「いててててて」
「むむっ?何事かも?」
「あー、痛い。いててててて」
「むむむっ?これは大事かも?」
「ちょっと無茶し過ぎたかな。いててててて」
「むっ、これは間違いなく一事が万事、一大事なんだよ。ぴゅぴゅぴゅっ!どかーーん!」
「ぐわっ!痛てー!いきなり何す…………って、ハイジか。何だよいきなり後ろから突き飛ばしたりして。危ないじゃないか」
「んー?ミッキーが痛がってたからつい咄嗟にやってしまったかも!突き飛ばさなければ大変な事になっていたんだよ!そうなのかも。違うかも」
「大変な事って何なんだ、一体。僕は普通に歩いてただけじゃないか」
「んー?でもミッキーが痛がるのなんて、きっと日常に疲れて、将来に希望が持てなくて、自分の人生が茨の道でトゲトゲだから痛くて耐えられないに違いないんだよ。今にも崖から飛び降りてしまいそうだったから慌てて突き飛ばした次第かも!きっと来週には人命救助の賞状を全校生徒の前で受け取る羽目になるんだよ。さりげない善行のはずが、その名前も名乗らない格好良さがかえってウケてしまうのかも。でも表彰というのは良い人間性や善行を周囲に押しつけるみたいで私はあんまり好ましいと思わないんだよ」
「いつ僕の人生が茨の道になったんだ!っていうかこんな街中に崖なんて無いぞ。それにもし崖があったとしても、後ろから突き飛ばしたら確実に崖から転落してると思うし」
「むむむっ、という事は崖に突き飛ばしたのが荒療治になって、ホントは死ぬ気じゃなかったという生への渇望を呼び覚ましたのかも!死にたいとか殺すとか言いながら周囲を牽制してる人に限って、いつまで経っても同じような愚痴や文句ばかり言って実際には何もしないものなんだよ。ホントに怖いのは突発的に、瞬間湯沸かし器的に怒り狂った今まで真面目に生きてきた人かも。そうなのかも?そうに違いないのかも」
「まぁ言いたい事は分からなくもないけど、それじゃ僕が普段から死にたいって言ってる側の人みたいじゃないか。痛がってたのだって別に人生に対して痛がってたわけじゃないぞ。昨日ちょっと風呂上りに……」
「むむむ……何とホントに痛がっていたんだよ。風呂場で自分の身体に傷を付けるなんて、いよいよ私の手を離れて専門家の手を借りる必要があるのかも。だんだん面倒な展開になりつつあるんだよ」
「おい、何かスゴイ誤解されてる気がするぞ。とりあえず落ち着いてくれ。脈絡の無い話が膨らんでるぞ」
「そうかもそうかも。落ち着いて脈拍を取るべきかも。自分で自分を傷付ける前にまず手首に指を当ててみれば自分が生きている事を確認出来るんだよ。痛みを感じなければ生きている気がしないというのは本音のようで本音ではなくて、誰かに自分の気持ちや話を聞いてもらいたいという感情の裏返しかも?本来なら一番近いミニーが話を聞くべきだけど、ミニーに関する悩みかもしれないから私が仕方なく、面倒臭がりながらも話を聞くべきかも?」
「ちょ、ちょっと待ってくれ!僕は別に寂しかったり悩みを聞いて欲しいって思ってるわけじゃないぞ。ましてや自傷行為なんてした事無いって!」
「んー?いよいよウソまで始まってしまったんだよ。悩みを相談する相手にウソとはずいぶんと問題は複雑かも。それとも人格が分裂して今のミッキーは覚えていないのかも?面倒になってきてしまったんだよ。そうなのかも。違うかも」
「いや、どうして僕が精神的に病んでると思われてるのか分からないけど、昨日風呂上りにストレッチをしたらたまたま関節が痛む、って話だぞ」
「むむむ、これまたずいぶん尻上がりにストレスが溜まる間接的な言い回しが始まっているという意味かも?あー、面倒なんだよ。イライラチッチッ」
「おい、ちょっとずつお前の精神の方が病んできてるような気がするぞ……」
「しなやかにクリックするべし!かも」
「ツイッター フォローしておくべきかも!」
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