プログラムのご紹介 ~ 「弦楽四重奏のための緩徐楽章」 | クランクレーデ Klangrede

クランクレーデ Klangrede

兵庫県西宮市を中心に、阪神間で活動しています。古楽器の管弦楽合奏と
モダン楽器の室内管弦楽団、二つのアンサンブルを展開しています。

10月5日に開催いたします「ストリングスコンサートⅠ」のプログラム紹介も4曲目となりました。

これまでは、皆様よくご存知の曲や楽しい曲をご紹介してまいりましたが、このあたりでもう少しディープな世界にご案内させていただきたいと思います。

今日ご紹介する「弦楽四重奏のための緩徐楽章」も、作曲者であるヴェーベルンも、あまりご存知ではないかもしれません。
でも、ホントに美しく、ぜひぜひお聴きいただきたい曲のひとつです。

けっしてお手間はとらせません。
ほんのちょっと、この作品のご紹介に目をとめてみてください。
きっと気に入っていただけることと思います♪

♪「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」のご紹介はこちら
♪「おもちゃの交響曲」のご紹介はこちら
♪「ハッピーバースデー変奏曲」のご紹介はこちら


♪ ・ ♪ ・ ♪

弦楽四重奏のための緩徐楽章
作曲:アントン・ヴェーベルン

w


作曲者であるヴェーベルンは、オーストリアの作曲家であり、指揮者であり、音楽学者でした。
この「弦楽四重奏のための緩徐楽章」は、1905年、アントン・ヴェーベルンが22歳のときに作曲されました。
そのころヴェーベルンは、シェーンベルクという作曲家に作曲を学び始めたばかりでした。

ヴェーベルンは、1900年代のはじめ、ウィーンで活躍した「新ウィーン楽派」というの作曲家集団の主要メンバーのひとりでした。
シェーンベルク師匠と、弟子のヴェーベルン、そしてもう一人のお弟子さんのベルク、この3人が「新ウィーン楽派」の主要メンバーです。

この作曲家たちによって、「無調音楽」や「十二音技法」と言われる、それまでにない音の組み立て方や曲の作り方が編み出されました。
この方法で作曲された曲は、バッハやモーツァルト、ベートーベンなどによって作曲されたそれまでの曲とは、まったく違うものでした。

ヴェーベルン後年の作品の多くは、このような技法によって作曲されており、「難解」という人もいます。
ある曲の初演では「聴衆は反応に困って笑い出し」たとも言われています。


でも、今回演奏いたします「弦楽四重奏のための緩徐楽章」はヴェーベルン初期の作品で、後年の作品とは違い、感情豊かでロマンティックなメロディーがとても美しい作品です。
演奏していると、情景が目に浮かぶような、思わず想いがあふれ出してきそうな、そんな気持ちになってしまいます。

結婚相手である従妹に夢中になっているときに書かれたとか、その従妹とのデートハイキングがきっかけとなって作られたとも言われおり、永遠に続くかのような余韻や、とってもロマンティックな雰囲気なのもうなずけます。

10分もないくらいの短い作品ですが、ヴェーベルンの想いがいっぱい込められた素敵な1曲です。
ぜひこの機会にお聞きいただきたいと思います♪


ヴェーベルン楽譜
楽譜には、たくさんのドイツ語の指示。
彼の想いがあふれています♪




クリックお願いいたします



にほんブログ村 クラシックブログ 室内楽・アンサンブルへ
にほんブログ村

にほんブログ村 クラシックブログへ
にほんブログ村


音楽(クラシック) ブログランキングへ