ストリングスコンサートⅠのメインプログラムは、最後に演奏するバルトーク作曲「弦楽のためのディベルティメント」です。
この曲は弦楽合奏曲の中でも難曲中の難曲ですが、演奏会の前半はとても楽しい雰囲気の曲を演奏いたします。
本日ご紹介いたします「おもちゃの交響曲」は、その前半の曲の中でもひときわ聴いていて楽しく感じていただける1曲となっております。
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おもちゃの交響曲 ハ長調
作曲:レオポルド・モーツァルト(エドムント・アンゲラー)
レオポルド・モーツァルト
「おもちゃの交響曲」というタイトルをご存じなくても、お聞きいただければ「あ、知ってるかも」と思われる方は多いかとお思います。
また、子供の頃に幼稚園や小学校などの発表会で演奏された方もおられるのではないでしょうか。
この「おもちゃの交響曲」は、いろいろな意味でユニークな作品と言えます。
そのうち、2つのポイントについてご紹介いたします。
1.登場する楽器について
一般的に、「弦楽合奏」の曲では、ヴァイオリン・ヴィオラ・チェロ・コントラバスの4種類の楽器が登場します。
でも、「おもちゃの交響曲」に登場する弦楽器は、ヴァイオリンとチェロとコントラバスのみ。
ヴィオラは登場しません。
そのかわり、カッコー笛や水笛、たいこやらっぱなど、おもちゃの楽器がたくさん登場いたします。
まさに「おもちゃ」の交響曲です。
クラシックの曲で、こんなにたくさんのおもちゃが登場する曲は、とってもめずらしいんです。
そのおかげで、演奏しよう!と思い立っても、主役?のおもちゃ達をそろえるのが意外とハードルが高く、「どこで売ってるの?」「わざわざ買うの?」と悩んでいるうちに気持ちが萎えて…なんてことも。
今回は、我らが主宰者S氏がどこからどうしたのか袋に詰めたおもちゃセットを持ってきてくれて、なんとか演奏することが叶ったのでした。
2.作曲者は誰?
この「おもちゃの交響曲」の作曲者、チラシやプログラムのご紹介では、「レオポルド・モーツァルト(エドムント・アンゲラー)」と記載しておりますが、作曲者が2人、しかもカッコで書いてあるなんて、かわってる曲ですよね。
そしてさらに、この2名におさまるまでにも作曲者が二転三転している上に、実は、現時点でも確定していないと言われる、とってもめずらしい曲なんです。
いったいなぜ、このようなことがおきたんでしょう?
それは、この曲には作曲者の自筆譜が存在しないことや、この曲の成り立ちに関する資料がなかったことから、なかなか本当の作曲者の確定はできなかったことが原因のようです。
最初のころは、「交響曲の父」とも呼ばれるフランツ・ヨーゼフ・ハイドンの作品ということになっていました。
チェロのY氏によると、子供の頃にはレコードにハイドン作曲と書いてあったような気がするとのこと。
でも、「ハイドン大先生の作品としては単純すぎない?」ということで、次に、ハイドン大先生の弟子であるミヒャエル・ハイドンの作品ともいわれておりましたが、これも決め手がなく。。。
その次に候補になったのは、レオポルト・モーツァルト。
あの有名なモーツァルトのお父様です。
またまたチェロのY氏によると、大学のころ、仲間と初めてこの曲を演奏したときは、レオポルド・モーツァルト作曲ということになっていたとのこと。
でも、レオポルド・モーツァルトはとても厳格な教育者といわれてことから、「イメージじゃない」という意見もありました。
とはいえ、今でも有力な説のひとつとなっています。
そして、最後に。
1992年、新しい発見がありました。
1785年頃、シュテファン・パルセッリという神父様が写譜した「おもちゃの交響曲」の楽譜が見つかり、そこには「エトムント・アンゲラーが、1770年頃に作曲した」と記されていたのです。
エトムント・アンゲラーさんも神父様で、彼の作風や、木製おもちゃの名産地にほど近いところで発見されたことから、今日では、アンゲラーが本当の作曲者ではないかとも言われています。
というわけで、今回、作曲者は「レオポルド・モーツァルト(エドムント・アンゲラー)」と表記している次第です。
本当の作曲者は誰なのかナゾだなんて、ロマンがありますね。
それとも、もしかしたら、
「なんか変わった曲だけど、誰が作ったの~?」
「なにこれ!おもちゃばっかりやーん」
なんてツッコミが入ったりして、
「実は僕が…いえ、なんでもないす…」
て感じで、名乗りでることができなかったのかもしれませんけど。
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ストリングスコンサートⅠでは、この曲で出番のないヴィオラ弾き達が、ここぞとばかりにおもちゃに群がり演奏いたします。
主宰者S氏曰く、指定されたおもちゃ以外のものも入れて演奏してみたいようです。
とあるCDの演奏を聴くと、電子音やクラクション、なんだかわからないパーカッションとかも入って賑やかです。
今回の演奏会でも、なにかやんちゃなことができたら楽しいなと思います。
本番どのような演奏になるのか、乞うご期待!くださいませ♪
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