少年の時間/アンソロジー | mokkoの現実逃避ブログ

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NOVEL21 少年の時間―text.BLUE (徳間デュアル文庫)/著者不明
¥680 Amazon.co.jp
サイズ 331P 16cm

さまざまなジャンルで活躍する個性あふれる実力派作家たちが、
一堂に会した!!
全作品書き下ろしのオリジナル・アンソロジー。
ハイブリッド&クロスオーバー化がすすむ、
新世紀エンタテインメントの『いま』がここに。
山田正紀&西沢保彦の対談付き。
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6人の作家によるSFアンソロジー。
上遠野浩平氏のナイトウォッチシリーズの続編短篇?
最後の方にチョロっと出てきた鉄仮面の話が読みたくて購入。
SFアンソロジーと言いたい所だけど、そうじゃないのもある。
最近、ジャンル分けするのが難しい作品が多い。
ジャンルの壁がうざくなってきたわ(^◇^;)

『鉄火面をめぐる論議』上遠野浩平
圧倒的な恐怖。陣地を越えた存在「虚空牙」
どこから来て何が目的かもわからない。
ただひたすら人間に攻撃してくるだけ。
そんな時、彼が生まれた。
母親は彼が生まれた直後に死んだと思われる。
彼に触れるものは、みんな結晶化してしまう。
人として他人と触れ合うことができない。
だから彼は中世の騎士のような特別仕様の鉄火面を作った。
そして彼はナイトウォッチの武器になる。

同じ人間同士、殺しあうことを繰り返してきた人類が
初めて結束したのが皮肉にも虚空牙の存在だったりする。
そして異質な存在の彼を武器として使う。
鉄火面が悲しいくらいに良い子なんだなぁ~
鉄火面の正体は、なんとなく予想はしてたけど
ほのめかしてもあるけど、切ないなぁ~
人は何やってるんだろうってね・・・

『夜を駆けるドギー』菅浩江
鉄火面だけ読んでやめようと思ったんだけど
次の著者が菅浩江さんだったから読みました(^◇^;)

マシン・ペット「どきどきドギー」シリーズが流行していた。
学割で購入したコープス(HN)は、ネット上の友人である
HANZ(HN)とドギーシリーズのファンサイトを立ち上げる。
掲示板に雑種のドギーが塀の上を走っているという
目撃談が書き込まれてから、続々と情報が集まる。
ところが雑種のドギーと通信したドギーが死んだことから大騒ぎに

この話が一番好きかも。
ドギーシリーズに仕込まれた秘密と人間嫌いの主人公コープスと
ハッカーHANZの友情を描いているんだけど
現実でも十分ありそうな話しで、結構リアルでした。

『テロルの創生』平山夢明
巳影は日の出直前の波打ち際が好きだった。
そして軍人である後藤の絵が好きだった。
しかし巳影が侵入した場所は軍用地で一般人は入れない。
父親は軍人と付き合うのはよくないという。
ある日、学校で特別講義が行われた。
誕生日の祝辞と巳影のクラス全員が影(オンブル)という
特別な存在だと知らされる・・・

前に、こういう事が起こりえるって問題になったのを
テレビで見たことがあるような・・・
科学の進歩と生命倫理。
十歳の巳影と軍人後藤の交流と決断を描く。
好きな作品だけど、こんな世界になったら嫌だなぁ~

『蓼喰う虫』杉本蓮
事故で航行不能に陥った研修船が火星付近で姿を消した。
研修船は乗組員3名を乗せたまま、どこかの星にいた。
現在位置は不明ながら、船外環境は地球と同じ。
調査を行うために探索用車で出掛けると
予想外の事が起こり・・・

このシチュエーションはテレビで見た記憶があるんだけど?
テレビでやったことのある作品なのかな?

『ぼくが彼女にしたこと』西沢保彦
テレビで事件のニュースが報じられた。
ホテルの一室でクロイシという男性が殺された。
男は偽名を使っていた。
犯人はまだ捕まっていない。
でも僕は知っている。犯人は僕の父親で、クロイシは
父を殺すはずが返り討ちに遭ったのだ。

これは普通にミステリとして読めました。
小学校の時に家族ぐるみで交流のあった女性とみかけ
ストーカー行為を始めた僕は・・・
面白かったぁ~

『ゼリービーンズの日々』山田正紀
これは思いっきりSFしてまして、説明できない(^◇^;)
イメージできるし、言わんとしてることもわかるけど
一番苦手なSFがこれなんだなぁ~
SFファンなら楽しめるのか?

最後に山田正紀氏と西沢保彦氏の対談があります。