
サイズ 269P 16cm
あんた世界が何で出来てるか知ってる?
常識と適当が重なって出来てると思う?
でも、あたしのいる世界はそうじゃない。
そこは史上最強の戦闘兵器“虚人”の部品で創られている世界―
そしてあたし鷹梨杏子は、その中で同じ人間と殺し合う運命を
背負わされてしまった。
あたしが戦わなきゃ虚人は動かず、世界も消え去るってね。
まったくツイてないわ―
虚空牙の脅威に晒された超未来の、光も差さぬ
太陽系最外縁空域で幻想の世界に閉じこめられた、
ちょっと怒りっぽい少女が辿る、ひとりぼっちの宇宙戦争奇譚。
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ナイトウォッチ3部作 完結編
本作では章ごとに目線と時代?が変わります。
舞台は太陽系最外縁空域の人口天体。
通称:宇宙港
かつては暗黒の宇宙へ旅たつための玄関口であり
ナイトウォッチの原型である史上最強の
戦闘兵器<虚人>が作られた。
虚人を操作する上で、人工知能と有人操作のどちらを選ぶか
議論した結果、事故発生時の責任の有無を考え
身体の半分以上を機械に置き換えた戦闘用改造人間が作られ
敵から宇宙港を守るための訓練を受けていた。
ところが虚空牙の襲撃を受け宇宙港は壊滅状態となり
虚空牙に汚染されたとして見捨てられ半世紀が経過していた。
そこに3機のナイトウォッチが宇宙港の破壊命令を受け
接近していた。
現在、宇宙港には生命反応はない。
戦闘用改造人間が残されていても、データ上では
生物として扱われない。
虚人には自動修復機能があり、人口知能が生きていた。
ここでも人が虚無の空間で精神のバランスを崩さないよう
こちら側の世界が作られていた。
高校生の麻里は街でキョウとバッタリ会う。
麻里を思い出せない様子のキョウにイケメンの公坂が
クラスメイトだと説明すると、そういう設定もあったわねと
意味不明な事を言う。
麻里は戸惑うのだが、更に公坂から不可解な電話を受ける。
キョウは特別な存在だ。僕らは全て彼女だけのために
存在している。危機が間近に迫っている。
人類は僕らが虚空牙に汚染された敵と見なしている。
君はキョウが虚人に乗り込むまで守るんだと・・・
ここでは今までの主要キャラが登場する。
SF苦手なのに読みやすい上に描写がうまいから
容易に想像できる。
読んでいて、グレートジャーニーを連想した。
人類大陸大移動
元は同じ種族なのに長い長い旅をして、かつての地に
戻った時、力でもってそこに住まう人を滅ぼす。
そういう切なさというか、やるせなさを感じながら
読んでいたんだけど、終わりはキレイというか好きだなぁ
あの人がそういうことだったの?ってのがビックリしたけど。
頭の中でわけのわからないモノが勝手に動きだしたり
虚しさや、ジレンマに振り回されるのも楽しかった。
“あなたが希望と呼んでいるものは、ほんとうに希望なのか”
ドキっとしますよ