象亮 第二十六話「ALEX!はぐれ象外鬼来襲!」(後編)
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ピンポ~ン
綾「りょーくん、誰か来たみたいよ」
亮「なんだ、お袋いねえのか…しょうがねえ、おれが行くわ」
亮は、玄関に向かいながらも何かを感じ取っていた。
ガラガラ
亮「どちらさ…あれ、哲夫さん?どうしてここが?」
哲夫「君のバイクが表に停まってたのでもしかしたらと思ってね…それに」
亮「それに?」
哲夫「ここはおれが高校生のころよく遊んでいた空き地でね…昔を懐かしみにここを通ったんだ」
亮「僕が生まれる前ですか…」
哲夫「まあ、それはいいとして…聞きたいことがある」
亮「なんでしょう?」
哲夫「君は、君の中に誰か別な人格がいないか?」
亮、ぎょっとする。
亮「い、いや、ぼ、僕は、に、二重人格とかじゃ、じゃな」
亮は基本的に嘘をつくのがド下手な男である(笑)
象飛蝗「嫌な予感したんだよー!」
象飛蝗は緊張の限界を迎えて叫んでしまった!
亮「バカヤロウ!最悪のタイミングでしゃべるな!」
象飛蝗「んなこと言ったってよお!」
いつもと突っ込み・ボケが逆である^^;
亮「…これじゃ隠しようないですね、実はそのとおりなんです、僕の中には象外鬼の象飛蝗と言う怪人がいるんです」
哲夫「やっぱりあいつの言うとおりだったか…」
亮「やっぱり?」
哲夫「実はおれもなんだよ、象飛蝗白金ってのがいる」
象飛蝗白金「俺がその象飛蝗白金や、弟の象飛蝗緑がいつも世話になっとるんでお礼言わせてもらうわ」
亮「わっ!キンタロス!?」
象飛蝗白金「ちゃうちゃう、象飛蝗白金や、坊っちゃんにわかりやすく言うたらシャドームーンのほうに似とるで」
亮「名前からしてゴールドプラチナムのほうかと思った^^;」
哲夫「というわけだ」
象飛蝗「ちょっと待てー!」
亮「なんだバッタ?」
象飛蝗「俺に兄貴がいるなんて聞いた事ねえぞ!」
確かに、これまで象飛蝗は類似の怪人がいることは話していたが自身に兄弟がいるとは一言も語ってない。
象飛蝗白金「ああ…それはしゃあないわ、俺が家出たときにゃお前は赤ん坊やったからな、年齢差にして22歳もある」
哲夫「おれと亮くんくらい違うな」
亮「そりゃあ知らなくてもしょうがないですね」
象飛蝗「そんなのありかー!だとしても親父にしろお袋にしろ何で教えてくれなかったんだよー!」
象飛蝗白金「なんやと!?確かに家出る時大喧嘩になったけど俺はおらんことにされとったんか!」
亮「ところで、なんで兄弟なのに訛りが違うんだ?」
象飛蝗白金「家出てからしばらく京都におったんや、お綾に封印される前のことや」
哲夫「だからおれが象外神社にサッカーボール蹴り込んだ時はあそこにいたのか」
亮「え?哲夫さんも象外神社にサッカーボールを蹴りいれたんですか?」
哲夫「もってことは…亮くんもか!?」
亮「そうです!蹴り込んだときにこの野郎にとりつかれたんです!」
哲夫「なんだってー!」
玄関口の騒がしさは、部屋で待つ綾にも聞こえてきた。
綾「うるさいなあ…なんかキンタロスの声聞こえるけど…」
綾も、二階から玄関に下りてきた。
綾「りょーく」
ツルッ!
綾「わーっ!」
ドシン!
綾「つぅ…いたぁーい!TT」
綾、久しぶりのお約束ドジ炸裂^^;
亮「どうしたんだよ、んな慌てて」
綾「だってキンタロスの声がして…こちらのおじさまは?」
亮「ああ、さっき話してた哲夫さんだよ」
哲夫「亮くんの妹さんかな?高村哲夫です、よろしく」
綾「島綾です、りょーくんとはよく兄妹と間違われますが幼馴染です^^;」
哲夫「あ、これは失礼^^;」
綾「いつものことなんで大丈夫ですよ」
亮「ずっこけた拍子に白いパンツが丸見えになってますがこれもいつものことなので^^;」
ササッ
綾「余計なことは言わなくていいの!」
亮「言わないと気付かないじゃないか!」
象飛蝗「だーっ!また始まったー!」
ここからはいつもの喧嘩に突入。
象飛蝗白金「余計なこと言ってこうなるのは…昔のお前と玲子にそっくりやないか?」
哲夫「確かに、おれもよく玲ちゃ…カミさんとはくだらねえことでよく喧嘩してたっけ…」
哲夫は、ポカーンとしつつも昔の自分を亮たちに重ねていた。
そんな折であった。
みっくみ~くにし~てあげ♪
Pi!
