ぼくらは虚空に夜を視る/上遠野 浩平 | mokkoの現実逃避ブログ

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ぼくらは虚空に夜を視る (徳間デュアル文庫)/上遠野 浩平
¥620 Amazon.co.jp
サイズ 289P 16cm

あんたは“本当の空っぽ”というものがどんなだか理解できるか?
底無しの空間が永遠に広がる絶対真空に放り出されることなんざ、
想像もできねーだろう?
だが只の学生のはずの俺、工藤兵吾はその虚空で戦争するハメになった。
無限に襲いくる敵を、俺が駆る超光速戦闘機(ナイトウォッチ)で
倒さねば人類は終りだというのだ―
混乱する俺の前に現れたのは、悪夢のような幻影と、
人間に科せられた苛烈で空虚な現実だった。
現実と超未来、果てなき宇宙と揺れ動く少年の想い。
ふたつでひとつの、近くて遠いおぼろな夜空の戦記。
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ナイトウォッチ3部作の1作目

シリーズと知らず、2作目から読んでしまったのに、
あまりに面白かったので最初から読むことにした。
本作は全章通して主人公の工藤兵吾が出張っているので読みやすい。
ちなみにSFは苦手です。
中でも戦闘モノは興味すらなかったんだけど
SF慣れしてないおかげで、この世界観に嵌ってしまった。

マトリックスの逆バージョンというのかな?
高校生として生活してる方が作られた世界。
本体は冷凍睡眠中。
宇宙という虚無の中で、人が発狂しないための
安全装置らしい。
選ばれたモノの精神がコアとして鳥やら恐竜やらの
骨格標本の継接ぎというか巨大な骨細工みたいな
ナイトウォッチを操って人類の敵である虚空牙と戦う。

といっても普段は作られた世界で高校生やってるわけで
戦闘に借り出される時だけ意識が宇宙空間に飛ぶ。
時間の流れが違うから、作られた世界のほうでは
瞬きするくらいの時間だという。

作られた世界にも管理者がいて、進入してくる
ウイルスやらバグを修正している。
偽者の世界で死ねば本体も死ぬらしい。
むろん逆もあり。

主人公・工藤兵吾は、前のコアが死んだため
予備としてナイトウォッチのコアに選ばれたが
接続しようにも戦闘中だったので時間の余裕がなく
こっちの世界で、女生徒から呼び出され問答無用で
切り替わるんだけど、そこはヒーローモノの王道というか
最強だったわけで、だから敵にも目をつけられる。

こっちの世界の工藤には気になる女生徒がいて
お互いに無自覚に相手のことを気にしているという
微笑ましい場面も多々あるのだが、そんな時に
敵がこちらの世界に侵入してしまい、
気になる子やら管理者やらを巻き込んでの大乱闘になる。

すごく読みやすくて面白い。この世界観が面白い。
どう着地させるのか知りたいので続きを読もう♪