
365P 15cm
「あたし殺されたの。もっと生きていたかったのに」。
通り魔に襲われた17歳の女子高生安藤麻衣子。
美しく、聡明で、幸せそうに見えた彼女の内面に
隠されていた心の闇から紡ぎ出される6つの物語。
少女たちの危ういまでに繊細な心のふるえを
温かな視線で描く、感動の連作ミステリ。
日本推理作家協会賞受賞作。
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二度目ましての作家さん。
コッペリアを書いた作家さんでしたかぁ~
なるほどと思う反面、作品から受ける印象がまるで違う。
連作短編集ですが、それぞれのタイトルに
全て動物の名前が入っているで、テーマ読みに選んで正解♪
「ガラスの麒麟」表題作
17歳の女子高生・安藤麻衣子が通り魔に殺害された。
その直後から野間の娘・直子が麻衣子が乗り移ったかのような
奇妙な言動を見せ始める。
「三月の兎」
小幡康子は厄介な問題に頭を抱えていた。
わざわざ授業を中断して校長に呼び集められた2年の担任達。
お年寄りにぶつかって高価な壷をを壊したのに
謝罪しないで去っていった生徒が本校の2年にいるらしい。
偶然聞いてしまった生徒の会話。
犯人は自分の担当するクラスにいる?
「ダックスフントの憂鬱」
幼馴染の美弥から呼び出されて高志が行ってみると
二人で拾って美弥が育てている猫のミアが血だらけに・・・
動物病院で診てもらったところ、足を鋭い刃物で切り裂かれていた。
どうやら近所にも同じ被害に遭った猫がいるという。
知り合いの直子に相談してみると・・・
「鏡の国のペンギン」
安藤麻衣子の幽霊が出るという噂が校内に広まっていた。
どうやら噂の発端はトイレの壁に書かれた落書きらしい。
小幡康子は保健室の先生・神野菜生子に相談するのだが・・・
「暗闇の鴉」
高校卒業後、OLとなった窪田由利枝宛に悪意に満ちた手紙が届けられた。
中学の同級生の死と、高校の事件について触れられていたので
由利枝の恋人である伸也は、由利枝が唯一その事を話したという
神野菜生子に会うのだが、手紙の差出人は既に死んでいるはずの
安藤麻衣子だった・・・
「お終いのネメゲトサウルス」
イラストレーターの仕事をしている野間は、安藤麻衣子が残した童話
「ガラスの麒麟」を出版しようとしていた。
偶然にも窪田由利枝に届いた悪意の手紙の報告のために
麻衣子の両親の元へ向かっていた神野菜生子をみかけ
仲介役をに頼んだのだが・・・
「ガラスの麒麟」で通り魔に殺された安藤麻衣子。
美人で賢くて恵まれた家庭で育った彼女は
学校ではアイドル的な存在で、誰もが憧れていた。
彼女は幸せでなくてはならないはずだった。
それがあっさりと殺された。
犯人は捕まらず、それでも時間が経つにつれて
騒ぎは治まったか思えたが、見えない波紋が広がっていた。
一見、殺人事件とは関係なさそうな事件の積み重ねで
物語りは進むんだけど、色々な人たちの視点を通して
安藤麻衣子の人となりが語られていく。
最後の話でようやく全ての真相が明らかになる。
まさかそんなところから犯人が出てくるとは思わなかった!
いつの間にか探偵も出てくるし・・・
それはどうよ?と思ったんだけど
作品全体が儚くて危うい空気を含んでいるせいか妙に切ない。
自分とは対極の世界を描いているからそう思うのか・・・
でも、最後はいいなぁ~
何か色々と温かくていいなぁ~
傷つきやすくて繊細じゃなかったから
保健室というのは、怪我をした時や倒れた時に
運び込まれる場所だと思っていたので
遠まわしな相談という理由で保健室に行ったことがない。
今はそんな楽しみがあるんだなぁ~(-。-;)
いや・・・
保健室の神野菜生子先生がいい人だからなのよね
いいなぁ~神野菜生子先生(〃∇〃)
余談ですが、最後の話の中で調べていたアルバムに
栞が挟まっているというシーンがある。
偶然ではあるけれど、この本をブックオフで購入したら
チケットの半券が挟まっていた。

約3年の時を越えてmokkoが目にする事になったらしい。
図書館の本とか古本には、こういう楽しみが隠れているから
やめられない(○ ̄m ̄)
この半券を挟んだまま、ブックオフに売る事にしよう♪
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