LONDON DAYS: Part 1 | Just for a Day: 小林真里ブログ

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映画監督/映画評論家 小林真里(Masato Kobayashi)です

ロンドン滞在記を、忘れないうちに書き記しておきます。


今回は9泊での初渡英だったわけですが、

滞在先のホテルは、

友人に薦めてもらったアールズコートのEASY HOTEL。

ロンドン内で、中心部からも地下鉄で15分という好ロケーション。

アールズコートは、Oasisがギネス記録を更新した

ライヴの地として、初めて覚えた場所です。

ホテルは、駅から徒歩5分。近所に24時間オープンの巨大スーパーもあり、

駅前にはコンビニも酒屋もパブも日本食レストランも各種ファストフード店も、

なんでも揃っていました。

ホテルも狭いなりにもオシャレな空間で、まったく問題なし。


まず、初日の16日(金)。


飛行機がヒースロー空港に到着したのが、15時。

入国審査の列が長くて多少時間がかかり、

その後、地下鉄に乗って一本でアールズ・コートへ。

ロンドンは曇りか雨ばかりだと聞いていたけど、快晴。


ホテルにチェックインしたのが、17時頃。

疲れもなく、時差ボケもなかったので、早速外出。

北上し、地下鉄のお隣の駅である、ハイストリート・ケンジントンまで歩く。

ここに、シネコンがあるからです!

場所を確認し、駅前の周辺を散策。

H&Mとかユニクロとかスターバックスとか、

どこにでもあるようなチェーン店が目白押し!


近くに巨大公園ハイドパークがあるので、その端を歩いてさらに北上。

10分ほどで、さらにお隣のノッティングヒル・ゲートに到着。

映画『ノッティングヒルの恋人』でお馴染みの書店もすぐ発見。

ここでは、CD EXCHANGEというCD屋を確認し、

さらに近所でコミック&DVDエクスチェンジも発見し、足を踏み入れる。

店に入ると、不意に聞き覚えのある美しい

ロマンティックなドリームポップが耳に入ってくる。

これなんだったっけ! と思いつつ、

Melody's Echo Chamberであることを思い出す。

日本ではまずできない体験に、感激。


周辺を少し散策し、パブの様子を見て、映画館をチェックし、

軽く食事を食べ、ハイストリート・ケンジントンに戻る。

そしてシネコンで、

ザック・エフロン&セス・ローゲン主演の過激パーティコメディ

『Neighbors』(イギリスのタイトルはBad Neighbors)を鑑賞。

金曜日の最終回(20:45)なので混雑するのを楽しみにしていたのだが

(イギリス人はどんな盛り上がりを見せるのだろうかと)、

あんまり入りは良くなかったです。

興行的には、その前週イギリスで初登場1位だったのに。

それでも、近くに女の子三人組が座ったので、なんとか盛り上がった。

映画は、隣に男子友愛会のアジトができて大迷惑の

ローゲン&ローズ・バーン夫妻とザック・エフロン仕切る

フラタニティの過激な攻防を巡る作品。

『エンター・ザ・ボイド』と『スプリング・ブレイカーズ』に触発された

サイケデリック調のコメディでしたが、ラストを「政治的に正しい」いいオチに

するのはいかがなものか。


終映後は徒歩でホテルに戻り、ぐっすり眠る。


20日(土)


7時頃目が覚めたので、朝食を買いにスーパーに赴く。

英国はサンドイッチが有名なので、ひとまず試しに購入。

水を買おうと思ったら、5リットルで2ポンド(約350円)と安価に驚愕。

結局、2リットルの水を80ペンスで購入する。


友人・知人から、「イギリスはとにかく食事がまずくて最低だから!」

と執拗に言われていたが、サンドイッチは美味しい。

オレンジジュースも全然問題ない。

どうなってるのだ、一体……?


