象亮 第二十話「蛾けっぷちの毛虫と目覚めた悪魔」(後編) | ミドさんのばった寿司

象亮 第二十話「蛾けっぷちの毛虫と目覚めた悪魔」(後編)

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象飛蝗赤「とはいえ、今回貴様の相手をするのは私ではない…こいつだ!」


ちゃ~ちゃちゃっちゃっちゃ~!


象飛蝗赤「象毛虫(しょうきゃたぴら)成体、象蛾(しょうもす)だ!」


象蛾「もす!」


亮「やっぱりモスラか…」


象飛蝗赤「ゆけ!象蛾!」


象蛾「もす!」


ボォォォォォ!


象蛾は、いきなり火炎放射!


亮「成虫になってもやるこた一緒かよ!」


象亮は火炎放射を間一髪でよけた。


象飛蝗「亮、俺はバッタだから炎は苦手だ」


亮「なにー!?」


象飛蝗「お前の好きなバイオライダーとやらと一緒だ、一見無敵だがたまたま弱点を突かれないだけで弱点はきちんと存在する」


亮「お前なあ…予想はしてたが今更になって言いやがって、弱点はしょっぱなに」


ボォォォォォ!


象飛蝗「うぁっちゃあ!」


亮「あちちちち!」


綾「あ、珍しく意見があってるw」


剛「当たり前でしょ、火に当たって「あっちい!」って言わない生き物はいないよーー;」


亮「剛、アホかお前!トムとジェリーじゃあるまいし人語喋れねえ生き物が「あっちい!」って言うか?」


剛「あ、そうか^^;」


象飛蝗赤「そんなこと言ってる余裕があるのか?」


象蛾「もす!」


ボォォォォ!


亮「あーちちちち!」


象飛蝗「あっちい!この状況でいちいちガヤに突っ込みなんか入れてんじゃねえ亮!」


亮「だって剛が変なこと言うから!」


象飛蝗「人のせいにするな!おめえの悪い癖だ!」


象亮名物・戦闘中でもお構いなしで喧嘩である^^;


純「なんか…イメージと違うねーー;」


綾「まあ…もとのりょーくんが間抜けのうえ取りついてるバッタ君もベランメだからね^^;」


剛「でも、何か知らんが強いんだよなあ…」


言いたい放題である(笑)


亮「こうなりゃらちがあかねえ、怪払刀!」


象亮は怪払刀を抜く。


ダダダダダダ!


亮「うぉりゃあああ!」


スカッ!


亮「なにっ!」


象飛蝗赤「バカめ!象蛾は飛べるんだよ!」


象蛾「もす!」


亮「厄介な野郎だな…日本語忘れたみたいだが」


象飛蝗「んなとこ突っ込んでどうする?」


亮「それもそうだな…よーし、バッタ、飛び方教えろ!」


象飛蝗「飛べねえよ!」


象蛾は空から象亮を狙う。


象蛾「もす!」


ボォォォ!


象飛蝗「あーっちっち!」


亮「あーっちー!燃えてるんだ~ろ~おか~♪」


ズコッ!


象飛蝗「なんだよその歌は!」


亮「ギョー(郷)でぇす!」


綾「似てないよーー;」


ガシッ


象蛾「もす!」


亮「なに!」


象亮は、象蛾に取り押さえられた。


象飛蝗赤「よーし、象蛾、抑えてろよ…撃ち抜いてやる!」


亮「てめえ…放せー!」


象飛蝗赤「行くぜ…3、2、1…」


淳「させるかよ!」


バーン!


象飛蝗赤の銃撃は空へ放たれた。


象飛蝗赤に身体を乗っ取られていた淳が、目覚めたのだ。




象飛蝗赤「き、貴様…いつの間に目覚めた!?」


淳「実はお前がアジトにたどり着いた時にはとっくに気がついてたんだよ…スパイすることかねて一週間お前に身を任せてたってわけさ、名付けてトロイの木馬返しってとこだ」


亮の影響か、淳もただでは転ばない男である^^;


象飛蝗赤「どおりで以前に比べて体が重いと思ったら…」


淳「おまけにお前が寝てる間にアジトの隅々までチェックさせてもらったぜ」


象飛蝗赤「…許さん!」


象飛蝗赤は、純に銃を向けた!


