですかね。

解決、解決、ここからいつもの建築的考察のように「まどか☆マギカ」の家、
つまりは鹿目家の平面図を起こして、、と思ってたんですが、

難問にぶちあたったんですよ。

それは、あの母娘で洗顔歯磨きをしている不思議な空間なんです。

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これって、、、、、
えええ

まどかママの身長を1600ミリくらいと考えてみても、、
この部屋優にその3倍くらい超えてる?

何これ?洗面所じゃねえじゃん。
そもそも、こんな高天井可能なのかよ、住宅で。
って思ったんですね。

しかも、正面ファサードのピーター・アイゼンマン張りの、
縦横白いフレームや面の立体構成じゃないし、、、

外観と内部空間が一致しない。
一致しないどころか、、
デザインのコンセプトがまったく異なっている、、、

構造方式だって、表面とまったく違う様相。

この洗面所のような、巨大空間をカタチづくっている壁面は、、
カーテンウォールじゃんか、、、

ということで、本格的に建築考察始めてみます。

つづく



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