遅い夏休みをもらいました⑨ 終 | 松村マサル子の日常に訊け!

松村マサル子の日常に訊け!

役者・松村マサル子の日常で起こったことや感じたことを綴ります

最終日 14:00
いつだったっけかな、昔所属してた劇団で小さい公演を打ってさ。その規模に合わせて、打ち上げもこじんまりと小さい店でやったコトがあンのね。フツーに焼き魚を出してくれる店で。そン時に話題になったのよ、キレイに骨をよけて魚を全部食える男はカッコいい。そンな感じ。
いっくら新鮮な魚の揚がる港を備えてるとは言ってもだ、さすがに2晩続けて刺身を食えば焼き魚も食いたくもなるって。下田駅前の賑わってる定食屋でね、こういうバカデカい魚で遅い昼メシを取って。ま、店内が混ンでるからってしばらくないがしろにされたけどね、「あれ?お客さんが待ってないか?」って。
美味かったからまぁいいや。だけどかなりクリーンなこの皿を見てね、かつてのトークを不意に思い出したね。
さぁて、帰りましょ。下田からの長丁場、薄っすらと愛着のある伊豆急、あんま休めなかった旅もそろそろフィナーレの時ですわ。
この祭り期間限定なのかね、駅構内は朝から江戸の商売人があちこちにいたのね。この画像、奥の方で記念撮影してるし。あぁ、手前のこのイケメン岡っ引きも如何にもやね。劇団かプロダクションに所属してる役者なのかな。ま、場の賑わいの一役ではある。
で、その下田駅で俺を待ってたのがコイツだ。そうだよ!そういうコトなンだよ!俺がクルマで来なかったのはそういうコトなンだよ!帳尻合わせのように最後に乗れるってのはアリですよ。旅の思い出的な。
あ~、パンフに載ってる通りやなぁ。オーシャンビューな座席、そういうコトなのよ。気持ちいいわぁ、俺はこういう旅にしたかったンだよ。全然OKだよ、バリバリOKだよ。
あ、見ず知らずの人を横から撮っちゃったけどね。宿で癒されなかったから途中で寝ちゃったけどね。横のおネーちゃんに寄っかかられちゃったけどね。
まぁまぁ、とにかくもう帰りましょ。JRの湘南新宿に乗り換えて、後はずっ~とコレに乗ってりゃいいンだから楽ですわ。どれ、また文庫本でも読みますかね。
そンな時だよ、不穏なアナウンスが車内の空気を切り裂きやがったのは。
「え~、この先で人身事故がありまして、鶴見駅でしばらく停車致します」。…マジか?「ご迷惑をお掛けしますが」、ホントに迷惑だって!20時前に着いて翌日に備えて早く寝る、そンな俺のプランをどうしてくれンだよ!ただでさえ長丁場な電車なのに。
「復旧に1時間を予定しております」。お~い、何も最後にこういうアトラクションを用意してくれるこたぁねぇじゃん。だけどこの駅じゃどうするコトも出来ねぇし。そらぁ改札近辺は人が押し寄せるわな、エラい騒ぎですわ。
だけど俺みたいな長丁場な人間はどうしょうもないし、ただただ復旧を待つしかないワケで。だったら外に出てタバコ1本いっとこうかなぁ。そンな雰囲気でもないのね、窓口の空気が尋常じゃないのよ。はぁ、しゃーねー、また文庫本出そうか。
幸いなコトに30分くらいで動いてくれてね、予定通りに湘南新宿のままだったンだけど。「この先、向かって左側で現場検証をやってますので。気分を害する可能性もあるので、あまり見ないようにして下さい」。あ~、ブルーシートカブせてるねぇ、アレが迷惑掛けやがったバカがちぎれて寝てやがンのか。こうなったら害するコトもねぇだろうけど。ま、念のためにね。
ってなコトがあって、無事21時半くらいに籠原駅に帰還しましたよ。マジでやれやれですよ、全然休ませてくンなかったわ。最後までさ。ま、コレも旅の醍醐味ってコトで、何が起こるか分かンないアドリブ対応ってコトで。
結局、今回の2泊3日の旅の話も合計で9回か。最後までお付き合いありがとうございました。