遅い夏休みをもらいました② | 松村マサル子の日常に訊け!

松村マサル子の日常に訊け!

役者・松村マサル子の日常で起こったことや感じたことを綴ります

初日 17:30
あのね、この調子じゃこの旅日記がいつまで掛かるか分かンなくなってきたからさ、このシリーズは冒頭に日付とそン時の時間を入れるコトにしましたわ。この手の話ってどうしても長くなっちまうンだよねぇ、前だって1日1ネタじゃ済まなかったし。今回はもっと長くなりそうな雰囲気。
まぁ、旅の土産話ってなぁそういうモンさ、話したいネタが山盛りになるモンよ。今までは泣く泣くボツにした話もあったけど、今回は全部やるぜ。2泊3日の旅、果たして何日で語り終わるか分かンねぇけど全部書くぜ。自分の欲求を満たしてもらうぜ。俺の知ったこっちゃねぇぜ。
「いえ、タクシーじゃなくバスで来て下さい。ナビを使って歩く?とんでもない!」、下田の5つくらい前の駅、通過待ちで今回の宿に電話したらそンなコトを言われてね。当日に予約した宿、どうやらそういうトコにあるらしい。でもさ、タクシーを使っちゃダメ?とにかくバス推し?…よう分からン。
まぁいいや、郷に入りては郷に従え、ルールに則ってこそのゲーム、毒を食らわば皿まで。とにかく乗っかってみようじゃねぇの。
はぁ~、こういう路線バスも久し振りだなぁ。昔の肉体労働時代を思い出すわ。基本的にゆりかもめでお台場なンだけど、たまにバスでしか行けないような内陸エリアに行かされてさ。仕事を終えて夕方のバスでレインボーを渡る時って、こンな感じに夕暮れでこンな感じにのんびりしてたっけか。「オーディションがないから今日はのんびり帰れるわぁ」みたいな。こンなコト思ってたからずっと売れない役者なンだよな。
だけどさ、下田って街はガチで山の街なンだね。山を切り開いて造成したような道路をずっと通ってると、どうしてもそう感じるわ。
俺の前に会社帰りらしきおっちゃん、最後部に中学生らしい男の子。時間帯のせいだろうな、このバスの乗客は3人だけ。だけど例えば2時間前、思うに乗客はもっといたンだろうな、って。何ンつーのかな、生活の匂いを感じるのね。この土地のね。
大学の社会学だったか哲学だったか、一番の勉強は海外旅行だって教わったのよ。別に海外でなくてもいいンだろ、自分の地域以外のトコに行きなさいってコトだね。自分の知ってる生活・風習以外のモノはその地域に行かないと分からない、ソレを学びなさいって。
あのね、湘南新宿の電車でも感じたのよ、海に近いトコの住人にゃソレ相応の生活があるンだなって。俺みたいに海ナシ県の人間にゃ分かンない生活だなって。一種の異文化交流、そういうコトじゃね?こういうのって俺は好きだね。まさに郷に入りては、ってコトで。
宿指定のバス停に着きまして。バス代、¥520!?そンなに乗った!?そっかぁ、そらぁタクシーはやめろっつぅわな。フツーじゃありえねぇバスの金額だわ。歩くなんざ、とてもとても。甘く見てたのね、地のコトは地の人が一番分かってるってこったね。ウン、いい勉強ですわ。
さぁて、こっから宿の送迎バスが来てくれるンだとか。ココまで来たら歩きたいンだけどなぁ。まぁいいや、電話しときましょ。郷に入りては、ってコトで。