ニューヨーク・ニューヨーク♪

　随分前のことですが、２００１年、「９．１１」の後、間もない１２月の３日間ニューヨークで一人で過ごしました。クリスマス前でにぎわう街を歩いて回り、ハーレムの教会に行ってゴスペルを聴き、ライブハウスに行ってサム・ムーアの歌を聴き、映画館に行って日本で封切り前の映画を見ました。そして、まだ、焦げ後が残る「９．１１」の現場に行きました。

　憧れのニューヨーク・・・という完全な「お上りさん気分」で街の中に居る、というだけで興奮しました。
　セントラルパークや、セントラルステーション、すべてが、それまで見た映画の「セット」という感じがして、もう「お客さん」そのもの。
　クリスマスツリー用の樅の木が道ばたに積み上げられた街をひたすら歩き、本屋に寄り、CDを買い、「普通のお店」で食事をし、BARで飲む、そんな一つ一つのことが楽しかったです。

　９．１１直後ということで、空港では厳しいチェックにあい、また、やたら星条旗が掲げられていたような気がしますが、街全体は、クリスマス前の華やいだ気分で包まれていたように思います。

　冬なのですが、Tシャツ短パンの人もいれば、長いコートを着た人もいる、そして、信じられないくらい背の高い人から、幅の大きな人やら、様々な人種の人々が、好き勝手に自由に、互いを尊重しつつ、干渉もしないというフンイキは自由でもあり、競争的でもある感じ・・・。

　F・スコット・フィツジェラルドの『マイ・ロスト・シティ』のニューヨークの描き方、つまり、憧れた街との恋のような関係が好きでしたが、ニューヨークは特別だなあ、と感慨深い想い出です。