この日は、ロンドンで一番巨大なIMAXで『ゴジラ』11時の回を鑑賞。

チケットは既にオンラインで購入済みである。

9時半にはホテルを出て、地下鉄に乗ってウォータールー駅を目指す。

ちなみにロンドンの地下鉄、チューブは、路線によってかなり車体が小さく、

混雑時は人が乗り切れないとう事態も発生。

すぐに次の列車が来るとはいえ、なんかあんまりである。

そして、駅は大体どこも、大江戸線と同じぐらい深いので、下手に乗り換えを

するぐらいなら、徒歩で移動したほうがよいという教訓も後に得ることになる。


さて、ウォータールー。国鉄も走る巨大な駅だが、地上に出ると

すぐにIMAXの映画館を発見。

すぐそばにテムズ川があるので、橋を渡ってみる。

ロンドンはどこを見渡しても、いちいち可愛くてキッチュな歴史的ビルばかりなので、

アメリカとは景観がまったく異なり、目に楽しく刺激的。

見ていて、まったく飽きることがない。


すぐそばに、ロンドン・アイという名の巨大観覧車があったので、

近くまでいって眺める。

観覧車一つに、10人は乗れるような巨大サイズでびっくりした。

乗るためには事前にチケットをウェブ上で購入しなければいけないそうな。

川辺の歩道(ボードウォーク?)はベンダーや手品師やがいて、

朝から人出で賑わっていた。


さて、いい時間になったので、IMAXに向かう。

が、しかし、場内に入ると、NYほどスクリーンが巨大ではないことが

わかって、ちょっとがっかり。

それでも、真ん中ぐらいの列だったので、迫力はありましたが。

映画の感想は以前も書いた通り、人間にフレンドリーで影の薄いゴジラが

あんまりカッコよくない敵と戦い、無理やりのヒューマンドラマも意味がないという

もので、かなりがっかり。

うーん、せっかく3500円ぐらい払ったのになあ……。


その後、ノッティングヒルに向かい、有名なポートベロー・マーケットへ

(ノッティングヒルまで4駅歩いたら30分かかった)。

メインはアンティークだが、それ以外にも古着やレコードやキルトやお土産品、

さらにフードのベンダーがひしめき合っており、人の賑わいも芋洗い場状態。

ランチになにを食べるか熟考した上、スペインのパエリアに決定。

シーフードとチキンの二種類から、シーフードをチョイス。

大きな海老とムール貝が入った、トマト味が効いたオーガニックなテイスト

(調味料をほとんど使用していないと思う)で、最初は薄味で淡泊かも、

と感じたが、次第にその自然なフレイバーに魅了され、あっという間に平らげた。

これが本場のパエリアか……とちょっと感動。

マーケットにいると色んな人種の人に会えるのも面白い。

アラブ系の人やアフリカ系の黒人や、中東の人、東欧の人、

色んな肌の色んなスタイルの人に会えるのも、アメリカとは異なり新鮮。


マーケットを端の端まで歩き(途中で前日の機内で前に座っていた

日本人の成金ババア二人と偶然遭遇)、ノッティングヒルに戻り、

DVDエクスチェンジを物色。中古DVDが1ポンドとかで商品の数も物凄い、

ホコリとかび臭い地下は宝の山。

結局、『悪魔のいけにえ3』と『Stones(ローリング・ストーンズかた消えた男)』

を購入。

その後、地下鉄でソーホー・エリアに向かう。

Oasisのセカンドアルバム「モーニンググローリー」のジャケットが撮影された、

バーウィック・ストリートでCD屋を巡り、そのままロンドンのタイムズスクエア

「ピカデリー・サーカス」から舞台やミュージカルの劇場街「レイセスター・スクエア」から、

マーケットがある「コヴェント・ガーデン」を散策。

この三駅は至近距離にあり、余裕で徒歩圏内である。

しかし週末だけあって、観光客中心に雑踏が凄い。


この夜は、本当はエコー&・ザ・バニーメンのライヴを観る予定だったが、

数日前に急遽メンバーが病気になったということでキャンセルに。

21時過ぎまで日が出ている明るいロンドンだが、22時にはホテルに戻って

23時には就寝。

そういえば、時差ボケはない。

8時間の時差なら、うまく体内が調整できるらしい。


21日(日)


快晴。

今日は、美術館をハシゴ。

まずは、テート・ブリテン。

英国のアーティスト中心のこの美術館は、

ミレイの「オフェリア」を所蔵しているというので見にいったが、

現在イタリアに出張中で7月に帰還とのことで見れずじまい。残念極まりない!

それでも、フランシスコ・ベーコンの立派な作品をいくつも見れたし、

日曜なのに結構空いていたし、満足。


続いて、巨大なテート・モダンに。

少し離れた駅から、有名なセントポール大聖堂の横を通り、

ミレニアムブリッジを歩き、モダンに到着。

ロンドンの美術館はどこも入場料が無料なので嬉しい

(一部エキジビションのみ有料)。


ブリテンと一転、ここはかなり賑わっていたが、それも納得。

作品の点数もレベルもかなり高いからだ。

NYのMoMAにも匹敵するのではなかろうか!

