お墓本体の価格(外柵・墓前燈籠などを含む)
お墓はお墓本体と舞台・外柵(地域によって呼び方が多少違います)などに分かれます。その他墓前燈籠、小物置なども含めます。
都心の0.81㎡以下の墓地であれば外柵を回すスペースも広くないのでほぼお墓本体の価格を考えればいいでしょう。
お墓の小さな地域は国産材、お墓が大きな地域は輸入材が主流です。
日本で一番お墓が大きい(個人の家のお墓)富山県の東部(呉東という)では仏石は1.2尺以下のお墓などほとんどありません。
関東の平均仏石0.8尺のお墓の5倍以上の石が必要になります。また敷地も最低でも二坪(畳四枚分)はありますので外柵もかなりの量の石を使います。
お墓の小さい地域では国産材などを中心に使い、お墓の大きな地域では中国材などを主流に使用します。もし富山県の東部のお墓を庵治石で作ったら(庵治石は大きなものが取れないので物理的には不可能ですが)お墓本体だけでも2000万円はすると思います。
国産材がいいのか、輸入材がいいのか?
私の経験から申し上げますと、石を見て「おっ、庵治石のお墓だ、高かったやろうなあ」とか「な~んだ、603か、もっと良い石でも使えばいいのに。」などと思う一般の人はいません。
それどころか庵治石とG603のお墓を並べて「どちらが好きですか?」と聞いたら「庵治石」と答える人は100%ではないと思います。それどころか「庵治石」特有の「斑(ふ)」を「まだらで好きじゃない。」と言われたお客さんがいました。
聞いた後で「庵治石」はG603のほぼ10倍の価格だと言ったらとてもビックリされていました。笑
消費者は「赤い」とか「黒い」などの判断は出来ますが、「国産材」と「中国材」の区別もつかないのです。ここが悪徳業者の狙い何処なわけです。
それでも良い材料を使う人はいます
石に関して何も違いの分からない方が石材店の展示場で担当営業から説明を受けて初めて石の価格にこんなにも違いがあるという事が分かります。
お墓の格好さえしてればどんな石でもいいと言う人以外は綺麗な石を見ると使いたくなるもんです。また国産材にこだわりのある人なども中国材の倍の価格でも国産材を使用されます。
実際、大島や状態の良い真壁などは2、30年たっても風化しません。営業マンとしてお客様に勧めたいのは外観が長年変化しない石です。
中国材の中には数年で色落ちしたり水はけが悪いものがあるので、正直なところ紹介したくないのが本音です。それを価格を吊り上げたと勘違いされる場合もあります。
ただ中国材でも中にはそこそこ使える材料もありますので予算に合わせて選ばれるといいですね。
迷うのは等級の種類
国産の有名な石には「等級」があります。庵治石は細目・中細目・中目の他に黒口・白口や丁場の違いにもよりたくさんの種類があります。大島もいくつもの種類があります。
その等級によってかなりの価格差があって、それを全部把握してる人はなかなかいません。先にあげた大阪の石材店が「産地偽装」した大島の事件のように石材店に入る前に偽造されたら知識の無い営業ならコロっと騙されてしまいます。
そういう中で本物を手配するには通常時以外に多くの箇所に手配が必要で経費もかかります。高級石材を使用する場合はかなり注意する必要があります。
高級石材は「石目」を合わせる為に歩留まりが高くなります。分かりやすくいうと使用できない部分が多いという事なんです。
まとめとして
国産材は等級があって良い材料を手配するには目利きが必要であるし、信頼できる石材店に頼む必要があると思います。
最近はテレビのコマーシャルにも石材店のCMが流れていたり彼岸やお盆セールなどの時期には新聞にチラシなどが入ってきます。
中には国産材を主に扱っている事をアピールしてる石材店もあれば、中国の安い材料を宣伝の中心にしてる石材店があります。
消費者の方は自分のめざす石材店に近い店を選ぶといいでしょう。
ここまでは国産材の価格の説明をしてきたわけで国産と外国産の比較でしたが、これからは同じ材料を使うのになぜ価格が違ってくるのか?について説明していきたいと思います。