義母が北京から来日して三日目・・・
とうとう月曜からは主人も出勤なのでほぼ言葉の通じないもの同士の生活が始まった。
月曜は4月から娘が通い始めた幼児教室が9時半からあるので私が送っていく。
11時半までの2時間だけだけれどやっとこの時間は私にとっても自由な時間。
私はどうしても妊婦用にパンツを購入したかった。娘と一緒だと試着もろくに
できないし、一回か二回が限度。しかもずうずうしくももうすぐ7ヶ月になろうとも
しているのにまだあきらめず普通の服を購入しようとするから時間がかかる。
よって娘を預けて私は近所にあるデパートに行く事に計画していた。
この時間義母もテレビを見たり、ゆっくりとした時間を過ごしてもらえたら、と
私なり考えたつもり・・・前の晩に主人にその旨を説明してもらっていた。
テレビは中国語の放送も見れるようにしているのでそう退屈もしないはず・・・と。
そして帰宅。お昼は口に合うか心配だったけれどデパ地下弁当。おやつに
シュークリームも買って午後は3人でお茶でもしましょ~~。
ちょうど3時くらいになった時だろうか?主人からの電話。
みんなまったりそれぞれの時間を過ごしていた時の事だった。
主人は何やら母と話しをしていた。
それからである、ちょっと雲行きが怪しくなり始めたのは・・・
私は何も気づかずにお茶の準備をして義母を誘った。
すると・・・・義母の目にははっきりと涙の後が。
あれれ??どうしたの?
あ、もしかして息子と電話で話してホットしたのかな?
準備したお菓子にもお茶にも手をつけずに義母は
「散歩に行って来る」
と出かけてしまった。
心配になった私は主人に電話をする。
「そうそう、僕が散歩にでも行くようにって言ったんだよ、気にしないで、帰ったら電話するようにね」
そうか~~そういう事だったのか、そんな息子の言葉に感動して涙してたのね、やっぱり
義母だわ~~。・・・ったく涙もろい事は私以上だわ!!
なんて勝手な想像をしていた私達。
夜は娘の寝かしつけは私がする事にし、主人は義母の部屋へしばしのおしゃべりに行ってもらった。
隣室から聞こえる白熱した声。
この時点もまだ
「よ~~しゃべる事があるな~~、いくら親子でも家の弟と母じゃありえん」
などと考えていた私。
約2時間後主人が部屋から出てきた。もう12時も近い・・・
「すごい泣きながら怒られた・・・・」
「はい?」
事の発端はこうである。
主人が義母に散歩を促した事が非常に義母を傷つけてしまったらしいのだ。
「まだ来たばっかりなのになんで一人で散歩の行けなんて言うの?」
「え・・・・じゃ、行かなければいいんじゃ・・・」とは私の感想。
主人曰く義母はとっても勝気な性格、口が裂けてもできない!とか
一人で行けないとか言えないそうだ。
「は~~~、う~~んよくわからないな~~」と私。
自分は仕事を休んでまで今日本に来ている、なのに散歩をして来いとは何事?
北京にいれば友達とおしゃべりしたりできるのになんで一人で散歩をしないといけないの?
あ~~こういうところ全く私とは正反対というか、とにかく義母は役に立ちたいし
いろんな事を教えてもらい吸収したいのだ。
それを普通のおばさん感覚でお茶に誘ったり、テレビを見たり、はたまた散歩に
行くように言ったり、全く理解ができないみたいだった。
結局来る前に主人が言っていた
「お母さんにギャン子はまかせてchouchouは休憩してね」
というのは夢へ・・・・全て一緒に行動しないとだめ。
今日ははるばる来た友達としばしのランチタイムを計画していたけれど
キャンセルする羽目に。
でも私は怒る気にはなれなかった、だからこそこういう性格だからこそきっと義母は今の地位を築いていられる
のだ。
義母の勝気はまだまだ続く
「朝も散歩に行くからね!」
主人に対する義母の最大のいやみであった。