「悪い男」 | 小山田モナ 人生(たび)の地図

キム・ギドク監督。


昨夜は久しぶりに映画鑑賞した。
大好きなキム・ギドク監督の「悪
い男」。

もうキム・ギドクと聞くと観ずにはいられない。

この前観た「映画
は映画だ」も観ているうちに”キム・ギドクっぽいな~、でも監督
ちがう人だしな~”と思っていたら総指揮がキム・ギドク監督だっ
た!

作品を観ていつも思う。
この監督は繊細で愛が深い。

タイトルからどんな悪い男が出てくるのかワクワクしていたけど、
全然悪い男に感じられなかった。

とんでもなく大変な人生を選んで不器用に生きる男がそこにいた。
でも表面的には、なんてひどい奴だ!ってことになるけど、役者目線から観るとこうなってしまう・・

最近気づいたことだけど、私は子どもの頃から人の潜在意識にアク
セスして人を見ていたから、人の悪いところが見えみくい傾向にあ
って大変な思いをたくさんしてきたみたい。
今思えば、それって役者としてはとても役に立つ見方だと思う。

映画の登場人物の立場としては、悪い男に陥れられ・・ということ
になるが、観ている側には何故そうなったかが解る。当然演じる側
はその”何故”を紐解き演じなくては観ている人に伝わらない。

キム・ギドク監督の作品は特に粒子が細かいので、登場人物の表情
をよーく観てないとせっかくの想いを見逃してしまうことになる。
そんなワクワク感を味わわせてくれる作品に出会うと本当に鳥肌が
立つ。

一見ひどい事をする人の、そうさせてしまう想いは何?
そんな事を探っていくといつも、「愛を求める」想いにたどり着い
てしまう。

そして、言葉にならない深い愛は、いつか必ず相手に伝わる。
そう信じて現実世界も生きようとするのはナンセンスだろうか?
でも、究極の愛を表現しようと創造する世界と現実世界、両方に生
きる俳優はどこかでそれを信じてなきゃさ、つまんない気がするの
ですかお


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