口コミの誘導4 | 経営コンサルティング《ここだけの話》高野聖義

経営コンサルティング《ここだけの話》高野聖義

経営コンサルタントが語るビジネス情報。医療機関の医療コンサルティングにまつわる「ここだけの話」や、最新ビジネス事例について解説。

眼科医院、歯科医院の医療経営コンサルタント 高野聖義(昌則)です。


口コミの発生要因として、患者さんが医院に対して満足感を得られているかということがポイントとなります。その中で不安を払拭していく必要があります。


ある医院で、眼瞼下垂の手術件数を増加させようとしている医院がありました。しかし、思うように眼瞼下垂の手術数が増加しませんでした。


理由は簡単です。医師の目から診断を下し、手術を勧めても本人に手術をしてまで治療したいと実感させられなかったら、手術件数は増えません。
しかし、前回も書いたとおり、大多数の方がその手術をいいものであると認めているような状況が起これば、手術件数は一気に増加します。


たまごが先か、にわとりが先かというような議論となりますが、手術件数が増加していくことで初めて信頼性が増していくのです。


この際に理解をしていただきたいのは、患者さんの心理です。


眼瞼下垂を例に取れば、高齢の患者さんはほとんど眼瞼下垂の症状を持っています。治療をしてもいい患者さんが多くおられます。


しかし、白内障の手術をした後に眼瞼下垂まで手術をしたいと考えるかどうかです。生活に支障を感じていない患者さんに眼瞼下垂の手術を勧めてもなかなか手術を受けようという心理状態にはならないのです。


白内障手術後は生活が変わるくらい良く見える環境が作られます。そのような快適な生活環境が得られたあとに眼瞼下垂を薦めても、手術を受けようという気持ちにはなりにくいのだと思います。


その手術は何を行う手術なのか、何を改善するための手術なのかということを明確にし、患者さんに理解していただくような工夫をし続ける必要があります。