遅い夏休みをもらいました⑤ | 松村マサル子の日常に訊け!

松村マサル子の日常に訊け!

役者・松村マサル子の日常で起こったことや感じたことを綴ります

2日目 12:00
昨日の続き。静かな海を見ながらゴロゴロすンのもいいンだけどさ、やっぱ貧乏性なのかね、少し動きたいなって思っちゃうのね。この下田の海岸、3kmくらいのハイキングコースがありますよ、昨日の画像のトコにそンな地図があったのよ。
ほう…、ソレもアリかな。距離は大したこっちゃねぇけど何しろアップダウンの激しい土地、朝メシを消化するにゃちょうどいいかもな。っていうか、ただ休ンでいたかねぇンだよ、俺は。
…しかしナンですな、やっぱ運動不足はいけませンよ。完全に山道、標識があるからやっとコースだと分かるって話。先達が踏みしめたから道になったってだけの山道。コイツぁキッツいわぁ…。
カンタンに息が上がる自分がヤだね、男としての自己主張が出来ない感じになるね。おっかしいなぁ、10年くらい前まではフツーに舞台上で脱いでたンだけどな、脱げるだけの体だったンだけどな。
ええ、コレからはまた鍛え直しますよ、表現として脱げる体を作り直しますよ。だけど今はカンベンですわ、荒っぽい道の先に見えた海、ソレに「もうすぐ到着するンじゃね?」って期待っつーかゴールを待ち望ンでる男でしかないからね。今のアタシはね。
でもこの画像で分かる?雑な下り階段、その上から見た雑木、の先にある海岸、の中にある岩ですわ。ハードな山道のアップダウンの中にあって、こういうロケーションは精神的な救いだね。っていうかさ、だったらやめりゃいいのに。いや、ココでやめたらフツーに遭難になるし。
歩いて汗かいて息が上がって。さすがの30℃オーバー、ロケーションに相応しい炎天下ですよ。山道歩きに相応しい日ですよ。
なンだけど…、あれ?コレっておかしくね?険しい山道にトンネルだの人家だのはあっちゃいけねぇだろ。いや、途中でアスファルトがあったけどすぐに山道になるだろ、そうと思ってたらすっかり公道になっちまって。完全に外れちまったね。地図でコッチだと思ったンだけどなぁ。それとも「ムリッスわ」って内なる意思が勝手に働いたのか。
まぁ、自分の嗅覚を信じて歩いてりゃ着くべきトコに着くだろ。そう思って歩いてたらさ、やっぱ思った通りだ、いきなりキレイな海が目の前に広がりましたよ。
おおぉ~!天気のせいだけじゃないわ、マジでキレイな海だよ。多分マイナーな海岸なンだろね、人が踏み荒らしてないだけにキレイなンだろな。
で、この海に出る脇に地図があって。そうそう、こういうのがアッチのコース入口にもあったンだよね。えと…。あぁそうですか、現在地のココがゴールになるですか。何ンか…、何ンかだなぁ。
こういうのを結果オーライっつっていいのかね?途中でサボッたのにおいしくゴールしちゃったような、変にズルしたようなヤな気分だわ。もう今更キチンとゴールするつもりはなかったのにさぁ。
しかしまぁナンですな、このキレイな海を見てるとそンなこたぁどうでもよくなってくるわ。小っちぇぇ小っちぇぇ、雄大でピュアな大自然を目の前にして、そのレベルの「う~ん…」なんざモノの数じゃなくなるね。やっぱ自然は偉大だわ。
ただね、ソコで思うのさ、来たからにゃ帰らなきゃなンない。元来た山道はとてもとても、土地勘のない平地ルートで帰れるモノなのか?
ええ、めっちゃ時間かけて帰りました。凄げぇ不毛なコトをやってるとは言わねぇよ?ムダに疲れたとは言わねぇよ?充実した時間を過ごしましたよ?ええ、過ごしましたとも!ええ、何も間違ってないですとも!