象亮 第二十話「蛾けっぷちの毛虫と目覚めた悪魔」(前編) | ミドさんのばった寿司

象亮 第二十話「蛾けっぷちの毛虫と目覚めた悪魔」(前編)

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前回のあらすじ


亮たちの学校に、綾を狙う象外鬼の刺客・象毛虫(しょうきゃたぴら)が現れた。


「話の都合で井上ワープを使って」駆けつけた象淳は火炎放射をもろに食らい戦闘不能に。


校内につき変身できない亮は、象毛虫の火炎放射を団扇であおり、象毛虫に被弾させ撃退することに成功。


しかし、火炎放射のショックで象淳が象飛蝗赤に戻りそのまま姿を消した…。




とりあえず亮たちは帰宅。


亮「淳の奴…身体乗っ取られたまんまどこ行ったんだろ?」


綾「純ちゃんにメールしてきたけど…まだ帰ってないって」


亮「まずいな…あいつに巣食ってる象飛蝗はうちのバカと違って厄介だからな」


象飛蝗「おい、バカとはなんだバカとは!」


亮「バカにバカっつって何が悪い!」


象飛蝗「こっちこそバカにバカと言われる筋合いはねえ!」


亮「なんだとバカ野郎!」


綾「すとーっぷ!一つの体で喧嘩しない!」




一方、こちらは象外鬼のアジト。


象不死鳥「象飛蝗赤、経緯や貴様の考えはどうあれよくぞ戻った」


象飛蝗赤「とりあえず目的が一緒の所にいた方がいいと思ってな…寝てる間に結構ライダーにやられてるみたいだしな」


象不死鳥「ライダーの一人は貴様のもう一つの意志でもあるのだぞ?」


象飛蝗赤「そんなもんは俺が抑え込めば問題ない」


ようやく日の目を見たこともあり、象飛蝗赤は調子づく。


象不死鳥「ふむ…まあいい、問題は象毛虫がこのとおり繭に入ったことだ、こうなると一週間は動かん」


象不死鳥が指差したのは、東京タワーの模型にもたれて繭にこもる象毛虫だった。


象不死鳥「色々突っ込みどころはあると思うが、貴様には一週間こいつを監視してもらう」


象飛蝗赤「わかった(象軍隊蟻にやらせろよんなこと…帰ってくるんじゃなかったなーー;)」




第二十話「蛾けっぷちの毛虫と目覚めた悪魔」




それから一週間、当然ながら淳は行方不明。


もともと欠席がちとはいえ一週間も家にさえ帰らないのはさすがにおかしいと剛がたまたま自宅のバイク屋に来ていた亮に尋ねる。


剛「このところ昼間君が学校に来てないんだが…亮さん、なんか知ってる?」


亮「あれ…まさかまだ戻ってないのか?」


剛「まだ…?やっぱ何か知ってるな」


亮「いや、隠すつもりはなかったんだが…先週うちの学校に毛虫の化け物が現れたときに、淳がライダーになって来たのはいいんだがやられてしまった」


剛「なにー!?」


亮「そのバケモンは撃退したが、淳があの赤いバッタに戻ってしまいそのまま逆ギレしてどっかいっちまったんだわ」


剛「早く言えよそういうことは!」


亮「いや…おれもあっちこっち探してたらお前に連絡するのを忘れててな、すまんーー;」


剛「…まあ、過ぎたことを言ってもしょうがないか、とりあえずあてを探そうか」


亮「あいつがいそうなとこはひととおり廻ったんだがな…」


剛「ま、もしかしたらタイミング良く今日帰ってきてるかもしれんしとりあえず昼間君の家に行ってみるか」


剛の案内で、亮は淳の家へ向かった。




いっぽう、こちらは淳の家。


いたのは純と綾。


純「もう一週間だよ…兄貴は何をやってるんだかーー;」


綾「そうだねえ…(まさか仮面ライダーの化け物になってどっか行ったとは言えないよね…)」


焦る純と、戸惑う綾。しばらくこの温度差をお楽しみください。


純「前もこんなことがあったんだよなあ…ディケイドで言えばアビスが出てた頃から超電王のあたりまで」


綾「へぇ…(あのドラスみたいなのに乗っ取られてた期間か…)」


純「綾ちゃん…なーんか引っかかる顔してるけど、もしかして何か知ってる?」


綾「ほえ?なんで?」


純「心ここにあらずって感じだよ」


綾「ああ…あたしはもともととぼけてるって言われてるからそう見えるだけだよ^^;」


純「ほんとかなあ…」


ピンポーン


純「あ、もしかしたら帰ってきたかな?」


ダダダダダ


ギィ


純「おかえ…じゃなかったか^^;」


剛「こんばんはw」


亮「ちわっす」


純「あら、川崎さん」


剛「やあ純ちゃん、お兄さんは帰ってないかと思ってきたけど…その様子じゃまだみたいだね^^;」


