象亮 第十九話「毛虫だ蛾、何か?」(前編)
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今日は六月一日、世間一般にはきょうから衣替えである。
亮「あの野暮の塊である学ランから開放されるだけずいぶんましだぜ^^;」
夏向けの亮のスタイルは開襟シャツにライトオンのルーキーズタイアップTシャツ。
もちろん、佐藤健モデルの薄い緑色である。
亮「さてと…そろそろ出ねえとやべえな」
亮はリョウホッパーのキーと鞄を取ると、大急ぎで表に出た。
すると、珍しく綾が先に待ち合わせ場所の象外神社の前にいた。
綾「おそよう、りょーくんw」
亮「あのさ…たまにおれより早く来たからってどや顔することはないんじゃないか?」
綾の顔はこれでもかってくらいのどや顔だった(笑)
亮「しかし改めて見ると…やはり夏服はいいなw」
亮はじろじろと綾を見る。
もともとミニスカへそ出しと露出度が高いが、夏服ということで生地が薄い、ということは…。
亮(綾ちゃん、持ち前のドジで川に落ちるかバケツの水かけられるかしねえかなあ…)
亮の期待は予想通りの方向に向かっていた。
綾「…まーたスケベなこと考えてるね^^;」
亮「それがないとおれじゃないだろ?」
綾「あたしだからいいけど、他の女の子にやったらドン引きされるよ、きっと」
亮「ぎゃふん」
実際、書いてる張本人も時々亮のスケベにはついていけなくなるときがある(笑)
第十九話「毛虫だ蛾、何か?」
いっぽう、こちらは淳の家。
淳「夏服はいいが…このネクタイは何とかなんねえのか?」
夏場のネクタイほど暑苦しいものはない。
淳「ったく…学校もクールビズにしろと言いたいところだ」
純「まったくだね^^」
上の階からこちらも夏服の純が現れた。
淳「お前もそう思う…か…」
淳は純の格好に絶句した。
形こそ違うが、綾を意識したかのようなミニスカへそ出しのセーラー服であった。
といっても、一騎当千の関羽のようにスカートを腰履きしてるだけだが。
淳「純…もしその格好で学校行ったら兄妹の縁切るぞーー;」
純「あ、やっぱダメ?」
淳「嫌に決まってんだろ、綾ちゃんじゃないんだからーー;」
そりゃあそうだろうな^^;
純「なんで綾ちゃんはよくてあたしはダメなのよ」
淳「真似だから、それにお前のは綾ちゃんと違ってなんかやらしくてやだ」
純「それ、綾ちゃんは色気ないってこと?それはそれで失礼だよーー;」
淳「あ…」
いっぽう、通学中の亮と綾。
綾「くしゅん!」
淳に噂をされて綾はくしゃみをしてしまった。
亮「おいおい、いくら薄着になったからっていきなり風邪ひくなよーー;」
季節の変わり目は風邪をひきやすい時期である。
綾「大丈夫だよ、こう見えて身体は頑丈だからね^^;」
亮「まあ、ただでさえ薄い生地の夏服をノーブラで着る度胸あんだからシンは頑丈か」
ボカッ!
亮「いてっ!」
綾「そこは突っ込まないでっていつもいってるでしょ!」
亮「いや、そんな毎日言ってないんですが…^^;」
綾「問答無用!」
ファッションにこだわりのある綾のことなのでおそらく意図的なものであろうが…
亮「よく知らん人にはただのだらしねえ女だよな…」
綾「何か言った!?」
亮「いえ…--;」
校則違反のメッシュ頭の亮に人の服装のことを言えた義理はなかった(笑)
昼休み。亮はいつものように売店へカツサンドを買いに行く。
しかし、いつになく混んでいる。
亮「どうなってんの?」
亮は同じく並んでいた戸次に聞いてみた。
戸次「売店の親父が今日のカツサンドは一個だけ特注だとかいって変な謎かけを出題してきてな、解けた奴じゃないと売らないつっててめちゃ混んでんだ」
亮「謎かけか…おーい親父!おれが一発でといてやるから売れ!」
亮はそう言ってめちゃくちゃ並んでる中をかき分けて前に行く。
売店の親父「これだけ担架切っておいて、わからんはなしだぞ」
亮「まかしんしゃーい!」
売店の親父「ではいくぞ、今日とかけてこの特注カツサンドと解く、その心は?」
生徒A「は?」
生徒B「何回聞いてもわからねえ…」
みなが相変わらず困惑する中、亮はどや顔を見せる。
亮「なんでえ、簡単じゃねえかよ」
売店の親父「よし、これに向かって言ってみろ」
親父はそう言うとメガホンを出し自分の耳に当てて亮に差し向ける。
亮「厳重だなあ…いくぞ、その心は…待った、洋井!」
スパコーン!
亮はいったん答えるのをやめると、盗み聞きしようとしていた洋井をどついた。
亮「みみっちいことすんな!」
洋井「だってわかんねんだもん、食えないにしても答えは気になるだろ」
亮「昼休み終わったら教えてやる、改めて…その心は」
再び亮はメガホンに向かって答えを述べる。
売店の親父「…正解だ!」
亮「やりぃw」
亮は意気揚々と特注カツサンドを確保。
亮「今日はあのとおりで複数買いできなかったから綾ちゃんの分までは確保できなかったから半分だな」
戸次「食い意地の張ったお前にしては珍しいな」
亮「綾ちゃんも食い意地はってるからな、コソーリ食べると後が怖いんだよ^^;」
戸次「なるほどな…」
洋井「なあ…そろそろ答え教えてくれよ」
亮「そうだな…まあ教室に行ってからな」
教室にたどり着くと、さっそく綾に半分振り分ける。
亮「今日のは特注だったから一個しか確保できなかったよ」
綾「特注?どこが?」
亮「よーく見ろ、いつもよりいいパン粉を使ってるんだ」
綾「だから?」
亮「実はこんなとんちを出されてた、今日とかけてこの特注カツサンドと解く、その心は?ってな」
洋井「答えか!?」
亮「おう、つまり…今日は衣替え、このカツサンドの衣はいつもよりいいパン粉、だから、衣がエエってことw」
戸次「く…くだらねえーー;」
洋井「わかったところでなんだこの脱力感…」
戸次と洋井が崩れてる横で、綾は美味そうにカツサンドをほうばっていた。
綾「いつもと変わんないねw」
ズコーッ!
亮「さっきの件はなんだったんだーー;」
戸次「売店の親父涙目(笑)」
売店が後片付けをしている中、コッペパンが一個不規則に転がっていく。
やがて、それは校庭でいきなり巨大化し、象外鬼の姿となった。
象毛虫(しょうきゃたぴら)「この学校に我らが仇敵・お綾の末裔とそれを助太刀する仮面ライダーとかいう輩がいると聞く…」
どうやら、本来の目的(綾の抹殺)を忘れていない(笑)象外鬼もいるようだ。
象毛虫「お綾の気は強力だからわかる…この建物に間違いなくいる!」
綾、今度こそ大ピンチか?
<後編へ続く >