陰陽ノ京〈巻の2〉/渡瀬 草一郎 | mokkoの現実逃避ブログ

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陰陽ノ京〈巻の2〉 (電撃文庫)/渡瀬 草一郎
¥536 Amazon.co.jp
発行年月:2002年02月
サ イ ズ:263P 15cm

人の命は、二つの要素―“魂”と、“魄”から成り立つ。
そして人が死んだ時、魂魄は“魂”と“魄”に分離し、“魂”は天へ、
“魄”は地へ還る、と言う。
今、一人の悪名高い貴族が倒れた。
知らせを聞いて駆けつけた安倍晴明の息子―吉平は、その貴族の魂魄のうち
“魄”が失われていることに気づく。
いったい何がその貴族の身に生じたのか?
“魄”の筋を手繰っていくうちに現れたのは父である晴明と
そして陰陽寮にまつわる十一年前の因縁だった…。
第七回電撃ゲーム小説大賞金賞受賞シリーズの第2作
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シリーズ第2弾。
これもmirokuさんに頂いた本です。
1巻読んで面白かったので、続けて読むしかないでしょ~♪

人の命は魂(こん)と魄(はく)の二つの要素から成り立つ。
魂は純粋な活力、魄は意思や思考を司るという人もいるらしい。
例えるなら右脳と左脳のようなもので別々に成り立つものではない。

悪名高い貴族が倒れ、屋敷を訪れた吉平(晴明の息子)は
昏睡している貴族から魄が抜けている事に気付く。
晴明の才を継いで魄が見える吉平は晴明が到着する前に
魄の筋を追って貴年と共に屋敷を出るのだが、
行き着いた先にいたのは、墨染めの衣を着た青年だった。

男は陰陽寮にとっても晴明にとっても因縁ある相手。
貴族を殺したい男と、救うに値しない貴族と思いながらも
師である忠憲の民のためにもなる政治を実現するという夢の為に
貴族を救わねばならない晴明。
吉平の魄まで人質?魄質?に取られた晴明は・・・
そして、優し過ぎるという陰陽師にとって致命的な欠陥のある
保胤(やすたね)はどう動く?


魂(こん)と魄(はく)・・・
別のシリーズの魂追いを思い出しますねぇ
一種の幽体離脱みたいなものか?
まぁ~ざっくりとそんな認識でいいと思う(^◇^;)
命の危険についての説明が似てたから。
おっと脱線した。

陰陽師と言えば安倍晴明。
しかし本シリーズの主役は保胤である。
本作の晴明は壮年期に入っていて、太った狸という描写
イヤo((>ω<o))((o>ω<))oイヤ
でもまぁ~脇の扱いって、そんなものよね(-。-;)
でもでも、今回は主役の保胤の出番は少ない。
少ないながらも美味しいところはシッカリ持って行く。
晴明と因縁があるってことで、晴明の出番の方が多いけど
いかんせん体調不良だったりする。

忠憲の夢の為、晴明は男を始末するしかないと思っている。
そこに保胤が出てくるとなると、なんとなく想像はつく。
しかし、その持って行きかたがうまい。
わかってはいるのに読まされるのですよ。

これは他の登場人物たちの魅力も多く影響している。
陰陽寮が一目置いている伯家。伯家を代々守っている佐伯家。
跡目争いなどの大人の事情で女でも男の名を持ち、男として
育てられたりする。
伯家の姫様の時継と、佐伯家の貴年は前作から登場していて
これが保胤や吉平と微妙でも良い関係にある。
そういうのや、晴明と男の因縁話なんかも盛り込んで
更には晴明の宿敵であるはずの蘆屋道満が、何故かいい人で
さりげなく関わってたりして大いに盛り上がっていくのですよ。

今回は怒りが前面に押し出されている風に感じました。
内容的にも感情移入しやすい設定になってるし・・・
民の貴族への怒り。それを知った男の貴族に対する怒り。
そんな貴族を救おうとする陰陽寮に対する怒り。
人質というか魄質を取るという汚いやり方に対する怒り。
力がなくて何もできない自分への怒り。
そして優し過ぎる保胤。
うまいなぁ~

結末の想像がつくのに面白い。
獏さんの陰陽師のサイドストーリー的存在と言ってもいい。
完全に嵌りました。
続きを読みたいけど、まだ未購入。(||||▽ ̄)
本の購入にはスケジュールがあるからさぁ~
テーマ読みの本を購入する時に一緒に買う予定です。
あぁ~早く続きが読みたい!!