恋人兄弟 | 手探りの毎日

手探りの毎日

9歳の長男Gと6歳の次男Kの2児の母、モコモコモコが
子育てとは…、仕事とは…、夫婦とは…、女とは…、
について、回想する、(自称)エッセーです。

この春、それぞれ進級して中1、小4になった長男・次男。
最近、兄弟仲があきれるほど良くて、さすがの私も苦笑いしています。

「兄弟、仲いいよねぇー。学校行くときも、肩組んで歩いてるよ。」

と、近所のいろんな人に言われます。

ついこないだまで6年生だった長男Gは、一応受験生(落ちました…)でした。
まったく危機感がなくてちっとも勉強しなかったGも、
さすがに1月だけは毎日夜遅くまで塾で自習するようになりました。
夫も夜遅くて、平日家にいるのはKと私の二人きり。
普段はおしゃべりが止まらないKですが、Gがいないだけでやや無口に。
私が話しかけても、気のない返事がかえってくるだけです。

さて、受験前日はさすがにGも早く帰宅してきました。
ひさびさにGが早い時間からいることにKは大興奮!
夕食のときもGにしゃべりたいことが止まらず、ずっとケラケラ笑ってました。

ごはんが済むと「Gちゃん、一緒にお風呂に入ろっ!」。
お風呂が済むと「Gちゃん、一緒に遊ぼっ!」。

とめったに使わないおもちゃをひっくりかえしたK。
さすがに私はキレて、

「K!Gちゃんは、明日、受験なんよっ!Kと遊べるわけないやろっ!
 出したおもちゃ、今すぐ片付けなさいっ!」

とKに怒号をあびせました。
ウキウキ気分に水を差されたKは、目をうるませてソファでふてくされ。
GはKに「明日から、また遊ぼうね」と声をかけていました。

そんな様子を見ながら「(KはGがいることがよっぽどうれしかったんだね…)」と
ほろりとした私でした。

だからこの2月・3月のKは、友達との約束よりGと一緒いることを選び、
家で夜中までバカな話をしてもりあがったり、一緒にお風呂に入ったり、
自転車でお出かけしたり、バスに乗っていとこの家に遊びに行ったり、
買い物に行ったりしています。

3月末に、家族で出かけたときも、GとKは私たちの後ろに2人並んで歩いて楽しそうにしゃべっています。
振り返ると、Gのダッフルコートの同じポケットにGとKが手を入れています。

「何してんの?恋人みたいだよ」

と私が言うと、Gが

「だってK君が無理やり入れてくるんだよ!『まあ、いいじゃないの!』って言って…」

Gは嫌がりながらも、Kの手を甘んじてポケットに入れてあげていて、
Kは大変満足そうに笑っていました。