夕方、一通りの家事を終えて、子供たちがお風呂に入っている間に
ソファで寝落ちした私。
息子たちがお風呂から上がったのを意識の遠くできいていました。
「あ、おかあが寝てるよ…」
と2人でささやき合った後、何やらこそこそしているなぁと
ぼんやりと思ったものです。
そのとき、息子たちは私のおふとんを敷いてくれていたのです。
寝ているソファに来た息子たちは、私をふとんまで運ぼうとしました。
まず、リビングの照明を電球色に落として、
そおっと私をお姫さまだっこ…。
「うぅっ、重っ!」
「おかあ、眠っているところごめんね、少しだけ座ってくれる?」
私はまどろみながら起き上り、ソファに座りました。
「おかあ、そのままでいいからね」
再度、息子たちは2人がかりでお姫さまだっこ。
やっぱり、重くて持てません。
「おかあ、ワシたちが抱っこするから、少しだけ歩いてくれる?」
私はお姫さまだっこされたまま、いや厳密には肩だけ2人の息子に預けて、
眠ったそぶりを維持しながら、足だけ動かして前に進んだのです。
それは、あの「エクソシスト」さながらの光景でした。
「おふとんに寝ていいよ」
「ん、かけ布団がないみたいだよ」
「おかあが寝たら、ふんわりとかけてあげるよ」
2人はそっとおふとんをかけてくれて、
部屋のドアを静かにしめてくれました。
じんわりと、ほんわかして、そのまますぐには眠らずに
まどろみながら、私は余韻を楽しみました。