監督 新藤兼人
出演 乙羽信子
殿山泰司
戸浦六宏
横山リエ
大泉滉
森本レオ
伊丹十三
青森の寒村
男は出稼ぎに出る
女は寂しい冬を過ごす
寂しさと貧しさは悲劇を生む
この種の事例は枚挙にいとまがない
1971年
青森の繁華街でラーメン屋を営む信子
客足はまばら
周りの村では過疎が進む
中学校は廃校寸前
教師の妻はノイローゼ
夫泰司64才は定職を持たず
体調もすぐれず
体裁は悪いが生活保護を考える
出稼ぎに出たまま夫の帰らぬ女は
子供と共に体を売る
妻信子が店をしているなどから
福祉事務所から生活保護は無理
形だけ籍を抜けば受けられるが
八月十八日
泰司は知人と名古屋へ出稼ぎに出る
そして
横浜に移るとの連絡の後
行方不明になる
9ヶ月後
泰司の写真が
身元不明死者便覧中から発見される
信子は警視庁大井警察署へ遺体を引き取りに行く
そこでは遺体の所在は判らず
港区役所へ行って聞けば
慈恵医大で解剖実習の検体になっていると言う
身許の確認を怠ったとして
信子は裁判を起こす・・・
実際にあった裁判を基にした映画
裁判の模様を50分かけて丁寧に描く
裁判は大変だ
傍聴するだけでも体力がいる
良くも悪くも
それぞれの人に
それぞれの立場がある
1974年 日本公開 129分