
発行年月:2001年11月
サ イ ズ:365P 18cm
全長4000メートル、世界最大級の海峡大橋を支える
巨大なコンクリート塊“アンカレイジ”。
その内部の《バルブ》と呼ばれる空間に、科学者、医者など
6名が集まった。
通信システムが破壊され「完全密室」と化した
《バルブ》内で起こる連続殺人!
最後に残ったのは、盲目の天才科学者と彼のアシスタントだった。
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テーマ読み第8弾は『2』です。
盲目の天才科学者・勅使河原潤と有能なアシスタントの森島有佳が
かねてより秘密裏に計画されていた《バルブ》の中で
科学者や技術者、医者など6人と一緒に生活を送ることになった。
いわゆるシェルターとしての機能を確認する為に
実験的に生活しながらデータを取るというものだったのだが
ハイテク機器という密室となったら、事故を連想するよね
事故というより事件が起こるんだけど、そこに連続殺人が加わる。
まぁ~それだけでも十分に刺激的なんだろうけど
この勅使河原潤と森島有佳が実は偽者。
とは言っても、本物に頼まれて本物のフリをしているわけで
偽勅使河原潤は盲目ではない。
更に、二人の偽者は、お互いが偽者だということを知らない。
話はこの二人の目線で交互に語られる事になるのだが
この二人の心理状況が実に面白い。
そしてタイトル通り二人を除いた4人が殺される。
4人とも同じ凶器で殺され、更に材質の違う2つの玉を
握らされて死んでいた。
二人だけが残るとなると、どちらかが犯人ってことになるんだけど
読者目線では、どうやらどちらも犯人ではない。
では誰が?ってことにんるわけで、でもそれは
読んでる途中で既に気付いてしまうんだけど
ではどうやって?ってことになる。
トリックがわからない。
わからないうちに何やら急展開があって
(゜O゜)\(--; ォィォィ どうなっちゃうんだよぉ~と
心配していたら、驚愕の真実がぁ~!!(゚〇゚ ;)
そういうことだったのかぁ~って思いますってば!
まったく天才の考える事って、とんでもないわぁ~って
いい感じにやられちゃったんだけどね・・・
そこまでは本当に面白くてドキドキものだったんだけど
何故に最後がアレ?
どうしてそっちに持っていく?
今までの興奮をどうしてくれる?
最後をそっちに持っていったせいで、何か繋がらなくなった感じで
トリックすら無理があるんじゃないかと思ってしまった。
そうなると、色々と目に余るものが出てくる
被害者が握らされていた二つの玉
クリスティの「そして誰も・・・」をもじって
何かの歌を使いたかったのか?
それにしては、ちょっと無理っぽくないですか?
そして4人を殺した動機だってさぁ~
そりゃないよぉ~ってな感じだしさぁ~
盛り上がった興奮を置き去りにされた感じです。
これ9割がた面白かったから、評価に困るわぁ~(^◇^;)
テーマ読みまとめ

素材屋さんは→ Silverry moon