純「ひ!」


象飛蝗赤「自分の腕で妹を撃ち抜くのだ!」


淳「やめ…げ!手が言うこと聞かない!純!逃げろ!」


純「その声は兄貴!仮面ライダーといい…一体何がどうなってるの?」


淳「説明はあとだ!早」


バーン!


銃は純の真横をかすめた。


純「こ…腰が抜けた…」


綾「しっかり!」


綾と剛が駆け寄る。


象飛蝗赤「ちょうどいい、貴様らもあの世に行け!」


カチャ


剛「ま、まずい!」


綾「純ちゃん、あたしと剛君につかまって」


純「ダメ…足に力が入らない…」


象飛蝗赤「ふはははは、さらばだー!」


亮「ちょーっとまったー!」


ブォン


バババババン!


ドサッ!




綾「あ…れ?」


剛「無事…だな」


純「一体…何が」


三人の前には、ハチの巣になった象蛾がいた。


象飛蝗赤「な!?なぜだ!こいつはライダーを抑えてたはず…」


亮「おれがそんなチョウチョふぜいに何分も絞められてるわけねえだろ!」


そこには、投げ技のフィニッシュの構えをした象亮がいた。


亮「おめえは淳に気を取られておれの存在を忘れた、それが敗因だ!」


象飛蝗赤「く…くそ!こうなりゃ貴様だけでも…」


淳「させるか!」


バコッ!


淳は、全神経を右手に集中させ、象飛蝗赤の左頬を殴りつけた!


はたから見ると自分で自分を殴ってるようにしか見えないのはご愛敬。


象飛蝗赤「ぐはぁ!…おのれ…またしても…」


そのまま象飛蝗赤は倒れ、赤く光る。


赤い光は、象淳となった。


淳「…ふー…ようやく自由の身だな」


象淳は立ち上がると、安堵の表情を浮かべた。




亮たちは、事の顛末やらこれまでのことを純に説明する。


綾「…というわけなの」


純「…まだ信じられないところもあるけど、事情はだいたいわかったよ。それにしても兄貴…」


淳「なんだ?」


純「なんで今まで黙ってたの?」


淳「化け物になっちまっただなんて言えるわけねえだろ」


純「いっつもそうだよね兄貴…一人で何でも抱え込んで」


淳「…」


純「たとえ幽霊になろうと怪物になろうと兄貴は兄貴でしょ?それくらいはあたしでもわかるよ」


淳「純…」


純「それに、自分の兄貴が仮面ライダーだなんてちょっとした自慢になるしw」


淳「おいおい、それはここだけの秘密だぞ」


純「わかってるよ、あたしが軽口叩いたら綾ちゃんたちが今までやってきたことが無駄になっちゃうしね」


淳「ならいい」


剛「一時はどうなるかと思ったが…うまくまとまったな」


亮「いや、無理やりまとめたんだろ」


それを言うな!


綾「ともあれ、一件落着だね」


亮「だな、なーんか忘れてる気がするけど…」


そのとき、強風が吹いた。


綾「キャッ!」


亮「…忘れてなかったな、今日はフレッシュプリキュアのキャラ入りと^^」


綾「…み~た~な~!」


亮「おれじゃない、風のせいだ!…でもそろそろ年考えなよ」


綾「普段からデンオウベルト巻いてるりょーくんにだけは言われたくない!」


この痴話喧嘩の横で剛が例によって鼻出血でのびてることは言うまでもない^^;


淳「やれやれ、結局最後はいつもああなるのか」


純「綾ちゃんは彼氏じゃないなんて言ってたけど…ありゃ完全に恋人同士だね^^;あたしも彼氏欲しいなあ…」


淳「それ、双子の兄を真横にして言うことか?」


純「兄貴も彼女作ればいいじゃん、それこそあの亮ちゃんから綾ちゃん取っちゃう勢いで」


淳「それはないな、佐渡から綾ちゃん取ったら佐渡はおれを刺し殺すか自殺するかのどっちかだ^^;」


純「いまどきそんなやついないでしょーー;」


淳「佐渡はそういう奴だ、今後つるんでればわかるさ」


純「まあ…兄貴とつるんでる時点でただのイケメン君じゃないってことはわかるけどさ」


淳「どういうたとえだ!」


ともあれ、またもや亮の周辺はにぎやかになりそうである。




次回「野菜の皮剥くピーラーニア気をつけましょう、マジであれで指先切ったことあります」