- 盟友であり、脳科学者としても有名な茂木健一郎氏の
- 言葉を借りれば
- 「日本文化のロイヤルストレートフラッシュ」
- と言えるルーツを持つ白洲信哉氏によるエッセイです。
- 白洲氏の透徹した美学が反映されております。
- 本書を初めて読んだのは、確か2010年ごろの
- お話かと記憶しているのですが、改めて読んでみて、
- 自らの
『あるべきようわ』
というものを探してみたくなりました。
本書は父方の祖父母にGHQから
「容易ならざる唯一の日本人」
と言わしめた白洲次郎と独自の審美眼で数々の
- エッセイを世に残した白洲正子。さらに母方の祖父
- には大学受験の際に評論文の問題としてよく
- 出題され、頭を悩ませた方も多いであろう
- 文芸評論家の小林秀雄氏であり、自らは細川護熙首相の
- 公設秘書を経て、執筆活動に入る一方で日本文化の
- 普及、書籍編集、デザインのほか、さまざまな
- 文化イベントのプロデュースを手がけると言う
- 白洲信哉氏が自らの感性の赴くままに綴った
- エッセイであります。
中盤には白洲氏の盟友であり、脳科学者としても
- 有名な茂木健一郎氏と季節の料理に舌鼓を
- 打ちながら打ち解けた雰囲気で行われている
- 対談も収録されており、白洲氏の人となりが
- ストレートに反映されておりました。
「こだわり」を持つこと。「粋」であることの素晴らしさ…。
- 酸いも甘いもかみ分けた「オトナ」が本書を読むと、
- 一服の『清涼剤』となりうるのかもしれません。
本書の最後に収録されている
『人は阿留辺畿夜宇和(あるべきようわ)の七文字を
- 持つべきなり。僧は僧のあるべきよう、俗は俗の
- あるべきようなり。乃至(ないし)帝王は帝王の
- あるべきよう、臣下は臣下のあるべきようなり。
- このあるべきようを背くゆえに一切悪しきなり。』
という明恵の言葉が彩りを添えるのでした。- 白洲スタイル―白洲次郎、白洲正子、そして小林秀雄の“あるべきようわ”/飛鳥新社
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