レインツリーの国/有川浩 | mokkoの現実逃避ブログ

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レインツリーの国 (新潮文庫)/有川 浩
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きっかけは「忘れられない本」そこから始まったメールの交換。
あなたを想う。心が揺れる。
でも、会うことはできません。ごめんなさい。
かたくなに会うのを拒む彼女には、ある理由があった―。
青春恋愛小説に、新スタンダード。
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甘々だと思って先日読んだ本は、甘々ではなくて
よくわからなかったりしたものですから
著者名からして甘々だろうと今度こそ狙いをつけたのに
これまたやられてしまいました。
これもmirokuさんに頂きました。
しばらくは頂き本が続きますо(ж>▽<)y ☆

この著者の作品は2冊目なんですが、最初が「植物図鑑」
初読みで甘々っぷりにやられてしまったから期待したわけですよ。
ごっつり嵌って次に進もうというクッションのつもりだったのに
思惑は見事に外れ、キレイな恋愛のお話でした。
と書けば軽く聞こえるので、そこは違うと言っておきましょう。

きっかけは「忘れられない本(ラノベ)」。
その結末に納得がいかなくて、10年近くも引きずった伸行が
「レインツリーの国」というブログで、忘れられない本の
レビューを読んだことから、管理人のひとみとメールの交換が始まった。
出だしはこんな感じで、普通の男性と難聴の女性との恋愛なんだけど
こういう設定ってありがちでしょ。
これが想像していたのとはかなり違っていました。

立場が違うから行動やら考え方に違いがあるのは当然としても
メールという言葉のやり取りのおかげで、「どうせ・・・」と
捉えて流しがちな、些細だけど本人には重いことなんかが
すっと頭に入ってくる。

普通に考えて、伸行のように時にはキレるものの
忍耐強くて物分りがよくて、相手に配慮しながらも
直球で相手と向き合おうとする男性はいないでしょ?
有川さんの描く小説にしか登場しないんじゃないのか?
と思えるくらいに、真っ直ぐでいい男(^◇^;)

こんな風に直球で諭してくれる男性とお付き合いができたなら
mokkoももう少しまともな女性になれたであろうに・・・
mirokuさんの予想を裏切って、自分とリンクするものがなかった。
それくらい自分の思いは一方的だったんだなぁ~と呆れるくらいに。
これを読むと、自分の性格に障害があると認めざるを得ない。
(ノ_-;)ハア…

救急車で病院に担ぎ込まれるような重病人が近くにいても
自分が指を切ったことが一番痛くて辛い、それが人間だ。

(文中より)

無知故に傷つけてしまった言葉と
傷つけようとして使った言葉と
放たれた言葉によって、受けた側が傷つくのは同じであって
それでも傷ついた自分が一番痛いと思うのはどうしようもなくて
だからといって、誰もが100%相手の事を理解するなんて
絶対に不可能で、そんな当たり前の事だけど
実際にはわかってなかったことを思い知らされた1冊でした。

これ、最後の解説までしっかり読んだ方がいいと思いますよ。
そして難聴にも色々あるんだってことも勉強になりました。
なんか反省ばかりしてるようだけど、伸行とひとみの会話や
考え方から本当に色んなことが見えてくる素晴らしい作品でした。

これ、図書館戦争の1作とリンクしてるらしい・・・
シリーズだから読む予定はなかったんだけど
どうやら読むしかなさそうな気配が・・・(-。-;)