ゴーストハント 6/小野不由美 | mokkoの現実逃避ブログ

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ゴーストハント6 海からくるもの (幽ブックス)/小野不由美
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日本海を一望する能登半島で料亭を営む吉見家。
この家は代替わりのたびに、必ず多くの死人を出すという。
依頼者・吉見彰文の祖父が亡くなったとき、
幼い姪・葉月の背中に不吉な戒名が浮かび上がった。
一族にかけられた呪いの正体を探る中、
ナルが何者かに憑依されてしまう。
リーダー不在のSPRに最大の危機が迫る!
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(旧題『悪霊と呼ばないで』コミックタイトル「呪いの家」)
今回もコミックでおさらいしてから読みました。
その雰囲気のまま1ページ目を読み出してドキッとしました。
やってくれるな小野主上!すぐにわかったとはいえ
あの一瞬の緊張感は大好きだо(ж>▽<)y ☆

旧作を読んでいないので、コミックしか情報源がないんだけど
やはりどこが追加されてるのかが楽しみって事もある。
今回の依頼は、前作の依頼者である大橋さんの紹介だったらしい。
そのツテを使えるくらいの家だってことなんだなぁ~

目的不明の旅行から帰って来たナルは、
いつものごとく超不機嫌。そこへ運悪く依頼者登場。
20歳くらいの男の人と、幼稚園くらいの女の子。
子供がいるのに叩き返そうとするナルの態度には
いつもヒヤヒヤさせられるのだが、女の子の背中に
浮かび上がった悪意のある戒名を見て愕然とする。
偶然とはいえ、ぼーさんと綾子がいてくれてよかった。

早速、ぼーさんと綾子も一緒に能登半島で料亭を営む
吉見家に向かったのだが、そこでは代替わりのたびに、
必ず多くの死人を出すという。
今回も祖父が亡くなった途端に、予兆のように姪の葉月の首と背中に
妙なアザが浮かび上がり、家族の者たちは怯えていた。

しかし細かい事を聞こうにも口が重い上に覚えていないと言う。
前回、前々回と二度にわたって言い伝え通りに死者が連続した。
身内の人間が続けざまに死んでいるのに覚えていないはずはない。
呪いや祟りというわりには霊を見たり怪現象に遭遇した人もいない。

祖母は「この家は呪われている」というが
ぼーさんや綾子の経験上、当事者の思い込みがほとんどで
それ以外は昔話の中でしかお目にかかったことがないらしい。
しかしこの家の場合は別だ。
代替わりの時に14人が死んで、そのうち7人が同じ日に死んでいる。
しかも死者は身内だけに限らず、お客や霊能者も犠牲になっている。
これはどう考えても異常だ。

もしも呪いやら祟りなら、必ずその原因があるはずだ。
それなのに原因を探るにしても手がかりが少なすぎる。
そうこうしているうちに、家族の一人が憑依され、突然暴れだした。
何とか取り押さえ除霊をしている最中に、憑いていたものがナルに憑依した。
通常はナルのように我の強いタイプは憑依され難いらしいが
一旦、憑依されると、引き剥がすのが容易ではないらしい。

リンさん曰く、意識があると危険なので金縛り状態にして
憑依したモノをナルに閉じ込めたまま眠られせておくしかないらしい。
リンさんの式を全て使って守らせる事にしたので、
リンさんはナルのそばを離れられない。
更にナルの頭脳が使えないのは調査にはかなりの痛手である。

翌日、ナルが呼んでいたジョンと真砂子が到着したものの
真砂子には霊の存在は感じるものの、よくわからないらしい。
わかるだけの情報を若旦那に提供してもらっても埒があかない。
そこでぼーさんが安原君を無理矢理呼び出した。
江戸時代の頃まで遡って調べる必要が出てきたからだ。
あぁ~安原君!あの手際の良さは惚れ惚れするってば!

安原君が持ち帰った大量の資料から、昔の伝説やら
民話やらが出てきて、残ったメンバーで分析を始めたと思ったら
家族の一人が手首を切り、子供たちまで憑依されてしまった。

代替わりの時に多くの死人が出るのは何故?
一家を全滅させずに自然終息するのは何故?
呪いの原因とは何?


