遠に呱々泣く八重の繭/高里 椎奈 | mokkoの現実逃避ブログ

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遠に呱々泣く八重の繭 薬屋探偵怪奇譚 (講談社ノベルス)/高里 椎奈
¥840 Amazon.co.jp
サイズ221P 18cm

「彼に関わると不幸に遭う」
呪いの噂が流れる中学校で不気味な転落事故が発生!
人間の仕業とは思えぬ事件、糸を引くは妖か?
妖怪雑事相談所「深山木薬店」店長・秋は、
店員の座木を教師として潜入調査させることに。
だが赴任直後、新たな事件が発生! 
現場の状況から、なぜか座木が犯人だと疑われてしまう。
秋は真犯人を発見できるのか!? 
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薬屋探偵怪奇譚(2章)シリーズ第4弾。

作品説明を読んでいたら、小野主上の「魔性の子」を思い出した。
全然違うんだけど(^◇^;)

同じところに留まれない薬屋の面々。
店長は3代目になり、看板から「改」の字が取れてます。
「灰色の木を金色に戻す薬ってある?」
顔を隠した依頼人が薬屋さんを訪れる。
友達が事件を起こしているかもしれない。殺人未遂・・・
犯人と事件を隠蔽して貰いたいらしい。
依頼人と友人の顔も名前も明かされない状態で
依頼を引き受けることになった。

店長命令により、生徒を酔わせることなく
学校に潜入することになった座木。( ´艸`)
今回は生徒ではなく、先生としての潜入。

潜入の資料を揃えたのは、座木が苦手とするアノ人。
一瞬、彼の事を認めそうになりながら、思い直す座木。
ここでは大いに笑えます。
久しぶりの学校で、慣れない言葉や態度に四苦八苦する座木。
彼の脳内葛藤が、これまた笑える。
「蟻、鴨?」
ヾ(▽⌒*)キャハハハo(__)ノ彡_☆バンバン!!
しかし、学校に赴任した直後に事件が起こってしまう。

依頼人の友人の存在はわかったものの、肝心の依頼人が
わからないので調査は思うように進まず
更に事件が起こり、容疑者扱いされた座木。
救いの手ならぬ声だけを差し伸べたのは、アノ方だったぁ~
「薬屋が絡んでいるなら、裏で別の事件が
 絡んでいる可能性があるから用心した方が良い」

アノ方を尊敬している刑事が、これからの付き合いになるのか?

一方、秋とリベは騒動に巻き込まれるが騒いでいるのは周りだけ。
相変わらず手際がいい。
師匠と尊敬する秋のことでも、性格となったら別。
リベの心の呟きがいつも以上に笑えました。
そして、二人は座木の調査の補足をするべく動き出す。

学校では座木が更なるピンチに襲われるが、そこで
ピンポンパンポーン
『本日の血文字の解読は終了しました。
 校内に残っている容疑者は、
 至急、視聴覚室に来て下さい。繰り返しません』


座木の思い違い(同じく思い違いしてました)に誘導されて
振り回されますが、思わぬところに真相が転がっておりました。
そして、思いもよらぬ隠し球まで用意されていてビックリ。
そういうことだったのかぁ~(゚O゚;
やはり着地点は優しさに満ちてました。

ゼロイチは、ますます貧乏になっていて、相変わらず
古風ないい奴で、やはり秋には鴨にされている(^◇^;)
秋は、女の子に間違われて手の甲に血管浮かせてるし
歌はリベとの距離を縮めているようだし、
真相を語る日も近いのかと思わせるし
座木が罰を受けてる理由もわかったし
座木が苦手なものもわかったし
リベの種族はアレがダメらしい・・・
腐っちゃうらしいよ・・・
今回はなんともお得な感じのお話でした。

しかし、喜んでばかりはいられない。
サラリと流して書かれてはいるけど、凄く気になることが・・・
それってどういう事?
そして、全員プレゼントで非売品の書き下ろし短編集
『ミラーサイト*ドロップス』の中のreason whyを
彷彿とさせることも書かれてました。
海紡ぐ・・・の続編の話で、秋が旅立った直後の話。
解明されないままの謎と、新たに増えた謎!
新刊読んだばかりでなんだけど、早く続きが知りたい!

『本当に欲しいものから目を逸らして、
 別のもので 補おうとするから齟齬が生じる。
 認めることだ。穴の本質を。
 探す事だ。それを正しく埋める方法を』