遅い夏休みをもらいました③ | 松村マサル子の日常に訊け!

松村マサル子の日常に訊け!

役者・松村マサル子の日常で起こったことや感じたことを綴ります

初日 18:15
テンション高いオーナー運転のバスで辿り着いたのがココ、古民家を改造したっていう旅館。ほほう、面白いねぇ、風情があるじゃん。うむ、いいセレクトだったな。
ただココね、45°あンじゃねぇかってくらいの凄まじい坂の頂上に位置してさ。確かに初見だとヤバいかも知ンないな、歩こうと思ったら「何ンじゃこりゃ!」になったかも。言われるままに送迎してもらって正解。
中に足を踏み入れると古民家感全開、コレは面白いわ。ま、軽く演出過多なモノも感じるけどね、ムリに骨董ネタを飾らなくても踊り場のあるストレート階段で歴史は分かるのにって。うわべを取り繕っただけのダメな芝居を思い出しちゃうって。
ココね、実は当日に予約したのね。前日に目ェ付けたのに電話に出なかったってトコなのよ。ま、最終的に繋がったから問題はないけど。
初日はココで夕飯をいただいて翌日は地元の飲み屋を、そういう流れで。こういうシチュエーションでのメシって悪くないな、明日もそうすりゃよかったかな。
「お夕飯なンですが、18時半を予定しております」、…は?あの、あと10分しかないンスけど。その前にフロ入りたいンスけど。長ブロの俺としては1時間半は欲しいトコだけど、せめて19時にしてくれよ。
「…では、御都合よくなったら内線電話をいただけますか」。無言の圧力やね、とりあえずは言い分を飲ンでやるけど出来るだけ早くせぇや、っていう。このフロントのアンちゃん、若いせいか融通が利かねぇっぽいわ。まぁまぁ、出来る限りはね。
旅に出た時のお約束、捨てられる服で来た俺だ。せっかくだから記念撮影して最期を見送ってやろうと思ってね。ましてやこのパンツ、玉受け部分が破れていたっていうかなりの記念。やっぱ撮ってやンないと。そうこうしてるうちに時間が過ぎてさ、時間に追われながら軽くザブンと。忙しいな、おい。
そのフロも貸切状態、この札を出して入れって。時間に追われてて貸し切りもねぇモンだ。
つまりはさ、この日の宿泊客が少ないからこういう処置になったワケだわな。かと言って、女性客もいるから線引きをしないワケにもいかないって。
まぁいい、今回の条件、部屋で夕食を食べるって部分はいいよね?酒飲みにとっての夕飯はツマミ、延々飲み食いするモンだからね。「ハイ、こちらの部屋に用意しております」。
…おい、そういうモンじゃねぇだろ。確かに海らしい鮮度いい魚と黒はんぺんの鍋を出してくれたけどさ、俺は飲ンだくれてダウンしてぇンだって。テメェの部屋じゃなかったら意味ねぇじゃん。
宿泊客がいないからこういう措置になったワケだろ?そういうのはいらねぇンだって、俺は放っといてもらいてぇンだって。
2時間経過。「そろそろお済みですか?」。済ンでねぇって!放っとけっつってンじゃん!分かった、後始末をしてぇンだな。だったら大筋は片付けてくれていいや、だけどツマミとして鍋だけは俺の部屋に持ってかせてくれ。「いえ、ソレはちょっと」。
もうええわ、勝手にしてくれ。シャレ抜きで融通利かねぇアンちゃんだぜ、ココを選ンだ意味ねぇじゃん。部屋で食べるって意味が違げぇって。まいったね、マジで。