くらのかみ/小野 不由美 | mokkoの現実逃避ブログ

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ページ数:326P
発売日:2003年07月

 

「四人ゲーム」。まっくらな部屋の四隅に四人の人間が立ち、
肩を順番に叩きながら部屋をぐるぐる回るゲームだ。
とうぜん四人では成立しないはずのゲームを始めたところ、
忽然と五人目が出現した! 
でもみんな最初からいたとしか思えない顔ぶればかり。

 

行者に祟られ座敷童子に守られているという古い豪壮な屋敷に、
後継者選びのため親族一同が呼び集められたのだが、
後継ぎの資格をもつ者の食事にのみ毒が入れられる事件や、
さまざまな怪異が続出。
謎を解くべく急遽、少年探偵団が結成された。
もちろんメンバーの中には座敷童子も紛れこんでいるのだが……。
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これで手持ちの小野主上作品は最後になってしまった。
が気になっていた本作をやっと読めました。
ビバ単行本消化月間о(ж>▽<)y ☆

 

本作はミステリーランドの1作。
「かつて子どもだったあなたと少年少女のための」物語。
小野主上らしく、ホラー系の作りになっていますが
怖くはないです。

 

夏休み。
後継者選びの為に田舎の古くて豪壮な屋敷に集められた親族一同。
話し合いに子供は邪魔なので他の部屋に集められる。
そこで親族の一人の大学生に教えられた「四人ゲーム」
部屋の四隅に4人が散らばり、ひとりずつ壁伝いに移動する。

mokkoは即、四隅の魔 死相学探偵2を連想しました。

知る人ぞ知る怪談なのですが、子供たちは、検証のために
真っ暗になる四角い部屋として蔵座敷に向かった。
普通はゲームにならないはずなのだが、成立してしまった。
すぐに気づいてパニックになるものの、増えた一人が
誰なのかわからない。
大人も気付いていない。これは妖の力ですねぇ~

 

そして事件が起きた。
夕食に毒ゼリが混入されていた。
毒ゼリは近くにある行者沼の周りにしか生えていない。
そして行者沼周辺は、沼と地面の境が曖昧で危険な為
近づいてはいけないと言われていた。
更に行者沼には、祟りがあると伝えられていて・・・

 

キタ──ヽ('∀')ノ──!!行者の祟り・・・
これまた似たような話が色々あって

mokkoはゴーストハント6 海からくるものを連想しました。

これは夷様の話だったけど、元ネタは異人殺しとか
色々あるらしいけど、さすがに子供向けの作品に
難しい蘊蓄は不向きだよね・・・(^◇^;)

 

そして夜には読経の声と共に人魂らしきものが・・・
人魂は行者沼に入って見えなくなった。
毒ゼリ事件に続いての怪奇現象に
遺産相続絡みの事件なのでは?と思った子供たちは
とりあえず一人増えた状態で探偵団を結成。
親たちを守るために密かに監視を続けることに。
しかし怪異は続き、悪意のある罠までが・・・

 

本家には子供が育たないのは行者の祟りか?
一人増えた子供「くらのかみ」は座敷童なのか?
怪異は祟りか?それとも人の手によるものか?

 

 

いやぁ~楽しかったぁ~
子供向けに工夫された感じは所々にみられるものの
完全に子供向けではないので安心して読めますよ。
更にホラー系の仕上がりだけど、怖くはないです。
どちらかというと懐かしいって感じです。
夏休み。田舎にある無駄に広い本家。集まる親戚と子供達。
いつもと違う景色と空気。いつもと違う夜。
そこに怪談まがいの話が加わると盛り上がりますねぇ~

 

そして、子供から見た大人の評価には
思ってた思ってたと何度頷いたことかぁ~(^◇^;)
こういうのを全てひっくるめて面白かったです。
結末も、納得する形になっていて後味もよいです。
さすが主上です。
ケース?カバー?付の本は久しぶりでした。
のぞき穴みたいな作りもいい感じです(p^_^q)


小野主上の他の作品を期待して読んじゃダメですよぉ~
かなりライトな仕上がりになってますからね。