劇場版2「ライダー3号、その名は…?」(中編)
<前編はこちら >
象外鬼四天王のアジト。
先ほど象狼にKOされた象烏賊(姿は嵐)と象毒蛇(姿は一貴)がようやく目覚めた。
象烏賊「ん…ここは…」
象毒蛇「象不死鳥のおっさんのとこか!」
起きると、象狼(姿は牙)と象蛭(姿は華)がVTRを見ている。
象烏賊「おい象狼、その映像はなんだ?」
象毒蛇「シンケンジャーとやらのDVDか?」
象狼「違う!これは仮面ライダーの今夜の行動だ」
見ると、ナマコモクモクレンの赤眼を怪払刀で刺し、一撃に仕留めた象亮の姿が。
象烏賊「おいおい…こんなでかいの一撃で仕留めたのか仮面ライダーとかいう奴は?」
象毒蛇「なんて野郎だ…」
象狼「これでわかっただろう、我々が喧嘩してる場合ではない」
象蛭「仮面ライダーってのは私たちにとってとんでもない障壁ってわけね」
象烏賊「しょうがない…打倒仮面ライダーに限っては休戦といこう」
象毒蛇「断る!その代わりこいつを倒した奴が俺たち象外鬼のトップに立てるということで…」
ドガガスッ!
象毒蛇「いてえ!」
象狼「今はそんな意地を張ってる場合ではない!」
象毒蛇「けどよ…」
象毒蛇はまだ何か言いたそうだったが、残り三人がそろって凶器を持って構えていたので恐れをなしてしぶしぶ口を納めた。
四天王たちの会議は続く。
象狼「いまのVTRを見てもらったことからわかるとおり、仮面ライダーはどんどん脅威となっている」
象蛭「確かに、自分の何倍もある怪人を一撃で仕留めるとは…」
象狼「そこでだ…この際我々も仮面ライダーを作ってしまおう、と思うのだがどうだろう?」
象烏賊「毒を以て毒を制す、というわけか」
象狼「そういうことだ」
象毒蛇「悪いがノーサンキューだ、俺が…」
ボカッ!
象狼「お前はマジで黙れ!」
象烏賊「しかし、ひとくちに仮面ライダーを作ると言ってもな…」
象蛭「方法はあるわよ、象蜻蛉(しょうどらごんふらい)の封印を解いて私たちみたいに人間に移植する」
象狼「あの女か…」
象蛭「確かに取り扱いは非常に危険な女だけど、毒を以て毒を制す以上はそれくらいでないとね」
象烏賊「しかしそれをやるには象蜻蛉に耐えうる強力な人間のメスが必要なのだが…」
象蛭「あてならあるわよ」
象烏賊「なんと!」
象蛭「私の身体(華)の友達に、背が高くていかにも強そうなお嬢ちゃんがいる」
暁のことである。
象烏賊「よーし、なんとしてでも連れてこい!万全を期すためサポートに象蟻地獄(しょうあんとらいおん)を呼ぶ」
象蛭「サンキュw」
象烏賊「他の二人も協力してくれ」
象狼「了解!」
象毒蛇「しゃあねえ、やるか…」
じっくりと作戦を考えてるうちに十日余りが過ぎた。
象烏賊「作戦は明日、決行する。私は基地で待機する」
象狼「俺は象飛蝗赤が現れないか見張る」
象毒蛇「俺は仮面ライダーの動向をチェックする」
象蛭「私はうまいことあのポニーテールのお嬢さんを捕獲する」
象蟻地獄「そして俺はそのアシストをする」
作戦が決まったところで、各々行動を開始する。
そしてその日の夜。
象毒蛇「みんな聞こえるか!仮面ライダーは二人ともはぐれ象外鬼の象角鮫(しょうすぴにーどっぐふぃっしゅ)と戦闘中だ、やるなら今しかない!」
偶然、象亮&ALEX対象角鮫の戦闘を目撃した象毒蛇から連絡が入る。
象烏賊「なんと!よーし…これなら邪魔は入らない!やっちまうぞ!」
象狼「行くか…」
象蛭「まかせなさいw」
象蛭は、華の携帯を手にとると、暁に電話を繋ぐ。
象蛭「もしもし暁ちゃん?今ちょっと会えない?」
暁「おー、華。別にいいよw」
象蛭「じゃ学校のグラウンドにねw」
暁「ちょっと遠いけどまあいいか、んじゃのちほど」
暁はほいほいと乗ってきた。
ここは風見学園のグラウンド。
四天王と象蟻地獄が最終打ち合わせ中。
象蛭「いいわね、私が捕まえたら落とし穴に引きずり降ろしなさい」
象蟻地獄「まかせなさい!」
象狼「これで万全だな…万が一のための象複製(しょうれぷりか)もあることだし」
象烏賊「あとはそのヘビ野郎の交戦中の報告が誤りでない事を祈るのみだ」
象毒蛇「信用ねえな…大丈夫だって!」
象毒蛇に限らず、象狼もあることを見落としていた。
それは、今日いまだに出てきていない男である…。
罠とは知らず、風見学園のグラウンドに自転車で向かう暁。
それを、偶然コンビニで立ち読み中に見かける淳。
淳の家は風見学園の近所でもある。
淳「あれ、あの娘は純の友達の…」
ちなみに、淳が第二十四~二十六話に一切出てないのは、第二十三話の象茸との戦闘後~エピローグまでの三日間の間にインフルエンザでダウンし約10日間寝こんでいたためである^^;
ようやく熱が下がってきたが、まだ予備日の範疇であるため翌月曜日から復活となる。
淳「何か悪い予感がするな…」
引っかかるものを感じたのか、淳は徒歩で後を追った。
風見学園のグラウンド、暁が到着。
暁「華ー?」
暁は、華がいないことを不審に思ったが、その時!