亮「もしもし剛?どうした?」
剛「亮さん、商店街にサメの象外鬼が現れた!急いできてくれ!」
亮「わかった!」
Pi!
哲夫「剛君からか?」
亮「ええ、象外鬼が商店街で暴れてるそうです」
哲夫「そうか…急ごうか」
亮「はい」
綾「え?りょーくんはともかく哲夫さんはなんで?」
亮「ごめん、説明してる暇はない、ライダァー…変身!」
亮は、その場で象亮に変身。
亮「おれ、参上!」
哲夫「むん!(ギギギギギギギ)…へん~…しん!」
哲夫は、仮面ライダーBLACKを反転させた変身ポーズを取り、前半に現れた仮面ライダーの姿になった。
哲夫「仮面ライダー、(ビシッ!)アルェーック(ALEX)!」
綾「うそぉ~!?さっきのはジョークのつもりだったのに!?どーゆーこと?」
亮「しょーゆーことっ!」
綾への説明を一言ですますと、象亮とALEXは各々のバイクに乗りこむ。
亮「綾ちゃん、乗って!」
綾「おっけーw」
哲夫「いや、危険だ、待っててもらった方が」
亮「哲夫さん、綾ちゃんは象外神社の巫女さんなんです」
哲夫「なんだって!?」
亮「象外鬼はいま彼女にしか封印できません、僕が象外鬼を倒し、綾ちゃんが封印する。これが僕たちのやり方です」
哲夫「おれのときと違って完全に封じる術があるってことか…わかった」
綾(りょーくんの一人称…なんでさっきからずっと僕なんだろ?)
綾がいつもと違って堅い亮を不審がりながら、ダブルライダーは商店街へ向かう。
商店街では、サメの象外鬼・象角鮫(しょうすぴにーどっぐふぃっしゅ)が暴れていた。
象角鮫「はっはっは、商店街は俺が喰らってやる!」
剛「そうはいくか、今すぐ仮面ライダーがかけつけてお前を倒す!」
象角鮫「ほざけ、どこに仮面ライダーがいる?」
ブロロー…キキッ!
亮・哲夫「ここにいるぜ!」
象亮・ALEX、到着!
象角鮫「な!」
亮「お前倒すけどいいよね、答えは聞かないけど!」
象飛蝗「いいか、俺に前フリはねえ!最初から最後までクライマックスだぜ!」
象飛蝗白金「俺の強さは泣けるで!」
全員、電王のパロディで口上を上げる中、哲夫も名乗りを上げる。
哲夫「…おのれゴルゴム!」
亮「哲夫さん、それ違う^^;」
ボケのかましようがなかった(笑)
象角鮫「おのれ…象軍隊蟻、やれ!」
象軍隊蟻「アーント!」
いつもどおり象軍隊蟻に囲まれる。
亮「リボル、ケイン!」
象飛蝗「違うだろ!」
象亮はリボルケインならぬ怪払刀を抜き、象軍隊蟻をなぎ払っていく。
哲夫「キングストーン、フラッシュ!」
象飛蝗白金「それもちゃうで^^;」
ALEXは腹部の緑色の光で、象軍隊蟻をダウンさせていった。
亮「う…あー、目がちかちかして気持ちが…」
哲夫「あ、亮くんすまん!」
亮「いえいえ…」
なぜ亮が具合悪くなったかは「ポケモンショック ポリゴン」か「テレビパワー」で検索!
象角鮫「くそー…今度は俺が行くぞ!」
亮「来やがれ、かまぼこにしてやるぜ!」
象角鮫は姿勢を落とし、象亮の視界から消える。
亮「…あれ、どこだ?」
そのとき、象角鮫は象亮の真後ろに現れた!
哲夫「亮くん、後ろだ!」
亮「え!?」
ザクッ!
