白洲スタイル―白洲次郎、白洲正子、そして小林秀雄の“あるべきようわ” | 誇りを失った豚は、喰われるしかない。

誇りを失った豚は、喰われるしかない。

イエスはこれを聞いて言われた。
「医者を必要とするのは、丈夫な人ではなく病人である。わたしが来たのは、正しい人を招くためではなく、罪人を招くためである。」
(マルコによる福音書2章17節)

盟友であり、脳科学者としても有名な茂木健一郎氏の

言葉を借りれば

「日本文化のロイヤルストレートフラッシュ」

と言えるルーツを持つ白洲信哉氏によるエッセイです。

白洲氏の透徹した美学が反映されております。





本書を初めて読んだのは、確か2010年ごろの

お話かと記憶しているのですが、改めて読んでみて、

自らの

『あるべきようわ』

というものを探してみたくなりました。

本書は父方の祖父母にGHQから

「容易ならざる唯一の日本人」

と言わしめた白洲次郎と独自の審美眼で数々の

エッセイを世に残した白洲正子。さらに母方の祖父

には大学受験の際に評論文の問題としてよく

出題され、頭を悩ませた方も多いであろう

文芸評論家の小林秀雄氏であり、自らは細川護熙首相の

公設秘書を経て、執筆活動に入る一方で日本文化の

普及、書籍編集、デザインのほか、さまざまな

文化イベントのプロデュースを手がけると言う

白洲信哉氏が自らの感性の赴くままに綴った

エッセイであります。

中盤には白洲氏の盟友であり、脳科学者としても

有名な茂木健一郎氏と季節の料理に舌鼓を

打ちながら打ち解けた雰囲気で行われている

対談も収録されており、白洲氏の人となりが

ストレートに反映されておりました。

「こだわり」を持つこと。「粋」であることの素晴らしさ…。

酸いも甘いもかみ分けた「オトナ」が本書を読むと、

一服の『清涼剤』となりうるのかもしれません。

本書の最後に収録されている

『人は阿留辺畿夜宇和(あるべきようわ)の七文字を

持つべきなり。僧は僧のあるべきよう、俗は俗の

あるべきようなり。乃至(ないし)帝王は帝王の

あるべきよう、臣下は臣下のあるべきようなり。

このあるべきようを背くゆえに一切悪しきなり。』

という明恵の言葉が彩りを添えるのでした。





白洲スタイル―白洲次郎、白洲正子、そして小林秀雄の“あるべきようわ”/飛鳥新社
¥1,620
Amazon.co.jp

人気ブログランキング ←1クリックお願いします。