象蛭「ほーほっほっほ!」
暁「何!?」
現れたのは、華ではなく象蛭!
暁「ば、バケモノ!?この前のムササビやキノコの仲間か!?」
象蛭「一緒にしないでもらえるかしら?私は象外鬼四天王のひとり、象蛭」
暁「四天王?」
象蛭「あんたを象外鬼の資質ありとして拉致らせてもらうわ」
暁「その声!…あんた、華の声色と携帯を使って…華はどこ!?」
象蛭「知る必要はないわ、覚悟なさい!!」
暁「???」
ガシッ!
暁「!!!」
暁につかみかかる象蛭。
暁「何すんだ!」
象蛭「大人しく私たちのとこに来るのよ!」
暁「ふざけんなぁー!」
ブォン!ドサッ!
暁は、象蛭を背負い投げた!
象蛭「い…ったぁ!やってくれるわね…」
暁「こう見えても空手・柔道・合気道の有段者でね…」
象蛭「手加減はいらないわね…みんな、やぁ~っておしまい!」
象狼、象烏賊、象毒蛇も現れる、説明が遅れたが皆怪人体である。
象狼・象烏賊・象毒蛇「あ~らこ~らさっさ~…って、何を言わせるか!」
初団体芸を披露したところで、三人はそれぞれ暁に襲いかかる。
しかしながら暁はなかなか腕が立ち、4人がかりでもらちがあかない。
ボクサーに憑依している象狼がメインで、残り三人がサポートにまわっている感じである。
暁「はぁ、はぁ…しつこい!」
暁の気が一瞬抜けた。
象烏賊・象毒蛇「今だ!」
暁「!!!」
象烏賊・象毒蛇はここぞとばかりに暁の両腕を取った!
暁「くそ!離せ…」
暁は、足で攻撃しようとしたが…足も動かない。
足元を見ると象蛭ががっちり両足を抑えていた。
象蛭「一巻の終わりね…」
そのとき、淳はようやく校門へ辿り着いた。
淳「あ、あれは象外鬼!でもなんであの娘が…?」
象飛蝗赤「御託はいらん、淳、変身だ!」
淳「ああ…しかし病み上がりで大丈夫かな?」
象飛蝗赤「大丈夫だろ、変身!」
象飛蝗赤が無理やり変身ポーズを取り、象淳に変身した…が、しかし、いつもと様子が違う。
淳「あれ…?手が赤い?」
象淳の姿は、いつもと赤と黒の比率がさかさまになり、折れた角が右ではなく左になっていた。
象飛蝗赤「どうやら俺主導で変身するとこうなるようだな…」
淳「そうか…しょうがない、お前に任せた!」
象飛蝗赤「この瞬間を待ってたぜ!行くぞ!」
赤い象淳は四天王に囲まれた暁を救出に向かった!
しかし!
ゴゴゴゴゴゴゴ…
象飛蝗赤「!?」
ズザァァァァァ!
一瞬にして、5人は姿を消した。
象蟻地獄によるものである。
象飛蝗赤「象蟻地獄か…気配をたどるしかねえな」
象淳は、象蟻地獄の気配をロックオンし、ダウジングのように動き出した。
<後編へ続く >