迷宮Labyrinth/倉阪 鬼一郎 | mokkoの現実逃避ブログ

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迷宮Labyrinth (講談社ノベルス)/倉阪 鬼一郎
¥777 Amazon.co.jp
サイズ:219P 18cm
取扱状況:絶版重版未定

うち捨てられた病院で起きた荒唐無稽な不可能犯罪──
収容されていた院長の娘が密室で刺殺され、凶器の短剣も
“三重の密室”から、持ち出されていた。
彼女が遺した奇怪な小説『迷宮Labyrinth』は何を語る?
不吉な紅姫の伝説とは?
混沌のなか惨劇はエスカレートし、悪魔的終局が現出する。
これぞ鬼才の精華!
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二度目ましての作家さんです。
初読みは前回のテーマ読みだったのですが、
いきなり異色作というのに手を出してしまったらしい。
が!その異色作で感動して泣いちゃったんだなぁ~
だから、他の作品を読みたいと思っていたところに
運良くテーマ読みに当たった
テーマ読みバンザイなのです\(^o^)/


風袋(地名)の領主として栄えた皿沼家
当時、県内初で最新鋭の医療機器を備えた外科と精神科の病院を
中心から北に外れた山麓に創設した。
病院は3階建で本館は外科と精神科の外来や手術室、病室があり
川を隔てた向こう側に別棟である精神科の病棟があり、回廊で繋がれていた。
病院の裏手の森には紅姫伝説が残り、紅姫を信仰する
紅理教の事件もあったりで、南部の開発が進む一方、
北部は取り残された状態であった。

院長の皿沼伯の娘:紅は精神病棟に入院していたのだが
その紅が皿沼家ゆかりの短剣で胸を刺し貫かれて死んだ。
病院の本館と別棟を繋ぐ回廊は施錠されていて
病室も外から鍵がかけられていた。
更に短剣は本館の鍵付きボードに保管されていたものだったので
3重の密室ということになる。

県警の古川警部と大石橋が捜査にあたっていた矢先にまたも
精神病棟で当直の医師と患者が死んでいるのが発見された。
体の不自由な皿沼伯の妻:綾は一夜にして髪が白くなり、やがて死亡。
更に殺人事件は続いて・・・


ホラーとミステリの融合とレビュってた人もいた。
だから期待度満々で読んだんだけどね
最後をそっちに持っていったらダメでしょ~
なんでもアリになってしまう。
融合というよりは、どちらも中途半端。
密室作りに無理があった?
推理力ないのに、それなりに必死に考えたのにさぁ~
珍しく何度も見取り図を見直したりしてさぁ~(^◇^;)
地図も読めないくせに(○ ̄m ̄)

途中まではよかったのよ
最初の部分は、夢野久作氏のドグラ・マグラを連想したし、
名前のつけ方なんて、虚無への供物を連想したし(^◇^;)
まぁ~名前には何の意味もなかったんだけど(^◇^;)

目線がコロコロ変わるから、誰の目線かってのを考えるのが
最初は大変だったけど、これも慣れる。
殺された紅は、密室で殺されただけでなく、伝説の紅姫と同じく
誕生日に死んだってとこからして怪しかったし
紅が残した小説やら、隠された暗号なんてのもあったり
結構わくわくしながら読んでたんだけどね

で、3重の密室の謎解きを語っているところで
(  ° ▽ ° ;) エッ?って感じよ。
これも誰かの妄想か?とも思ったけど、そのまま
最後まで突っ走っちゃった。
そりゃないよぉ~(/□≦、)
まぁ~他にもアリバイトリックとかあるんだけどね
一番の謎が最初の紅の3重の密室トリックだったからね
本当にガックリきました(^◇^;)

で、引っかかってることがある。
紅が殺されて、警察が現場検証に入った時
外から犯人が侵入したようにみせかけようとして失敗してると
古川警部が言ってたんだけどさぁ~
でも結論がアレだとしたら、その現場自体が変でしょ
そこんところは放置ですか?
なんかスッキリしないなぁ~(^◇^;)

次はあるのか?文章の書き方は好みだから
読みやすくて読んじゃったけど、それなら
まともなホラーを読んでみたいなぁ~

ちなみにカバーイラストは、文中にも出てきたんだけど
回廊に飾られていたヒエロニムス・ボッシュの「阿保の治療」
15世紀後半には額を切除して阿保の石を取り出せば
間抜けが治ると思われていたらしい。マジでか?


後でまとめのページにリンクします。
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