ここでもベーコン先生やピカソ、ダリ、マーク・ロスコなど

迫力の作品が目白押しで、ロンドンで一番魅力を感じた美術館。

マティス展を開催中だったけど、興味ないのでスルー。


その後、歩いて今度は、ロンドン博物館へ。

ロンドンの起源を、類人猿の誕生から歴史順に展示していて、興味深い。

ここも入場料は無料。

18時に閉館してしまったので、近くでケバブ料理をディナーに食べて

(なかなかしっかりした味付けで美味かった)、

バービカン・センターというオーチャードホールみたいなコンサートホールで

Radioheadのジョニー・グリーンウッドがオーケストラを率いてのライヴ。

最初の15分ほどはジョニーがギター一本でソロを披露し、

その後30分ほどはオーケストラとの共演(あんまり面白くなかった)。

後半の部では、ソプラノ歌手のジェシカ・リベラのショウ。

こちらのほうが意外性があって、堪能できた。

場内はしかし、Radioheadファンと思しきロックファンの姿が多かったです。


22日(月)


いよいよ、SLOWDIVEのライヴ当日。


夜のライヴに備え、今日はあまり無理はせず、動き回らないことにする。

その前に、前日歩きすぎて、膝が少し痛いという……。


11時半から、ノッティングヒルの映画館(単館)で、

オスカー・アイザック、ヴィゴ・、モーテンセン、キルスティン・ダンスト主演の

サスペンス『The Two Faces of January』を鑑賞。


この日は同館のマチネデーなので、入場料金が7ポンド!

映画は、イタリアを舞台に、現地でガイドをしているアメリカ人男性(アイザック)と、

一組のアメリカ人夫婦(ヴィゴ&キルスティン)が出会い、

詐欺罪で探偵に追われているヴィゴが誤ってその男を殺めてしまい、

アイザックの力を借りて逃走するという物語。

異国の地を舞台にした二人の男と一人の女の殺人絡みのサスペンスとは

なんだか『太陽がいっぱい』みたいな作品だなあ、と

思いきや、やっぱり原作はパトリシア・ハイスミスでした。


ヴィゴに死んだ父の面影を感じ、彼の逃亡をサポートするアイザックという、

疑似父子愛を描いた作品で、しかしそこには父性のようなものはなく、

ダンスト演じる妻もなんだか気の毒なだけで、このストーリーの割には

スリルに欠くという。もう少し面白くなりそうだったけど、ちょっと寝た。

脚本家(『ドライヴ』の人)の監督作という典型的な例でしょうか。


その後、再びポートベローマーケットに向かう。

この日は平日なので閑散としていて、出店の数も少ないが、

実はイギリスを代表する老舗のCDストア、

ラフ・トレードのウェスト店があったのに

前回スルーしていたので、ちょっと物色。

店舗は狭いけど、品揃えは良く、同店がプッシュしていた新人ドリームポップバンド、

Elephantのアルバムを購入。特典として5曲入りのCDが付いてきた。

店員がいい感じの訛りで、いやあイギリスだなあと感慨もひとしお。


一旦ホテルに戻り、荷物を置いてから、Slowdiveのライヴを観に、

Village Undergroundに向かう。

駅からの道順が複雑で、一瞬焦るが、なんとか開場の1時間前に会場到着。

以下は、前回のブログに書いた通りです。


ライヴで胸がいっぱいになり、Tシャツを二枚購入して、

ホテルに帰る。


そういえばライヴ中に、「復活後今日が二回目のライヴだ。

昨日もライヴをやったからね」とメンバーがMCで語っていて、

なんのことだ? と思って調べてみたら、Slowdiveのメンバーが運営する

レーベルのアニバーサリーライヴが開催されたのだが、

前日にSlowdiveの出演が発表されたという。

チケットはあっという間に売り切れ(会場はキャパ200程度のハコだ)。

まさかロンドンで他にライヴをやるなんてまったく予期していなかったので、

まめに情報収集をしていなかったが、

もう一回彼らを観るチャンスがあったのにそれを逃したとは!

と、自分の詰めの甘さを呪った。うーん、悔しい……。

それにしても、イギリスはアメリカみたいな実用的かつ良質な

音楽情報サイトがないのも困りものでしたが。



(続く)