モネとドビュッシー | Paris暮らし
ただいまオルセー美術館の本を翻訳中で、
「ネオ印象派」と「印象派」と「ポスト印象派」の違いは何?
(ややこしい!(笑)とか。)

「アカデミー芸術」と「写実主義」と「アールポンピエ」の違いって何?
(というか、それは、つまり同じことだということが解ったり。)

頭の中がアートでいっぱいな数日です。

モネで有名な印象派の作品は、当時
写真っぽくそのまま現実的に絵画にした作品よりも
現代的な表現とされていて、
最初は、全く受け入れられなかったり。
後年は時代によって、ものすごく印象派が評価されてみたり。
 
いや、もっと写実っぽいリアルな感じが
やっぱりいいという評論家がいたり。

芸術というのは、そもそももっと夢や神秘的な表現があった方がいいからと
サンボリズム(象徴主義)なんていう、ギュスターブ・モローなんかが
評価されてみたり。同時に文学の世界、建築の世界でも
同じ流れを汲む作家が現れたりしているので、
一つの作品を深く理解しようとすると、
いろんな世界と繋がれるのが面白いところ。

ちなみに、この印象派、なんとか派。
というのは、芸術史と音楽史がリンクしていることが多いのですが。
おもしろいのは、まず芸術→その後音楽
という順番で出て来ることです。

でもまあ、こういう何派というのは、
実は、本人が望んで「僕は何派です。」と名乗り出るのではなくて、
たいてい、本人はいやがっているけど、
マスコミや批評家がつけることが多いらしい。

一番解りやすく、有名な
モネの睡蓮は間違いなく印象派 なわけですが。
(あの、いろんな色が重なっているちょっとぼんやりした感じですね。)

音楽は少しだけ遅れて作曲された
ドビュッシーの作品等を代表的な
印象派の作品と呼んでいます。

ドビュッシー等の印象派の作品を演奏するなら、
まずオランジュリー美術館やマルモッタン美術館に
モネの作品を見に行きなさい。と、言われる程に、
芸術と音楽はリンクしていて、
実際に演奏する最中も、絵画の色や光を感じながら、
想像しながら演奏したりするのですが、
当の本人である、ドビュッシーは、
当時のインタビュー等で、

「印象派ってなんだ。僕には関係ない、いい迷惑だ!」と
言っていたりするようで、このあたりは、
本人の意思ではなく、ある意味自然発生的になのか、
マスコミや評論家が煽るせいなのか・・・・
よくわからないのですが。

私は、自然発生説が面白いのではないかなと
いつも思いながら、その関係性を研究しています。

どこかの猿が、芋を水で洗ってから食べると美味しいということを知ると、
どういうわけか、ずっと離れた所に住んでいる猿も話したわけでも
メールしたわけでも、電話したわけでもないのに。(笑)
少しすると、芋を水で洗い始める。という100匹目のサル現象のように、
人は生き物として繋がっているので、
どこかで一つの才能が溢れ出すと、同じ種族である人間の別の才能のある人に
似たような作用があるのでは・・・・という考え方が一番面白い仮説なのではと思っています。
まあ、実際にその作品を見たり読んだり、
聞いたり、時代や環境で似たような作風が生まれるのでしょうけれど。

芸術も音楽も結局個人の好みですから、
誰が一番芸術家としていいのかなんていう
論争が、常にあるのは、ある意味馬鹿げているなあと
思うのですが。

少し、こういう芸術と音楽、
芸術の歴史等を知ってから絵画を見ると
だいぶ楽しさが増しますよ。

ドビュッシーのピアノ作品に
水の反映という作品があるのですが。→
こんな作品をiPodに入れて、
一人でオランジュリー美術館のモネの部屋に行くなんて
かなり贅沢な時間になることでしょう~。

まあ、何の知識もなく
ただ好みだけで美術館を見て周り、
気に入った作品の前でぼーっとする。
というのが、一番正しい美術館の楽しみ方かな。とも、
思うのですけれど。

芸術のことをいろいろ考えていたら、最近は
美術館に行きたくてうずうずしています。

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これは、ルーブル。
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確かメソポタミア時代の壁画です。
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