邪眼は月輪に飛ぶ//藤田和日朗 | みゅうず・すたいる/ とにかく本が好き!
邪眼は月輪に飛ぶ (ビッグコミックス)/藤田 和日郎

¥550
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 「邪眼は月輪に飛ぶ」
 (じゃがんはがちりんにとぶ)

 藤田和日朗、著。 2007年


 富士鷹ジュビローも好きだけど、本物の藤田和日朗も好き♪
「うしおととら」や「からくりサーカス」現在連載中の「月光条例」
なども面白い。

 彼の短編も、美しくて切なくて好きだけれど、風呂敷を広げ
まくって、これでもかと言うくらい、どう畳むのだと言うくらい
広げまくって、それを力ずくで畳む、長編は堪らない魅力がある
ように思う。

 この「邪眼は月輪に飛ぶ」は、彼の初めての青年誌での連載
作品と言う事になるのでしょう。
スピリッツ誌上での連載時に、リアルタイムで読んだのですが、
今回単行本で纏めて読みました。


 
 東京湾で座礁した米軍の空母から、一羽の鳥が逃げた。
そのことで、多くの兵士が死ぬ。さらに、東京の街中にやって
来たその鳥は、空前の死者を出す―
その鳥とは、その眼で見られたものは、全て死んでしまうという
一羽の恐ろしいフクロウだった。
コードネームは〝ミネルバ″かつて、猟師仲間とともに、その
フクロウを一度は撃ち落とした鵜平は米軍の要請を受けて、再び
銃を取る。
進退きわまった日米両軍がかたずを飲んで見守る中、鵜平とその
娘・輪、謎めいたCIAのエージェント・ケビン、デルタフォースの
マイクの4人が、死力を尽くして、悪魔のような宿敵・ミネルバ
に立ち向かう。
 (裏表紙より)


 ジェット戦闘機も、ミサイルも、否、あらゆる近代兵器を使用
しても倒せなかった「邪眼」に、猟師のジジイが旧式の村田銃で
立ち向かう。

 妙な面を被ったジジイとその娘の巫女・輪。
偏屈でプライドが高いくせに、かつての戦いで、妻を失って以来
全てがいやになってしまった挫折ジジイを、勝気な輪がぶっ飛ばす。

 輪がカッコイイ♪
ジジイがカッコイイ!
そして、最後はミネルバが哀しい。

 ああ、藤田和日朗の世界は良い♪
満足、満足♪