【純喫茶部】蒲田の粋店。琥珀色の「純喫茶 リオ」へ! | ●Malu Cafe●

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はじめまして、Malu Cafe(マルカフエ)です

JR蒲田駅は西口の、

賑やかなサンライズ商店街の一角に

マッチで灯したような、小さな喫茶店の明かりひとつ。

 

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そっと扉に手をかけると、

官能的なジャズに重なり、ワイドショー。

 

「宝田明さんが、出馬を取りやめました」

 

マダムに、こんにちは、と、お声掛けすること三度目に、あらいらっしゃぁい、と、チャーミングな笑顔。お寛ぎのところお邪魔しますとソファ席に滑り込みました。

 

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バーのようなカウンターにテーブル席が複数

なだらかな船底型の天井には
幾何学模様の装飾があしらわれ、
まろやかに光をたたえた飴色の照明に、
品よくまとまった、すっきりモダンな店内。

 

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四人掛けのこじんまりしたソファは

共に在るひととの距離を

うんと縮めてくれそうです。

 

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すごく暑い日だったので、

アイスコーヒーを。

 


ニュースキャスターの声に
アイスピックで氷を砕く音が重なって
こっくり甘い、コーヒーが供されました。

 

TVの電源が落ちると、

ほの暗いこの場所に響くのは

カランカランと踊る氷に頁を捲るささやかな音。そして、ジャズ。

 

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枯れた白色のうすいカーテンは、

賑々しい商店街の人並みを、

遠い記憶のように掻き消してくれます。

 

こういう喫茶店では、さめざめと泣けるような恋物語か、ハードボイルドな小説が似合いそうな気がします。鞄には、「盲獣」と「ダンス・ダンス・ダンス」―2016年に入ってから、「風の歌を聴け」「1Q84」「東京奇譚集」「パン屋再襲撃」「1973年のピンボール」「羊をめぐる冒険」と立て続けに読み返している(「1Q84」は、初)。にわかに高まった純喫茶ブームと合わせて、何かしらを取り戻すような気分でいるのかもしれない。

 

ふと時計を見れば、

小一時間が過ぎていました。

 

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この場所で交わされた幾つもの約束や、ちいさな嘘、なぐさめやあきらめ……かたちにならない誰かの想いが、いつまでも漂っているみたいな切なげな空気。何を語らずとも、此処には、数え切れぬほどの出会いと別れが繰り返されてきたのだろうと感じながら、うすくなったコーヒーを一気に飲み干しました。

 

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(わたくしの手元では、僕が再びいるかホテルに向かうことを決心し、耳の綺麗な女の子にキキという名前が与えられたところです)


大人になるのが待ち遠しくなる、

そういう場所が、まちに必要だなと確信。

「純喫茶リオ」にはもうしばらくこのまま在って欲しいなと、切に願いました。

 

●純喫茶リオ

住所:東京都大田区西蒲田7-49-8

 

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【今後の予定】

●6月27日(月) 第九回マルカフェ美術部×宵町めめ先生コラボ企画

●7月2日(土) 終日貸切

●8月11日(木祝) マルカフェス2016開催!
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