おとなの遠足、恒例開運ツアー | << 真菜板だより >>

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池袋「味里」、高田馬場「真菜板」、鳥取県智頭「うどん家&真菜板」と47年間の日本酒人生の最終章は長野県諏訪にて幕を開けました。
個性豊かな日本酒、とくに無濾過生原酒にこだわって、料理と酒のマリアージュを楽しむお店です。

番頭のばんです。
どうも、たいへんご無沙汰いたしております。 << 真菜板だより >>-杜氏と酒母室にて << 真菜板だより >>-発酵タンクを覗き込む

春といえばお花見ですが、真菜板でお花見といえば・・・
そう、毎年恒例の「開運ツアー」です。

開運ツアー、といってもパワースポットめぐりではありませんよ!
真菜板でおなじみの名酒「開運」をつくる土井酒造場さんの蔵を訪ねて、
蔵見学とお花見とで楽しい時間を過ごそうという。
いわば、おとなの遠足ですね。今年も行ってまいりました。

前日の嵐がまるでウソのように、明るく晴れ上がった日曜日。
「不要不急の外出を避けて・・・」という気象庁の予報をあざ笑うかの
ようなみごとなお天気になりました。

朝も早くから真菜板前の路上に続々と集結する酒のみ集団。
目指すは静岡県掛川市の土井酒造場。
チャーターしたバスが発車するやマスターに合わせて鬨の声
ならぬ乾杯の大音声でビールを飲み干すのが毎年の恒例です。

バスに揺られること3時間半、のどかな里にある開運の蔵に到着。
蔵の門にかかる開運のシンボルともいうべき立派な桜の木には
すでに<< 真菜板だより >>-土井社長と杉田さんの漫才? 数えるほどの桜の花しか残っていませんでしたが、
なあに、開運の桜は杯の中にあるじゃありませんか。
まったく問題なしです。

今年も若き杜氏・榛葉さんのご案内で蔵を見せていただきます。
もう最後のタンクの仕込みになるというシーズン終わりの蔵の中は
新酒の香りであふれていました。
タンクの中でフツフツと発酵するもろみは、何度見ても感動しますね。
長い時間と多くの手間をかけてお米がおいしいお酒がなって
いくさまを見せていただくと、美味しいお酒を飲める身の幸せに
改めて気づかされます。

さて、母屋の広いお座敷にお邪魔して、試飲とお昼ご飯を兼ねた
宴会の始まりです。まずは無濾過純米で乾杯。
いつも以上においしい無濾過純米に、毎年お世話になっている
掛川の宝鮨さんのお刺身があいまってシビレルおいしさです。
ずらりとならんだ開運のお酒をはじめ、お料理や静岡のフレッシュな
イチゴやトマト、三之助の豆腐などなど、これでもかというほどの
大宴会です。

土井社長とは数十年来のおつきあいというマスター。
はじめこそゆったり飲んでいましたが、だんだん調子が上がって
きて座敷中を飛び回り、最後の挨拶の頃には土井社長と二人で
ほとんど掛け合い漫才のようなトークを繰り広げておりました。
いくつになっても茶目っ気のあるお二人、微笑ましかったですよ。

名残惜しいのは毎回の事ですが、バスの窓から大きく手を振って
土井酒造さんのみなさまにお別れ。
帰りのバスでは蔵の余韻に浸りつつ東京までの長い道のりを飲み
続けるのも、またいつものこと。

珍しいことに東名高速の渋滞が全くなかったのはラッキーでした。
思えば朝9時から12時間呑み続けという、まるで耐久レースのような
おとなの遠足も、こうして今年も無事終わりましたとさ。

こんな私たちを温かく受け入れてくださる土井社長と奥様、弥市専務、
榛葉杜氏はじめ蔵のみなさま、本当にありがとうございました。
今後とも末永くよろしくお願いいたします。