象亮 第八話「ブンブンブブブン!蜂が飛ぶ!」(後編)
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ガラガラ
亮「相変わらず軽いよなあ…おぶってくの楽でいいわ」
綾「どうせちっちゃいからね;;」
亮「いやいや、全然でかいよ」
綾「胸だけはとか言うんでしょ^^;」
亮「ぎくーー;」
綾「胸の分背丈が欲しかったよ;;」
亮「じゃあおれから5センチくらいもってっていいよ」
綾「それができればね^^;」
亮と綾の身長差は、亮が190cm近い大男ということもあり実に30センチ以上ある。
亮「あーあ、マリオの毒キノコみてえのねえかな…」
ブォーン!ブォーン!
さっきの暴走族である。
亮「あいつら…しょうこりもなく」
綾「相手にしないほういいよ」
亮「だな、もう遅いし…」
亮は綾を送り届けると、さっさと部屋に戻り爆睡体制に入ろうとした。
象飛蝗(しょうほっぱー)「おい亮!寝るな!」
亮「あー?なんだよ…眠いのに」
象飛蝗「今の暴走族から象外鬼の匂いがしたんだよ!」
亮「なんだって!?」
亮はそれを聞くなり起き上がり、象亮に変身してリョウホッパーですっ飛んで行った。
綾も、リョウホッパーのバイク音を聞いて、吉兵衛に見つからないようこっそりと象亮を追った。
商店街では、あんま人いないにもかかわらず暴走族が暴れていた。
亮「うわ…ひでえありさまだなこりゃ」
象亮は挨拶代わりにと中に突撃。
亮「おいお前ら、近所迷惑なんだよ!暴れんなら人のいねえとこで暴れろや」
暴走族A「うるせえ!」
キーン!
亮「いってえ…」
象亮は鉄パイプで殴られ、頭を抱えた。
暴走族B「仮面ライダーはすっこんでろ!」
暴走族C「俺たちはだれも止められねえよ!」
暴走族D「わかったら去れや!」
亮「誰が去るか!おめーらのボス出せやコラ!」
蜂矢「ボスは俺様だ、仮面ライダー!」
亮「てめえか…」
象飛蝗「亮、あいつがおそらく象外鬼の本体だ、匂いが違う」
亮「そうかい…じゃ遠慮なく行く」
ゴーン!
亮「ってえな!」
暴走族A「蜂矢さんの手をわずらわすまでもねえ、俺たちが相手してやる!」
亮「お前らなんか相手になるかよ!狙いはそのボ」
ゴーン!
暴走族B「相手にならねえとはなんじゃい!」
象飛蝗「亮、こいつらはどうやらあのボスにハイにされてるようだぞ」
亮「わかってっけど…あと一発殴られたらブチ切れて暴れそ」
ゴーン!
暴走族C「ぶつぶつ独り言言ってんじゃねえよ!」
亮「…カッチーン…いい加減にしやがれ!」
象亮はリョウホッパーをロー発進させ、暴走族を一気に跳ね飛ばす。
一人をつかむと引きずりまわしにし、集団に投げつけさらに自ら体当たりをかます。
おまけに怪払刀を鞘に入ったまま振り回して暴れるなどいつもの冷静さがうそのようなブチ切れ戦法をとる。
象飛蝗「おい、亮!落ち着け!狙いはボスに絞」
亮「うるっせえんじゃクソバッタ!このザコが邪魔だから先にこいつら蹴散らしてからボス相手したほうがはええだろ!」
普段気性のおとなしい奴がキレると手がつけられなくなるというが…亮もその典型のようだ。
綾「はあ、はあ…あ、ライダーいた」
綾もようやく追いついたようだ。
綾「うわっ!」
ドシャ!
象亮にふっ飛ばされた暴走族のひとりが、綾の真ん前に落ちてきた。
綾「派手にやってんねえ…!」
蜂矢「おーっと、動くなよ」
綾「油断してた;;」
綾は蜂矢に取り押さえられた。
ひととおり蹴散らし終える頃には、亮も冷静になっていた。
亮「むかついたとはいえ少々やりすぎたかな…明日のスポーツ紙の一面トップは「仮面ライダー、暴走族を病院送り」になったりして」
象飛蝗「アホ、こんなんで瓦版(江戸時代の新聞にあたるもの)になんか乗るか」
蜂矢「ハーッハッハッハ、仮面ライダー、これを見ろ!」
そこには縄に縛られ後ろ手にされた綾がいた。
亮「綾ちゃん!」
綾「ライダー、助けてー!」
蜂矢「今からこのお綾の末裔の小娘に闘魂を注入し、そこに転がってるゾク共のように貴様に仕向ける」
蜂矢はそう言うと、象雀蜂(しょうわすぷ)に変身。
象飛蝗「やっぱりあいつが象外鬼だったか…」
亮「おい蜂野郎!闘魂注入だと!てめえ猪木でもねえくせに女の子の顔に張り手をかます気か!」
象雀蜂「俺様のはちょっと違う、そこで寝てる連中には全員仕込んであるが、この毒針をブスリと…」
綾「そんなの嫌ー!」
綾は注射が大嫌いであった(笑)
亮「そうはさせるかー!」
象亮は怪払刀を手に突撃!
象雀蜂「はじめから貴様を逆上させるのが狙いよー!」
象雀蜂は象亮の突っ込みに合わせて毒針を仕向ける!
象亮は間一髪でよけるが、よけた方向には象雀蜂の左アッパーが。
亮「どわー!」
ドグワシャ!
象亮は地面にたたきつけられる。
亮「くそ…」
象雀蜂「はっはっは…仮面ライダー、毒針を喰らえ!」
象雀蜂が毒針を振りかぶったその時!
キラーン!
象雀蜂「ぐわ!」
偶然蓋の開いていた綾の怪護鏡が反射し、象雀蜂に光が直撃!
亮「今だ!セイヤ!」
スパッ
象亮は毒針を斬りおとす。
象雀蜂「くっ、しまった!」
ここからは象亮のペース。
星を描くように象雀蜂を切りつけた。
亮「とどめといくぜ…ライダー…キーック!」
ガスッ!
象雀蜂は灰と消えた。
象雀蜂を封印してしばらくすると、暴走族たちが目覚めた。
暴走族A「…ん?なんだ?」
暴走族B「俺らはなんでこんなところに…」
ファンファンファン
暴走族C「おい、パトカーだぞ!」
暴走族D「やべえ!逃げろ!」
暴走族はいちもくさんに商店街から逃げた。
綾「ライダー、いいの?とっ捕まえなくて」
亮「ほっとけ。どうせ長続きしそうにない連中ばかりだ」
象亮たちも、商店街から去った。
ちなみに翌朝のスポーツ新聞の朝刊に亮の希望した記事はもちろん載らなかった(笑)
亮「残念!」
象飛蝗「本気で載ると思ってたのかよーー;」
次回、「蛇の道はコブラ 」