お姫さまだっこ | 手探りの毎日

手探りの毎日

9歳の長男Gと6歳の次男Kの2児の母、モコモコモコが
子育てとは…、仕事とは…、夫婦とは…、女とは…、
について、回想する、(自称)エッセーです。

夕方、一通りの家事を終えて、子供たちがお風呂に入っている間に
ソファで寝落ちした私。

息子たちがお風呂から上がったのを意識の遠くできいていました。

「あ、おかあが寝てるよ…」

と2人でささやき合った後、何やらこそこそしているなぁと
ぼんやりと思ったものです。
そのとき、息子たちは私のおふとんを敷いてくれていたのです。

寝ているソファに来た息子たちは、私をふとんまで運ぼうとしました。
まず、リビングの照明を電球色に落として、
そおっと私をお姫さまだっこ…。

「うぅっ、重っ!」
「おかあ、眠っているところごめんね、少しだけ座ってくれる?」

私はまどろみながら起き上り、ソファに座りました。

「おかあ、そのままでいいからね」

再度、息子たちは2人がかりでお姫さまだっこ。
やっぱり、重くて持てません。

「おかあ、ワシたちが抱っこするから、少しだけ歩いてくれる?」

私はお姫さまだっこされたまま、いや厳密には肩だけ2人の息子に預けて、
眠ったそぶりを維持しながら、足だけ動かして前に進んだのです。
それは、あの「エクソシスト」さながらの光景でした。

「おふとんに寝ていいよ」
「ん、かけ布団がないみたいだよ」
「おかあが寝たら、ふんわりとかけてあげるよ」

2人はそっとおふとんをかけてくれて、
部屋のドアを静かにしめてくれました。

じんわりと、ほんわかして、そのまますぐには眠らずに
まどろみながら、私は余韻を楽しみました。