たまさか人形堂物語/津原泰水 | mokkoの現実逃避ブログ

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たまさか人形堂物語 (文春文庫)/津原 泰水
¥576 Amazon.co.jp
発行年月:2011年08月
サ イ ズ:227P 16cm

祖母の形見の零細人形店を継ぐことになった澪は、
押しかけ従業員で人形マニアの冨永くんと、
謎の職人、師村さんに助けられ、なんとかお店を
切り盛りしている。
「諦めてしまっている人形も修理します」という広告をみて、
今日も傷ついた人形を抱えたお客さんがやってくる。
人形と大事な思い出を修理すべく澪たち3人の活躍が始まる。
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蘆屋家の崩壊を読んで以来になります。
いわゆる幽明志怪シリーズの続きが読めなくて
2作目が本作になってしまいました。
だって・・・人形だし・・・

「ひとがた」でしょ・・・
いや普通に人形だけど、そもそもがそうでしょ・・・
もうそれだけで妖しいのですよ。
で、高級なドールを欲しいと思ったこともあったけど
絶対に嵌ると思った。いや・・・溺れると思った。
一時期はドールを買って、洋服は自分で作ってやるとまで
思ったりもしたんだけど、そう考えた時点でヤバイでしょ。
だから人形に関しては、妄想で楽しむことにした。

で、そういう妖しさを求めて読んだら全然違った(^◇^;)
でも、これは好き♪
人形店を継ぐことになったとはいえ、澪はド素人。
そこに人形マニアの冨永君がやってきて、更には
謎の職人の師村さんも参加して、人形の修復業として
なんとか店を続けることができた。

人形の薀蓄もさることながら、そこに込められた思いを
敏感に感じ取りながら修復を試みる。
まさにプロの仕事。
精巧に作られた持ち主ソックリな人形。
しかし、その顔は壊れたというよりも毀されていた。
その修復の方法とは?
何度修復しても、腕や足を引きちぎられてしまう縫いぐるみ。
その修復方法とは?
なるほど・・・さすがは「ひとがた」
その思いを汲んでこその修復。

師村さんの人形に対する知識や技量は半端ない。
さぞや有名な人かとネット検索をかけても名前すらヒットしない。
彼の正体とは?

連作短編となっているのですが、話の中では死人まで出てしまい
澪が店を閉めると言い出したりで、いきなりですかぁ~!と
驚いてみたり。
ちょっとそこんところは強引だったような気もするけど
ウダウダ考えてしまうところはわかる気もする。

色んな人形が登場するんだけど、ラブ・ドールなんかも出てくる。
いわゆる○ッチワイフですね。
その名前の由来なんかも始めて知りましたよぉ~
で、その製作者である束前(つかまえ)さん。
優秀な職人なんだけど、口が悪い。
でも、この人なんかいいんだよなぁ~

こういうオルゴール修復師とか、絵画修復師とかね
修復師の話って結構好きかも(o^o^o)

薀蓄付でワクワクするじゃないですかぁ~ヾ( 〃∇〃)ツ ウキャッ
何故か師村さんの容姿は、mokkoの脳内では
薬屋の座木だったんだけど(^◇^;)
いやぁ~楽しませていただきました。
あとがきを読むに、続編を出すらしい。

っていうか、出てた。
文庫落ちを楽しみに待ちますо(ж>▽<)y ☆

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