今回は見どころ(読みどころ?)満載!
前回の浦戸編とは違う怖さがある。
一人で暗闇を歩くような場面はないから、夜に読んでも平気。
なんせ薀蓄がた~っくさんあるから、ほとんどがメンバー全員で
頭をつき合わせて会話してシーンなので怖くない。
夜の描写はクライマックスの時だけ?

ロケーションは最高で、断崖絶壁の崖の淵に乗り出すように
大きな店を構え、さらに母屋と茶室と広い庭まであって、
眼下には崖に囲まれた入り江と、その向こうに広がる海。

何が怖いって、この一族の考え方よぉ~
それぞれに兄弟が多い。
現在の家族だって、お祖母さんと娘、息子達に、その嫁や婿に
子供達だから17人?が一緒に住んでいる。
その理由が、たくさん死ぬのなら、たくさん人間がいないと
家が絶えてしまうから・・・
漠然とそういうのを受け入れてるってのが怖い(゚O゚;

今回は家族の人数が多い上に、先祖代々を遡っていくから
頭が混乱します。あぁ~家系図が見たい!
そして薀蓄の量も半端じゃない。

呪われた家系というものの説明をケネディ家を用いて説明している。
どうやらケネディ家の場合は、呪いというよりは悲劇と言うらしい。
ここまでなら、なるほど面白いと思っていたのだが
立山曼荼羅、屋敷先祖、庚申信仰、異人殺し等々・・・
折口 信夫の説まで引用して、まぁ~出るわ出るわ!
日本の呪われた家の代表格は●●だとか・・・
本当に勉強になります。

話が一気に進むのは本当に最後になってから。
鎌鼬(かまいたち)やら土左衛門のデモ隊まで出てきて
ぼーさんもジョンも吹っ飛ばされたり流血したりでボロボロ。
そして今回、ようやく活躍するのが綾子。
しかし、薀蓄が多すぎて、綾子が活躍する場面が
サラーっと流されてたり・・・
どちらかというと、ぼーさんの方が目立ってたかなぁ~(^◇^;)
綾子が不憫だぁ~(/□≦、)

しかし、綾子が祓って終わったと思ったら、あっさりと
「まだよ!」と言われてしまう。
霊なら祓えるけど、ここには霊じゃないものがいる。
たぶん、それが大本だね・・・と・・・
化け物よりもたちが悪いモノって・・・

ぶち切れたナルにぶち切れる麻衣(^◇^;)
もちろん最後はナルが始末をつけてくれるけど
男性陣は、リンさんを除いて病院送りになっちゃうし
安原君だって肋骨折ってたし、ナルは死にかけるし・・・(/□≦、)

リンさんの式の1つが、ちょっとだけ姿を見せるんだけど
それがまるで十二国記の泰麒のあのシーンを連想させるのよ。
( ̄O ̄;アッ!同じ著者だった(○ ̄m ̄)
そんな恐ろしい式すらも1つとはいえ、飛ばされてしまうくらい
今回の敵は恐ろしい。

今回のタイトルは、ようするにアレのことなのよね・・・
誰もが知っている●●様ですよ。
由来や信仰はわかったんだけど、ちょっと見る目が変わるわ。
っていうか、うちでは真逆の事を教わってたんだよね
それを考えると、この作品のタイトルがより恐ろしく感じます。

そして麻衣と真砂子の最後の会話がなんとも切なかったり・・・
「好きになるのは馬鹿みたいな気がしますのに
嫌いになるのはもったいない気がしてしまうところが嫌ですのっ」
あぁ~・・・
特に麻衣に関しては、結末を知ってるからこそ切なさ倍増!
本当に他のメンバーの男たちがいい奴だから、そっちを
好きになっていたら、どんだけ気持ちが楽か・・・(^◇^;)

次はいよいよ最終巻になります。
どうやら全プレの内容を考えるに、その後に出た
「悪夢の棲む家」はリライトしてくれないらしい・・・
揃えたかったなぁ~(-。-;)


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