亮「いっ…てぇーっ!」
象角鮫の角がぐさりと象亮に刺さる。
象角鮫「ふふふ…肉体的苦痛の次は精神的苦痛だ!」
象角鮫はそう言うと、またもや視界から消えた。
亮「あたた…どこいきやがった!?」
剛「そこだ!」
剛は一瞬の象角鮫の動きを見切り、狙った!
パーン!コン!
が、同じく姿勢を落として頭を抱えた象亮にクリーンヒット!
亮「いてっ!バカヤロウ!よりによってさっき突かれたところに打つな!」
剛「すまんダンナ!」
哲夫「しかし…どこにいった?」
ビリリッ!
綾「キャーッ!」
哲夫「今の声は綾ちゃん?」
亮「綾ちゃん、何があった!?」
剛「鮫のや…う!」
剛がぶっ倒れたということは、もうおわかりですね^^;
綾「あーん、なんてことするのよー;;」
綾は、スカートをはぎ取られ、第十八話で象蟹にやられた時 のようなパンツ一枚状態にされていた^^;
象角鮫「ふはは、精神的苦痛とはこのことよw」
象角鮫は、噛みちぎったスカートの切れ端を口にくわえたまま高笑いした。
哲夫「残酷なことするな…」
亮「なんてことしやがる!」
象角鮫「ふふふ、貴様がキレるのはこちらの思うつぼよw次は上だ…」
綾「ひぃっ!」
亮「待て!それは綾ちゃんにはマジでやめろ!!」
象亮が必死で止める理由はこれまでの話を見ていただければわかります^^;
象角鮫「やめろと言われるとやりたくなるのが世の常よ」
そう言うと象角鮫はまたもや視界から消えた。
亮「くそぉ…さっきので頭がまだくらくらしやがる…」
哲夫「亮くん、ここは俺に任せてくれ…マルチアイ!」
ALEXは、マルチアイで象角鮫の居場所を探る。
哲夫「そこだ!」
ビシッ!
象飛蝗白金「ダイナミック、チョップ」
象角鮫「ぐわっ!なんでわかった!」
哲夫「貴様のこれまでの行動パターンから動きを読み、狙いを定めたまでだ!」
象角鮫「く、くそぉ…」
象角鮫はダイナミックチョップが効いたのか、かなりくらくらしている。
哲夫「亮くん、最後は二人で決めるぞ!」
亮「はい!」
象亮とALEXはジャンプの態勢に入った!
亮・哲夫「とぉっ!」
そのまま空中一回転。
亮・哲夫「ライダァー!ダブルキィーック!」
ドガドガッ!
象角鮫「ぐぉ~!」
象角鮫は灰となり、その場で象亮たちに囲われた綾によって封印された。
亮・綾・哲夫の三人は亮の家に戻った。
哲夫「この町は、新たな仮面ライダーがいることがわかったから思っていたより心配はなさそうだな」
亮「いやあ、僕なんかまだまだです^^;」
哲夫「おいおい、謙遜するなよ。現役がそれじゃ頼りないぞ^^;」
綾「そうだよ、りょーくんはりょーくんなりに今まで通り戦えばいいんだよw」
哲夫「綾ちゃんの言うとおりだ、あの頃のおれにないものが君たちにはあるんだから自信を持っていい」
亮「そうか…そうですよね^^」
哲夫「そうだ、じゃ、そろそろカミさんや子供にどやされるからおれはこれで…」
哲夫は、夏休みということもあり家族で来ていた。
亮「今日はどうもありがとうございました、オープンの時には綾ちゃんや剛連れて必ず行きます!」
哲夫「待ってるよw」
そうして、哲夫は去って行った。
亮「おれたちが生まれる前から仮面ライダーだったんだな…哲夫さん」
綾「22年かあ…あたしは22年後はどんな大人になってるかな?」
亮「おれも気になるなあ…ハゲてなきゃいいけどーー;」
果たして自分たちは哲夫のように歳を重ねることが出来るのか、将来に期待と不安を抱える亮と綾であった。
その頃、象外鬼のアジトとはまた違う倉庫で4人の男女がミーティングをしていた。
その姿は、いつしか三葉虫、サーベルタイガー、翼竜、半魚人になっていた。
果たしてこいつらは…
三葉虫「我々ははぐれ象外鬼、クライゴム四天王!」
サーベルタイガー「仮面ライダーALEXへ復讐するために蘇った!」
翼竜「仮面ライダーALEXめ…」
半魚人「不幸のどん底に落としてやるから首を洗って待っていろ!」
果たしてALEX、そして象亮は次回どうなる…。
次回「SHORYO×ALEX 」