「 ユメ十夜 」 | 0・・映画toほげほげ

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★映画のほげほげ等、気まぐれ備忘録★

  " ユメ十夜 "


 

原作 夏目漱石 「夢十夜 」

  オムニバス映画

 こんな夢を見た

第一夜 
監督 実相寺昭雄
出演 小泉今日子

 

私の墓の傍に坐って待っていて下さい
屹度逢いに来ますから


 映画は導入部を付け加え、時間の歪みを幻想的に描く
 原作とはかなり 違う


第二夜
監督 市川崑
出演 うじきつよし

お前は侍である
侍なら悟れぬ筈はなかろうと和尚が伝った


 原作にほぼ忠実だがエンディングが違う


第三夜
監督 清水崇
出演 堀部圭亮
   香椎由宇

 夏目漱石には子供が8人
 
 7番目の子は生後1ヶ月で死亡

只背中に小さい小僧が食付いていて
其の小僧が自分の過去、現在、未来を悉く照して
寸分の事実も洩らさない鏡の様に光っている


 映画は漱石が妻から夢を聞かされ、その続きの夢を見る
 そこそこ 原作に近い


第四夜
監督 清水厚
出演 山本耕史
   菅野莉央
  
今に其の手拭いが蛇になるから
見て居ろう
見て居ろう



 自分の過去の初恋を旅する話として脚色
 ハーメルンの笛吹き男も絡めて
 原作から かなり離れている


第五夜

監督 豊島圭介
出演 市川実日子
   大倉孝二

自分は死ぬ前に一目思う女に逢いたいと云った
大将は夜が明けて鶏が鳴く迄なら待つと云った


 化け物が出て来るホラーとして脚色
 時代が現代になっている
 原作の面影は あまりない


第六夜
監督 松尾スズキ
出演 阿部サダヲ
   TOZAWA

あれは眉や鼻を鑿で作るんじゃない
あの通りの眉や鼻が木の中に埋まっているのを
鑿と槌で掘り出す迄だ


 コメディに作り変えてあるが割と原作に忠実
 阿部サダヲが生き生きして面白い


第七夜
監督 河原真明
   天野喜孝
アニメーション

此の船は西へ行くのですか
落ちて行く日を追懸ける様だから



 ファンタジーとして脚色
 映像がすばらしく美しい


第八夜
監督 山下敦弘
出演 藤岡弘

床屋の敷居を跨いだら
白い着物を着てかたまって居た三四人が
一度にいらっしゃいと云った


 原作では印象の薄い章
 映画はでっかいミミズの出て来るまるで別の話になってる
 原作とかするのは1mmくらい


第九夜
監督 西川美和
出演 緒川たまき
   ピエール瀧

けれども縛った子にひいひい泣かれると
母は気が気でない
御百度の足が非常に早くなる


 父を加え話をふくらます


第十話
監督 山口雄大
出演 松山ケンイチ
   本上まなみ

けれども仕方ないから
近寄ってくる豚の鼻頭を
一つ一つ丁寧に檳榔樹の洋杖で打っていた


 パロディーぽいコメディー
 二人ともよくやるワ


プロローグ・エピローグ
監督 清水厚
歌  山田タマル
出演 戸田恵梨香




 第六夜と第七夜が白眉



   原作は夏目漱石には珍しい
   サラサラと読めるショートショート
   短いけど心に刺さる



   忘れてしまいたい事でも
   覚えていなきゃいけない事がある


 $0・・映画toほげほげ-ユメ十夜

2007年 日本映画 110分