深淵のガランス (文春文庫)/北森 鴻
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銀座の花師・佐月恭壱のもう一つの顔は絵画修復師。
大正末期に活躍した画家の孫娘から、いわくつきの
傑作の修復を依頼された佐月は、描かれたパリの街並みの
下に別の絵が隠れていることに気づく…
表題作ほか、欧州帰りの若き佐月を描いた文庫書下ろし
「凍月」等全三篇。
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天使の恵さん
のところで気になっていた1冊。
佐月恭壱シリーズ第一弾。
キター!!キタキタキタ~!
久しぶりの(*´◇`*)萌え~
わかってると思うけど無駄に長いです。
しょっぱなから村山槐多の詩
陶子さんが陥れられた村山槐多ですよぉ~
掴みはOKと思ったら・・・
濃紺の作務衣に白足袋、雪駄履き。
鶴を思わせる痩身。木桶を片手に滑るように歩いている。
腰の近くまで伸びた総髪がすっとゆらめいた。
(本文より引用)
花師・佐月恭壱(さつききょういち)の描写
これでスイッチ入ったぁ~ヽ(|||≧▽≦|||)/ キャー
建築探偵・桜井京介もいいけど
佐月恭壱もステキぃ~v(〃>∇<〃)v
京介に恭壱(〃▽〃)ポッ♪名前の響きがいいわぁ~
あら・・・どちらもイニシャルK・S なんたる偶然
いかん・・・暴走してしまった( ̄‥ ̄;) マ、マズイ・・
佐月恭壱には花師のほかにもう1つの顔がある。
天才的な技を持つ絵画修復師の顔である。
東銀座に事務所をかまえ、二足の草鞋を履く彼は
「確かな筋」から受けた仕事でありながら
何故かトラブルに巻き込まれる。
旗師・冬狐堂の骨董の世界も凄く好きなんだけど
絵画修復師の世界もなんて恐ろしくも美しいのでしょう
オリジナル(原作者)と同様の心を持ち、それ以上の腕がなければ
成し得ない修復の技。
ミクロとマクロの作業を同時進行させる精神力。
一歩間違えれば贋作者に転落する危険を伴う仕事。
美を巡る世界に巣食う魑魅魍魎達はどこにでも顔を出す。
「修復師とは失われた時間を取り戻す役目を担っています。
新たな時間を作り出してはいけない」
それは贋作者の所業なのだから・・・(本文より引用)
スポーツでいうところのイメージトレーニングのような感じで
作業工程をイメージし、緻密で無駄のない工程を組み立て、
修復の作業に入った時は読み手も緊張する。
恭壱と一体化しているように息を殺して活字を追う。
恭壱の発する熱まで感じてしまうほどだ。
恭壱が壁画と対峙した時の燃え滾る熱情
作品の持ち主?が嫉妬を覚えるくらいに
作品から発せられる作者の魂を感じ声を聞き同化する。
しかし、時に恭壱は凄いセリフを吐いてくれる。
ロマンスなどと言う言葉は、人間の貧しい感性が生み出した
幻想に過ぎない。
至高の美意識によって完成された数々の名画たちを目の前に置き
自らも同じ境地にまで高める事を常とするものにとって
ロマンスなどショーケースの中の食品サンプルほどの価値もない。
(本文より引用)
ま・・・貧しい感性・・・il||li _| ̄|○ il||li
いや!こんなことでは凹まない。
ある意味、mokkoの妄想は美だ!
薄っぺらい紙に印字された活字から佐月恭壱を妄想する能力
揺れる長い髪の一本一本から、細い指先、筋肉をほぐしながら
血が通って薄っすらと赤くなる肌質まで妄想できるぞ!
これぞ究極の妄想!どうだ!<( ̄^ ̄)>
恭壱と一緒にいる善ジイもすごくいい!
恭壱の修復作業に必要な道具&材料を絶対に集めて来る。
この人の情報網も侮れない。
元は恭壱のオヤジさんに付いていたらしいのだが
時に仕事のよき協力者として、時に佐月の人生を
庇護するものとして機能する存在。
あの、洒落にならない悪戯は最高だったわぁ~
しかし・・・コレを読みながら思ったのだけど
絵画展に行って作品を鑑賞することがmokkoにもある。
でも、それって本物?
展示される絵画は大丈夫なのか・・・
個人が所有している絵画が問題なのか・・・
まさか絵画をあんなことや、そんなことをしてまで
ある意味真作というものがあるなんて想像もしなかったわぁ~
そして、何気に思うのだけど、どのジャンルにおいても
専門的な技術と頭脳を持つ美しいキャラを作り上げた著者は、
そのキャラをどうしても傷付けたくなるのか?
旗師の陶子も、那智先生も、そして恭壱も
必ず危険な目に遭い、流血して病院送りになっている。
著者は違うけれど建築探偵・桜井京介も同様。
その描写を見るたびに、元々無い胸を潰されるような感覚に陥る。
この著者達はドSですか?
で、恵さんのレビューで気になっていたんだけど
恭壱が唯一仕事を受ける「確かな筋」の「女狐女史」
これは旗師シリーズを牽引する女性とのこと・・・
はて、そんな女史が登場してたっけ?と考えたが
登場人物の中に覚えがない。女だからか?
ただ・・・
封印されるべき記憶は同時に記録されるべき記憶でもある、
「ちょっとしたことで知り合いになった、民俗学者の言葉よ」
というセリフで、この女狐女史は那智先生とも
知り合いなのねぇ~って思っていたの。
今気付いた。(||||▽ ̄)
そ・・・そんなぁ~
そういうことだったのぉ~(━┳━ _ ━┳━)
女狐女史が恭壱の後ろから耳元で囁く
恭壱は首を90度ねじって・・・
(/□≦、) ハートブレイクな気分
もうダメ・・・感想書けない。゚(゚´Д`゚)゚。うぇぇん
通常、mokkoの感想って、もの凄く長いの。
特に超お気に入りの作品は・・・
不必要な妄想が暴走してるからさぁ~
だから、最後の仕上げで削る作業をするんだけどね
今回はダメ・・・暴走しっぱなしで放棄だわ・・・
久しぶりの萌えだったからね、感情移入バリバリだったの。
だから、ちゃんとしたレビューは恵さん
のところで読んでください。
続きは読むわ。
第二弾「虚栄の肖像」の文庫が9/3に発売予定。
佐月恭壱シリーズはこれが最後になるのね・・・
愛すべきキャラ達に会えなくなることが
こんなに悲しいなんて・・・(p_q*)