
浩志は、父親の再婚をきっかけに家を出た。
壁に囲まれた路地を入り「緑の扉」を開いた浩志を迎えたのは、
高校生の一人暮らしには十分な広さの部屋と、不可解な出来事。
無言電話、奇妙な落書き、謎の手紙、etc・・・
そして「出て行ったほうがいいよ」と呟く
和泉少年の言葉が意味するものは・・・
嫌がらせ?それとも、死への誘い!?―怖い―。
しかし浩志の家は、もはやここしかない!
息をもつかせぬ本格ホラー。
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2004/06/28読了分
パンプキン文庫から出ていた『グリーンホームの亡霊たち』を
加筆・修正したものです。
カバーイラストに騙されますね(^◇^;)
ちょっと怖いです。
でも、ただ怖がらせるだけのホラーと違って
ジワジワと這い上がってくるような怖さと
主人公たちの心理描写が見事です。
高校生の浩志が一人暮らしをする為に引っ越した先は
きれいな割りに、妙に暗くて陰鬱な雰囲気が漂っていた。
引っ越して間もなく始まった嫌がらせ。
郵便ポストに人形の首が入っていたり、届いた封書が
開封されていたり、悪意に満ちたイタズラが続く。
隣人や管理人はクセのありそうな人間ばかりだし
オドオドしている和泉聡は「出て行ったほうがいい」と言う
始めのうちは強気でいた浩志だったが、クラスメートから
「あのアパートは出る」と教えられ、更に噂話を聞くにつれ
これは幽霊の仕業ではないかと思い始める。
怪奇現象の正体と原因が知りたくて
先へ先へとページをめくってしまいます。
怖いだけでなく、とっても切ない物語に仕上がってます。
そして読後感は爽やかです。