"The longest week of all" | 覚え書きあれこれ

覚え書きあれこれ

記憶力が低下する今日この頃、覚え書きみたいなものを綴っておかないと...




ボストンの世界選手権まであと一週間となりました。


神戸の母に「ワールド・シミュレーション」の話をして、ハビちゃんの写真を送ると:









「本当に綺麗!羽生くんのライバルですね。世界中継、恐ろしくて見られません。。。」


という返事が来ました。(どんな話題でも羽生選手に焦点が戻るところがすごい)



気の毒になったので、せめてもの慰めと思い、どうやら大好評の「王者のメソッド」





を注文して実家に届くように手配しておきました。まあこれでなんとかしのいでもらいましょう。


ところで「ワールド・シミュレーション」についてはクオンさんもブログ記事をCBCのホームページにアップされています。

当日彼女はアナウンスを担当していたのですが、その合間にコーチたちや選手たちにも少し話が聞けたようです。

その中から面白かったポイントを幾つか抜粋・要約:

For Michelle Leigh, Chartrand's coach, a simulation "is a final chance to work things out. To tweak just the final touches. For instance, we haven't skated third at any of the events this season, and we are tonight. This is the perfect chance to simulate the timing of what that is like from taking skates off, to more backstage jumping and whatever else is needed."

アレインのコーチ、ミシェル・リーはシミュレーションが「最後の細かい仕上げ」をするチャンスだと言ってますね。例えばアレインの場合は今シーズン一度もグループの中で三番目に滑っていない、それをこのシミュレーションではさせてもらった。スケート靴を脱いだり、バックステージでジャンプするのを増やしたり、などなどのタイミングの調整をどうするのか、の予行演習ができて良かった、そうです。




そしてオーサーさんは:

"There are pre-world jitters for everyone so this is a chance to work some of that out. At this point, the work is done and everyone is ready.  You go out and you skate and good or bad, because the competition isn't  until next week, there is still something that can be done. There are lessons to take away."

ワールドを前にして皆、緊張してるからそれを少し外に逃がすチャンス。ここまで来たらもうやるべきことはやったし、みな、準備は出来ている。(でもこのシミュレーションで)滑ってみて、良くても悪くても、大会までは一週間あるから、まだ工夫する余地はある。学ぶことはあるはず。


Orser said that simulations like this one are a reminder to the skaters that as much as you may want to do something over, you only have this one chance.

何かを「もう一回、やり直したい」っていくら思っても、チャンスは一度しかない。それをしっかり再認識する良い機会だ。


...と言ってます。


選手たちの言葉では:

With less than a week to go, Iliushechkina said the biggest thing is to "trust your training," while partner Moscovitch acknowledges, "the week before worlds is the longest one of all."

イリユシェシュキナちゃんが「練習を信じること」が一番大事、と言い、モスコヴィッチさんは「ワールド前の一週間は、どれよりも長く感じるもの」とおっしゃってます(何故か彼の場合、思わず敬語を使ってしまいたくなる風格がある)



ああー、分るわ、その気持ち。いや、本当に分かるわけはないんだけど、なんとなく。

母でさえも見たいけど見たくない、見たくないけどやっぱり見たい、と身もだえするような状態なんだから、

選手たちにとっては一年間の努力の全てが問われ、試され、否定されたり賞賛されたりする大会。それを前にして、どれだけ昂っていることでしょう。


実にこの一週間は、嵐の前の妙な静けさ。


否が応でも高まるエネルギーを意識しつつ、まだまだ、まだまだ、と上手く溜め込んで手なずける。


焦らしすぎてもいけない、早く解き放ってしまってもいけない。


誰よりもその術を心得ている一匹の狼が、戦いの始まるのを待っている。