純「ほんとだよ…二日三日いないことはしょっちゅうだけど…こちらの緑色のジャニーズっぽい子は?」


剛「ああ、純ちゃんは初めてだったね…僕や綾ちゃんの幼馴染の佐渡亮、通称亮さん」


亮「ども、綾ちゃんが世話になってます^^」


純「こちらこそ、いつも綾ちゃんには話で聞いてます^^」


亮「そうですか^^ゞどんな話を?」


純「とてもじゃないけどあたしの口からは言えないです^^;」


亮「なるほど…だいたいわかったーー;」


おおかたスケベだのなんだの言ってるんだろう、と亮は悟った。


純「てか、今綾ちゃん来てますよ」


亮「なんちゅー偶然^^;」


てなわけで家に上がり、綾と合流。


綾「あら?なんでりょーくんが?」


亮「剛ん家にいたんだが淳の話が出たのでこっちに向かったんだよ」


純「それにしても以前と違ってこんだけみんな心配してるのに…兄貴はどこ行ってんだろーー;」


綾「以前と違う?」


純「あ、そうか、綾ちゃんは最近知り合ったから知らないんだよね…うちの兄貴基本的に友達いない奴なのよ、群れるのが嫌いなのかーー;」


剛「それは言えてるかも…学校でも僕以外でつるんでるの見たことないし」


純「はぁ~…ほんと、何してるんだろ…」


純が肩を落としているところで、亮は綾と剛を集めた。


亮(おい、もしかして…淳は妹に自分が仮面ライダーだってまだ教えてないのか?)


綾(そりゃそうでしょ…)


剛(化け物になっちまったことをおおっぴらに話せるわけないだろう、亮さんじゃないんだから)


亮(どういう意味だよ!)


剛(ただ、昼間君は「もう限界かな…」とは言ってたな)


綾(とはいえ、あたしたちがばらすわけには…)


亮(このままここにいても事態は解決に向かわないな…剛)


剛(そうだな…時間だけが過ぎてくだけだ)


亮は決断した。


亮「ちょっともっぺん淳を探してくるわ」


綾「探すって…あてあるの?」


亮「ないけど…ああいう奴だからのたれ死んでるとしても」


剛「亮さん!」


亮「もとい、連絡不能になってるとしてもこの町は出てないはずだ」


綾「そっか…」


亮「と、いうわけで」


純「待った、あたしも行く」


亮「ダメだ、もし淳が帰ってきて行き違いになったらどうする」


純「でも…」


綾「大丈夫だよ、りょーくんは普段はボケてるけどいざというときはやる子だから」


剛「万が一の時は僕も控えてるから」


亮「そういうこった、首に縄つけてでも引っ張って」


淳「その必要はない!」


なんと、淳が帰って来た。


純「あ、兄貴!どこいってたんだよ!」


淳「どこでもいいだろ」


純「あたしだけじゃない、友達みんな心配して集まってんだよ!?」


淳「友達?心配?…こいつらは俺の敵だ」


純「え?」


剛「何言ってんだよ!」


亮「おちつけ、そいつが言ってるのは事実だ」


綾「りょーくん!?」


亮「確かに淳は友達だが…こいつは淳じゃねえ、よって敵だ!」


純「へ?どゆこと?」


淳「ふ、さすがは佐渡亮…勘がいいな、表に来い」


亮たちは、言われるがままに表に出る。




庭に出ると、淳の眼の色が変わる。


淳「変身!」


淳は象飛蝗赤に変化。


象飛蝗赤が、淳の姿を借りていたのだ。


純「え…」


純はまさかの事態に固まった。


綾「純ちゃん…大丈夫?」


純「いや…なにがなんだか」


亮「やっぱり出やがったか…しかしなぜさっきおれの名を知っていた?おれはお前の前であの姿で現れたことはないはずだが…」


象飛蝗赤「ふっ、あの赤毛ツンツン頭の中で時々目覚めてはな…情報を得てたのだよ」


亮「トロイの木馬みたいな野郎だな…」


象飛蝗赤「なんとでもいえ」


亮「そっちがそうならこっちもいくぜ!」


亮はライダーパスを取りだす。


亮「ライダァ~、変っ身!」


亮は象亮に変身!


純「うそぉ~!綾ちゃんの彼氏が仮面ライダーだったのぉ~?」


綾「彼氏じゃないんだけどなあ…」


純「知ってたの?なんで今まで黙ってたの?」


綾「いや、喋っても信じないだろうなと思って」


純「ああ…でも言われてみればこの前と言い思い当ることが^^;」


象亮の癖は亮そのものなので両方を見たことある人なら同一人物と言われれば納得するのだ。


象飛蝗赤「前回は象飛蝗軍団が仕留めそこなったが…今回こそはここが貴様とこの身体の本来の主の墓場となるのだ!」


亮「やれるもんならやってみやがれ!」


象亮VS象飛蝗赤、第二ラウンドスタート!




<後編へ続く