
発行年月:2009年12月
サ イ ズ:252P 15cm
県境を守る妖鬼の皐月は、森に漂う“生き物の魂魄”を
捕らえることを生業とする“魂追い”の少年・縁と出会う。
あるとき、魂魄が漂う“道”に入り込んでしまったことをきっかけに、
皐月と相棒の馬・布団の体に変調が!?
皐月は縁とともに、変異を食い止める力があるという
妖虫・火喰い虫が棲む“火の山”をめざし旅立つことになるが…
行く先々で待ち受ける怪異と事件、2人の旅路の行く末は―!?
不思議な魅力の妖怪小説、再び。
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シリーズ第二弾です。
続きを読むぞと思ってから3年経ってしまいました(^◇^;)
県境を守る妖鬼なのに見た目は少女そのものの皐月。
人よりは力持ちだけど、能力となるとかなり疑わしい
古くからの知識は豊富だが、やってることが危なっかしい。
というかチャレンジャーとも言える。
そのチャレンジャーっぷりも、オバカレベルだったりする。
質素な生活と県境の守り役をこなす地味な毎日を過ごしていたら
“魂追い”の少年・縁(えにし)と出くわした。
祖父と魂追いをしながら旅を続けていた半人前の縁は
皐月から何か術を教えてもらおうと数日一緒に過ごすことになる。
縁の目から見ても、皐月はかなり頼りない存在に思えた。
それでも楽しい時間を過ごしたのだが、やがて旅立つことに。
ところが祖父と旅立ったはずの縁がふらりと戻ってきた。
皐月が目を放した隙に、縁は魂魄が漂う“道”に入ってしまった。
そこは命を落としたものがあの世へ向かう道。
妖や、ましてや生きた人間がたやすく入れる場所ではない。
皐月は馬の布団と共に、なんとか縁を連れ戻したのだが
“道”に入ったせいで皐月と布団の体に異変が起こる。
猫先生のアドバイスで変異を食い止める力があるという
火喰い虫が棲む“火の山”に縁と共に旅立つのだが・・・
前作では、県境守として暮らす皐月の生活や人間に頼まれた
厄介ごとや、妖たちの思い出話やなどがメインだったのだが、
今回はそこに縁が加わります。
頼りない二人の旅が順調なはずもなく、妖や人間の
厄介ごとを背負い込んで、事件に遭遇して
物の価値を知らないから、あっさり騙されるし・・・
もう本当にオバカなんだからぁ~と思いつつ苦笑いするしかない。
なんというか、ユルイのですよ。皐月が・・・(^◇^;)
子供のわりにシッカリしてると思っていた縁も
知らない間にとんでもないお荷物を背負ってたりするし・・・
ようやく辿りついた火の山でも、タダでは終わらない。
悲しい結末を予感させる流れになってくるもんだから
完全に保護者気分で読みましたよ。
あぁ~もう二人とも優しすぎるのよぉ~(ノ◇≦。)
縁が皐月に内緒でした約束。
これが続編でハッキリするんだなって思うと
続きを読むのが怖い気もする。
やはり一度でも誰かと共に暮らしてしまうと
また一人に戻るのって、嫌なんだろうなぁ~とか思いながら
それでもオバカで緩くて一生懸命で優しい皐月鬼と
縁が好きだなぁ~(*´◇`*)
そういえば、前編にあたる生き屏風
この屏風が突然話し始めたって理由が本作でわかる
そういう繋がりも楽しいですね
ただ・・・1つだけ・・・
皐月の素朴な料理も時に魅力的なのだが
川で蟹を捕まえるまではいいとして
それを料理したって書けばいいものを
わざわざ“半殺しにして”と解説してるあたり
皐月らしいというか・・・(^◇^;)
さて、続きを読みましょう
っていうか、もう読み終わります(^◇^;)
生き屏風 (角川ホラー文庫)/田辺 青蛙
